ラジオ、おもしろかった〜
ポッドキャストで聴けるという“放課後トーク”も参加させてもらったので、皆さんぜひに。
さて。
本日紹介する曲は、七曲目の
「眠れる森のただの女」。
作曲、アレンジともに谷口尚久氏。
谷口さんはザ・ヒット曲を多く世に出している作曲家さん。
あのイケているメンズデュオの作詞作曲も記憶に新しいところです。
私とはほぼ初めての顔合わせだったのですが、
学生時代にNONA REEVESのメンバーとバンドを組んでいたこともあったそうで、とても気になっていたかたでした。
そういうわけでお願いをして、出来たのがこの曲です。
演奏はドラムに小松シゲル氏、ベースに千ヶ崎 学氏、ギターに奥田健介氏。
と、ここまでかつての谷口さんバンドのメンバー。
そしてキーボードにクリヤ・マコト氏。
そこにストリングスとブラスも。
まどろんだようなメロディから迫るように緊張感が増し、突然迷宮に入るようなサビ。
このアルバムで聴ける“新しい土岐麻子”のひとつの顔なんじゃないかなと思っています。
迷宮、というイメージからそのまま連想し、モチーフは“眠れる森”に。
世のなかに数ある“眠れる森”モチーフの曲のなかでも、一番真っ暗で鬱蒼とした森かもしれません。
未来がたっぷりあって、悔しい思いをしながらも当たり前に頑張れるような“夏”はきっと誰にもあると思います。
だけど未来のかさが急に減って、とんでもなく孤独な気持ちになってしまう“冬”も誰にもあるはずと思います。なんて。
なにに負けたくなくて頑張ってきたのか、自分のプライドの置き場所が分からなくなってしまったひとに…
歌詞だけ読むと余計にどん底へご招待してしまうかもしれませんが、
この綺麗なメロディには、答えを知ってて溜め息ついてるような、甘い「酔い」があると思います。
さて、じつはこの曲をいただいたとき、私は五回目で触れたとおり、耳鳴りブンブン女でした。
寝ても覚めてもブンブンブンブン。
当然音楽を聴いてもブンブンブンブン。
しかも曲と関係なくブンブンするので邪魔このうえない。
気違いリミックスかと思うぐらい。
で、1分と耐えられずふて寝。
でも、ふて寝してもブンブンブン…
駆け込んだ耳鼻科で
「私はこれからどうなるのですか、うぐぐ…」
と泣きながら症状を訴えるほどの錯乱状態。
そのまっただなかに先のミーティングがあり、ジェントルかつ理路整然とご自身の音楽観を語られる谷口さんを、本当にうらやましく思っていたのでした。
(いいなあ、このひとは音楽生活を謳歌している…私ときたら朝から晩までこんなブンブン生活…)
とか思いながら
「私はお婆さんになるまで歌うのが夢なんです」
とか言って…
婆さんどころか、11月に出すアルバムすら出来る気がしないのに。
その後一ヶ月かけて無事に治りましたが、本当につらかったものです。
…という話を後日谷口さんに告白したら、なななんと、谷口さんも同じ時期に耳鳴りで苦しんでいたというではないですか!
…私達、よくやりましたよね!(涙)
耳鳴りと耳鳴りが生んだ「眠れる森のただの女」、乞うご期待!!