日曜日、またまた友達の家で誕生日会をしてもらった。

誕生日バンザイッ!




ついつい明け方まで話し込んでいると、

近くの大通りから消防車のサイレンが聴こえて来た。




けっこう近付いて来る。




と思ったらサイレンがフッと消え、

今度は消防士がマイクでアナウンスをし始めた。

よく聞き取れなかったが、




「ご近隣の皆様、ご協力ください。」




という言葉がハッキリと耳に飛び込んで来た。




ひ、ひえ〜




すると、窓の磨りガラスがみるみる赤いライトでいっぱいに…

慌てて開けてみると、すぐそこの路地に消防車が何台も集まって来ている。




音もなくライトをクルクル光らせる、巨大で真っ赤な車の群れ。

それが朝の静かな路地にぎゅうぎゅうにはまっているようすは、

なんだか合成っぽい。




しばらく見ていると、なんとまさに私達がいるマンションの真下の駐車場にも入って来るではないか。

向かいのアパートのおっさんも起きて来て、細い目でこっちを見ている。

「オーライ!あと2メートル!」と消防士が車をこちらに誘導する。

すっかりマンションは包囲されてしまった。




…悲しいけれど、火の手はこの屋根の下かも。




とりあえず外に出なきゃ!




ところが、住人である友達が断固反対する。

普段はとても冷静なのに、そこはやっぱり住人、ちょっと普通じゃなくなっている。

部屋をウロウロしながら、




「ちょっとお、うちじゃないよお、ちょっと、なんでお財布持ってるの?え、逃げちゃうの?火事なんかじゃないってば〜!…こわいよ〜〜!!」




認めたくない気持ちは分かるけど、生きるのだ!!




無理矢理外に連れ出すと

「うわっくさいっ」

と悲壮に叫ぶ。




くさいのは消防車の排気ガスのにおいなのに…




しばらくすると、消防車一行はさらに路地の奥に進み、やがてアナウンスも気配も消えてなくなった。




火災の連絡はあったものの、

どうやら現場が分からなくて探していたようだった。




とりあえず近隣に平穏は戻り、ホッ。あ〜怖かった…




と、プチパニックだった友人を見ると、ずっと履いていたデニムスカートの下に、え、ジーパン?!

まさかの斬新なスタイル!




貴重品も持って出なかったくせに、わざわざジーパンを重ね履きしたそのオシャレ心に感動…






写真はその友人が(冷静なときに)作ってくれたロールケーキ〜