新型コロナウイルスの感染力が、人体に無害な低濃度のオゾンで大幅に弱まることを藤田医科大の研究チームが実験で確認し、26日に発表した。9月初旬から同大の大学病院(愛知県豊明市)の待合所や病室などでオゾンの発生装置を使い、感染リスクの低減につなげる。

 オゾンは3つの酸素原子からなる気体で、インフルエンザウイルスの感染拡大防止などへの有効性が知られている。

 実験では、密閉して湿度を約80%に保った容器内に、ウイルスを付着させたステンレスを設置。人体に安全とされる0・1ppm(1ppmは100万分の1)の低濃度のオゾンを発生させたところ、10時間後には感染力を保っているウイルスの量が4・6%まで大幅に減少した。この量で感染する可能性は、かなり低いという。

 湿度が高いほど有効で、55%程度まで乾燥させると、10時間後でもウイルスの約3分の1が感染力を保ち続けた。湯沢由紀夫病院長は「冬は加湿器を用いるなどの工夫が必要だろう」と指摘する。

 オゾンの発生装置は市販されているが、濃度が高いと人体に有害で、研究チームは「低濃度かつ適切な濃度管理ができる機器を使ってほしい」と注意を呼び掛けている。産経新聞