事故で長男を30年前に亡くし、その後毎月月命日にお供え続けている年老いた父親。
テレビ番組の家ついていっていいですか。酔っ払い、言葉も足取りもおぼつかない高齢男性の酔っ払い。そこには酒を飲む理由があった。
30年前、自宅近くで当時17歳の長男が乗るバイクと一時停止違反の車の事故。
その男性の広い家にある時計は全て止まっていた。長男の部屋は30年前のまま。奥さんはアルツハイマーで4年前から施設にいる。
時を進めたくないし戻りたくもない。そう言っていた。力が無くなってしまったと。
苦手だった酒に酔い潰れ時間が過ぎた
自分が死んだら長男とあの世でゴルフしたり酒を飲みたい。人生はそれだけだ。
生きる。テレビでよく聞く、
「死ぬ時に誰かを憎んで死にたくない、そういう人間は可哀想。笑って死にたい。」
他人を、その可哀想だという人を嫌っているのが分かる。
長男を殺された高齢男性は事故の相手について一言も憎いと発言していない。編集なのかは分からないが少なくとも憎しみに支配されてはいなかった。ひたすら長男を想っていた。
長男が生きていれば今より幸せだったろう。
幸せ。そんなに簡単じゃない