建ち並ぶ立派な家々、しかし、安居島の人口は約20
さきほど、松山市の安居島から戻った。
13年前に訪ねた時も、安居島の人口はすでに50を切り、
実人口は40足らずになっていたはずだ。
写真のような風景(右手にも、もっと家並みが続く)が広がる安居島で、
何人かに現在日常的に島で暮らしている人の数を聞いた。
たずねた人誰しもが、一人一人の顔を思い浮かべているのだろう、
ゆっくりと指を折って数えてゆき、しばらくしておもむろに数を口にした。
そうしたところ、19、20、22と、三つの説が浮上したではないか。
どれもが本当の数字なのだろう。
人がある土地に住んでいることは、揺るぎないことのように思われるが、
実は極めて曖昧模糊としていることが、人口の少ない土地では簡単に露呈する。
それぞれ、誰を実際に住んでいる人とみなし、誰を除外しているのか。
ひょっこり取材で紛れ込んだよそ者には見当がつきかねるが、
島人として認識されたりされなかったりしているマージナルな人は、誰なのか。
そして、どんな人なのだろう。などと、想像を広げてしまった。