『考え抜く力』という能力について語りたい。
僕なりの定義は、「考えに考えて、完全に自分が納得できるような結論や解を出せる力」である。
ポイントは二つ。
一つは考えに考えて、もうこれ以上は無理と言うくらいに考えること。
もう一つは、結論や解などのアウトプットを、それも自分が完全が納得できるアウトプットを、出し切ること。
自分が完全に納得できる結論や解を出すのは想像以上に大変だ。
まさに徹底的に自分と向き合い考えることが必要になる。
そして自分が完全に納得できる解や結論は、他人に対しても間違いなく強い説得力を持つ。
僕はごくたまに、ある問題や課題の解とか結論を求めて、体力を消耗し、体調がおかしくなるほど考えに考えてアウトプットを出すことがある。
長い時は2ヶ月間くらい、ともかく寝ても覚めてもその問題の解を求めてひたすら考え続ける。
これはとても辛く苦しい作業だ。
誰でもそうだが、難しいテーマを考えこんでいくと必ず堂々巡りなどの「思考の壁」に突き当たる。
普段なら、そこで諦めるか、当たり障りのなさそうな結論に逃げることで誤魔化していく。
でもたまに、歯を食いしばって思考の壁に正面から喰いつき、壁を抜ける針の穴を見つけ、そこから壁を突き破って行こうとすることがある。
思考の壁は一つの課題で何回も何回も突きあたるから、そのたびに歯を食いしばって突き破って行かなければならない。
非常に強固な壁に突き当たり、もう自分の力ではダメかなと思う時に、何かの拍子に『あれっ、待てよ』と言う形でヒラメキが突然やって来る場合がある。
殆どの場合、このヒラメキは解や結論そのものではないのだが、それを糸口として完全に自分が納得できる解を引きづり出すことが出来る。
僕は自分の経験から、本物のヒラメキとは左脳思考が限界にぶち当たった時に、最後の最後に右脳がさっと差し出
す助け舟だと思っている。
逆に言えば、限界まで考えていないのに頭に浮かぶひらめきは本物ではないということだ。
こうして考えに考え抜いてひとつの結論にたどり着き、ハードな思考作業を終えてみると、その後は自分の頭がものすごく軽くなったように感じる。
それは日ごろの自分がいかに頭を使っていないか、負荷をかけていないかの証拠でもある。
さて考え抜く力を身につけるのに手っ取り早い方法なんてものはない。
先ずは簡単には妥協せず、諦めず、逃げない自分でいようという強い意思と覚悟を持たなければならない。
そして粘り強く徹底的に考え続けるクセをつけることで、頭の中にそういう思考回路を作りこんでいくしかないのである。
ただし、考え抜く力の思考回路造りは、地頭が特に良くなくても強い意思さえあれば出来ることである。
しかし自分ひとりや社内の仲間どうしでやったのでは、途中で挫折してしまう可能性はある。
そんな時は経験者のアドバイスが役に立つかもしれない。