- FTXヨーロッパの元代表が、タイタニック号の遺品を購入するために史上最高額を支払った。
- グルーン氏は、自分の会社の売却で得た資金を使い、FTXが崩壊する前にその不正について知らなかったと語った。
FTXヨーロッパ(FTX Europe)の元代表であるパトリック・グルーン(Patrick Gruhn)氏は、タイタニック号の最も裕福な乗客の遺体から回収された金の懐中時計に、オークションで「タイタニック号の遺品として過去最高額」となる約150万ドル(約2億3250万円、1ドル=155円換算)を支払ったとウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
この時計は、アメリカの資産家ジョン・ジェイコブ・アスター4世(John Jacob Astor IV)のもので、妊娠中の妻マドレーン・アスター(Madeleine Astor)とヨーロッパの新婚旅行から戻るところだった。
1912年にタイタニック号が氷山に衝突したとき、ある乗組員はアスター氏に、すべての女性と子どもが安全になるまで、彼を妻と同じ救命ボートに乗せることはできないと告げた。一週間後、アスター氏の遺体は、彼の所持品である金の時計、金とダイヤモンドのカフスボタン、ダイヤモンドの指輪、金の筆記具とともに海中で発見された。
グルーン氏は、会社を売却して得た資金で妻のマレン・グルーン(Maren Gruhn)さんのために時計を購入し、博物館に展示すると語った。
2023年7月、FTXの破産財団はアメリカの破産裁判所にFTXヨーロッパの幹部から3億2350万ドル(約500億円)以上を回収するよう求めた。その後、和解の一環として、グルーン氏ら幹部はFTXヨーロッパの資産を約3300万ドル(約51億円)で買い戻すことに合意した。グルーン氏はまた、FTXが崩壊するまで、FTXの不正について知らなかったと述べた。
2022年11月にFTXが破綻した後、グルーン氏はオレゴン州に移住し、現在はドイツのカトリック系テレビネットワークを運営するとともに、ヨーロッパで暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所の設立を目指している。
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