空白の海域燧灘無人島巡り―股島・円上島(2) | 旅、島、ときどき、不思議

空白の海域燧灘無人島巡り―股島・円上島(2)

 昨日の続きで、6月初めに上陸した無人島の話です。


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 無人島行きの当日午前11時前に観音寺港に到着し、
 連絡船ニューいぶきのデッキで港を眺めていると、友人B氏がやってきた。
 伊吹島に到着したらすぐに出発するという。
 14時からはじまる八幡神社で行う昼の神楽に間に合わせるためだった。
 夜に荒神宮で奉納される同じような神楽を見るつもりだったのだが、
 いつの間にかさっさと無人島巡りして、ということになったらしい。
 ニューいぶきは港から出ても、ほとんど揺れなかった。
 海面は池のような滑らかな凹凸をみせるだけで、さざ波すらたっていない。
 べた凪と言ってよく、絶好の無人島上陸日和だ。


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 伊吹島に到着すると、すぐに三好さんの船に案内された。
 後ろの甲板には小さなボートが積んである。
 股島と円上島を巡る無人島ツアーの参加者は、
 大阪らか駆けつけた人や小さな子どももいれて総勢9名。
 賑やかな島旅となった。
 船室に5人ほど入れそうだが、外にいる人が多い。


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 港を出て西へ向かうと、前方水平線上に二つの島影があらわれた。
 比較的平らで大きい方が股島、隣にちょこんと立っているのが小股島。
 三好さんが、オッといってエンジンの出力を落とした。
 定員10名の船に9名乗っているので、
 オーバーヒートしそうになっていたらしい。
 外で風に吹かれていたいが、操舵席の脇で三好さんの話も聞きたい。
 海上タクシーを操る三好さんは、実は著名な郷土史家でもあるのだ。


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 「この辺りは、西の村上水軍と
  東の塩飽水軍の勢力範囲がちょうど接する海域でした。
  当時、股島は塩飽水軍の影響下にありました」
 股島は、塩飽水軍最西端の出張所のような存在だったらしい。
 「股島の土地の半分は観音寺の造園会社森川ガーデンがもっていて、
  ヤシやフェニックスを植えていた。
  残り半分は、伊吹島の人が何人かでもっています」
 (つづく)


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