個人宅の中に能楽堂を持つ。
稽古場ではなく、舞台。驚く話です。
普通に生活される場にあるという性格から、
年に何回かだけですが一般に開かれていると聞きます。

謡曲初体験の玲音がお邪魔してきました。
緑小紋

看板が出ているので、場所はすぐにわかります。

玄関

謡曲番組は、午前九時初曲~終曲予定四時半
ちょうど≪頼政≫が謡われているところでした

席
男の方、前にお二人。後ろに三人。
満身の力で言葉を発せられたるご様子の殿方、お顔は真っ赤。
派手さはなくとも迫力でありまする。

続いて≪花筐≫。今度は婦人が四人並ばれて。
女人4人
78お着物姿の中に、袴姿の方がおられます。

近くに座られていた方に尋ねてみると、
「正装という観点から言えば、帯を締めるということになりますが
舞うときは袴の方が動きやすいこともあり、着装します。」
なにぶん小声でのやり取りなので、聞きこぼしもあったかと思いますが、そういう事でした。
あの方は仕舞もされるのでしょう。

謡曲のみで話をさせてもらうならば、パフォーマンス性は全く皆無。
覚えていらっしゃるだろうに、ただ一心に謡本を眺めつつ、言葉を発する。
(なので、眼差しは下に向けられ、お顔は正面に向けられません。)
普段テレビなどで目にするミュージシャンの姿とは違い、新鮮です。

室内にて屋外にて、異空間。
流れる謡曲ようようと。意味などさっぱりわからずとも心地良い風と共に、言葉が耳に届きます。

かしこまった場所で、外からは遮断された室内できくのではなく、
自然の中に日常にある形で、きけたことがうれしかったです。51
耳は、謡曲とその他諸々の音に向けて、
目は、室内に、外へと向けます。

かわいい紋の意匠 かわいい紋の意匠!!

ひさし

天から日が射し、ときには陰り。やわやかな色が集まって、美しい。
そして何よりもこの空間にきものはとても似合うのでした。
わたしのきものもうれしそうです。446

外

天井が吹き抜けなので、カバーで覆われているのですが、
隙間から風が流れてきて…
まるで仕掛けのように葉っぱがはらはらと落ちたる様に、はぁ~。420とためいきです。
でも、これが雨や嵐の日は大変な事。
いつもは能舞台は閉じておられるそうです。

小松

先程話を伺ったのは、このお家の娘さん堀野公子先生でした。

先生と


文鎮
残念な事に仕舞を拝見する時間がなかった今回。
十月二十五日(日曜日)秋季謡曲会番組が行われるとのこと。267
見学自由と言うことなので、興味がおありの方はぜひ足を運んでみて下さい。

サッカーの試合と重なっているのだけれど、堀野先生の仕舞≪猩々≫だけでも観たいなぁ~。

岸和田市岸城町六ー十  於 杉江能楽堂  072-422-7730