空手には昇段・昇級システムというものがあります。
様々な流派やスタイルが乱立している空手界ですが、これに関してはおそらく殆どの流派が取り入れているシステムだと思います。
以前に通っていた道場や今お世話になっている道場でももちろん採用されていましたし、されています。(帯の色の意味合いがが少し異なっていたりはありますが)
この昇段・昇級システムですが、昔から今ひとつ興味が持てません。
あ、好きとか嫌いとかの話では無いです。
気持ち的に興味が向かないということですね。
段や級はそのレベルまで達したというひとつの目安と言うか、感覚としては資格に近いものですが、
・どこまで出来れば6級なのか?3級は?2級は?1級は??
・逆に6級ならどこまで習得されているべきなのか?
そこら辺りがずっとあやふやなままかつ上達の実感が昇級よりも日々の稽古だったので、空手の日常があればそれで満足だったのでしょうね。
ただ、先に書いた通り好き嫌いな話では無いので、以前所属していた道場でも一応審査は受けていて、子供の頃から継続して続けていたこともあって、何だかんだで初段まで取得しました。
したのですが、元々のそんな背景もあり、
・黒帯ってこんなものじゃないだろう
・黒帯とは本当に強い人が許されるものである筈
・少なくとも今の自分程度が身に着けるには全然身の丈に合っていない
みたいなことを常に考えていて、当時は自ら黒帯所持者と名乗ることはなかったのでした。
そんな思いを抱いていたところで、先日たまたま下記の対談記事を目にしました。
横山先生のお話されている内容どれもがすっと中に入って来て、読んでいて自分の中で色々と腑に落ちました。
特に横山先生が対談中で語られていた、
「空手の練習が昇段や昇級目的に流れてしまって、自分の能力に対する誤解が生まれてしまうのではないかと。」
このお言葉に集約されていると感じます。
じゃあ昇段・昇級システムは不要かと言われると、そこまで極端な話では無くて、やっぱりある程度の目標や目安はあった方が良くて、そのうえで先の横山先生のお言葉を意識して、驕ることなく今の帯に納得出来ないなら日々鍛錬。
これに尽きるのでしょう。
余談ですが、横山先生は今の先生の先生にあたる方で、その縁から最近は時間を見付けてはこうして関連記事等を読み漁っています。
どのお話を読んでいても明確なお言葉で芯のあるご回答だったり、発言のひとつひとつがとても入って来るんです。
空手はもちろんのこと人間としての器もとても大きな方だったのだと感じ取れます。
機会があれば1度ご指導を受けてみたかったのですが、残念ながらご病気で既に他界されてしまったとのことなので、その分は今の先生によりご指導をお願いしようと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。