「新日本紀行ふたたび」にトカラの宝島が登場予定 | 旅、島、ときどき、不思議

「新日本紀行ふたたび」にトカラの宝島が登場予定

 島好き、旅好きの人には有名だが、トカラ列島にずばり「宝島」という名前の島がある。

 ぼくが最初に宝島の姿を目にしたのは、今から36年前の昭和50年の秋だった。

 宝島港の向こうで白く輝いている砂丘が目に焼きついた。

 通船作業の合間に上陸して白砂に触れてみたかったが、

 物見遊山で艀に乗るのがためらわれ、結局宝島を踏むことはなかった。

 実際に上陸を果たしたのは、それから十数年後、

 小学生と年長さんになっていた子どもを連れての家族旅行の時だった。

 失業対策として推進された緑化事業が功を奏して、

 その時はまばゆいばかりだった砂丘は木々の下に姿を隠していた。

 失業対策という意味合いもあったが、実際に飛砂被害も大きかったので、

 島人にとっては二重の恩恵をもたらした事業だったという。


 8月27日(土)11時30分~放送される番組には、

 昭和46年に撮影された宝島も登場するらしい。

 まだ、砂丘が生き生きと輝いていた時代だ。

 もしかしたら、当時も見た番組かもしれないが、昔の宝島に再開できるのが楽しみだ。


 http://www.nhk.or.jp/archives/kikou/


 現在は意識的に観察しても砂丘の面影を探るのは難しい。

 ただし、大池(今は干上がってしまった)へ通じる小径をたどれば、

 今も白い砂肌をあらわにしている場所もあり、辛うじて在りし日の様子を窺うことができる。

 「あの砂丘が今も残っていたら、素晴らしい観光資源になったのに」

 今になって、そう呟く島人たちもいる。