2009年2月14日(土)

NHK総合 午後9:00~10:13 クリック



【 作 】前田司郎

【音 楽】BANANA

【出演者】久米明 渡辺美佐子

市川実日子 山口美也子 山中聡

志賀廣太郎 宗近晴見 黒田大輔

後藤飛鳥 ふるごおり雅浩

【演 出】中島由貴



【ストーリー】

福島で暮らすおじいさん(久米明)と、おばあさん(渡辺美佐子)の元に

1通のダイレクトメールが届く。

東京で開かれる高級スチールカメラの見本市を知らせるものだ。

カメラが趣味だった若かりし頃を思い出したおじいさんは、一念発起して、

20年ぶりに東京へ行こうと言い始める。

猛反対だったおばあさんも、おじいさんの強引さに負けて、

一緒に上京することに。

孫(市川実日子)をも巻き込んだ珍道中で、2人のこれまでの人生が、

浮き彫りになっていく。そして、老夫婦は20年前の東京のある光景を思い出す。





なぜかビビッときて 観たのでした。

役者さん、流れている空気、チェロやピアノの奏でる音楽、

すべてが素晴らしくて、何者かに感謝したくなりました。




【制作のことば 遠藤理史(制作統括)】より

現代社会の闇を斬る問題作!──ではありません。

地球環境、労働問題──関係ありません。

運命に引き裂かれた恋人たちの悲恋!──ないない。

『お買い物』は、田舎のおじいさんとおばあさんが東京にお買い物に行く、

ただそれだけのお話です。

2人にとっては大冒険ですが、そこにあるのはゆったりとした時間と、

何でもない日常。

そして無記名の善意。社会の闇も対決も悲恋も出てきません。

でも、久米明さんと渡辺美佐子さんのリアルでユーモラスな会話や、

市川実日子さんとの素っ気なくも優しいやりとりを見るうち、

胸の奥がジワッとぬくもります。

夫婦のカタチはそれぞれなのに、なぜか「わかる!」と共感してしまうのは、

長い時を共有してきた夫婦だけがもつ独特の空気感みたいなものが

あるからではないでしょうか。

それをそっとすくいとったのが『お買い物』です。

若手作家前田司郎さんと演出の中島由貴が約2年をかけて

ゆっくりと熟成し作り上げた脚本は、

そのままゆったりとした味わいのものになりました。

見終わった後には「夫婦っていいなあ」としみじみし、

何でもない日常を愛おしく感じられることでしょう。

既婚の方も未婚の方も、ぜひ、貴方の大切な方と一緒に、ご覧ください。



拝見しました。素敵な作品をありがとうございました!!