# アフリカ豚コレラウイルス(ASF)の脅威(続) | tokaiama20のブログ

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 昨日、この問題について二回目のブログを書いたが、関心が極めて低く、反応も少ないため、急遽、三回目のブログを書いて注意喚起することにした。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-653.html

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-761.html

 http://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/niah/asf/

 アフリカ豚コレラウイルスは、2019年6月2日現在、日本列島に侵入したとの報道はない。しかし、ウイルスの性質は、極めて危険なもので、
 ①感染した場合の致死率が100%と最大級 ②ワクチンなど予防対策が一つも発見されていない ③加工食品や糞便中での活性期間が極めて長い、などの特徴があり、ひとたび感染が発見されたなら、たちまち全国に拡散し、野生イノシシ生息域や豚肉市場取引を完全破壊するのも時間の問題である。

 このウイルスは、元々、サハラ砂漠以南のアフリカでイボイノシシの風土病であったが、2007年に突然、ユーラシア大陸に侵入し、爆発的拡大を遂げた。
 アジアに侵入したのは、まだ2018年で、わずか1年あまりで、中国を中心に爆発的拡大(パンデミック)を起こして巨大な被害が続いている。

 中国政府は、ASFの感染と蔓延状況の情報を隠蔽しており、大規模な対策は取られていない。
 中国では、ASFに対する危機意識が希薄で、感染力の強い病死豚でさえ食品に利用することにより、大規模な感染拡大に至ったと考えられている。
 
 水餃子の豚肉からASFウイルスを検出
  https://www.youtube.com/watch?v=arMqlfF017A

 2019年段階では、中国のすべての省でASF感染が確認されていて、これらの病死豚から作られた食品が、日本にも輸入されて、日本におけるASF感染源になる可能性が極めて強い。
  https://www.youtube.com/watch?v=L0QiJnSeLH0

 香港で拡大しているASF
 https://www.youtube.com/watch?v=JMNFJJ6ubfE

 中国では、ASFは制御不能のパンデミックを起こしている。
 https://www.youtube.com/watch?v=E0fhyXW6l5Q

 昨日書いたとおり、中国では、旅行時に携帯用の焼豚やソーセージなど加工食品を持参する習慣があり、税関もこれらのすべてを没収するのは不可能で、相当数が日本国内に持ち込まれている。
 昨年10月に千歳空港で中国人観光客から没収された豚肉加工食品から、ASFウイルスが活性化した状態で発見されている。

 現在流行中の豚コレラウイルスも、東北省やモンゴルで流行しているタイプと同じであるため、東北地区やモンゴルの観光客が持ち込んだ疑いが強い。
 したがって、ASFウイルスは、すでに何回も日本国内に入り込んでいて、残飯を食べるイノシシや豚からパンデミックが始まる可能性は避けられないように思われる。

 アフリカ豚コレラ(ASF)については、このリンクに、大半の情報が記載されている。  http://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/niah/asf/

 これによれば、ASFウイルスによる死豚を加工した場合、ソーセージのような食品のなかで感染力を維持する期間は、300日を超えると記載されている。
 また、感染した豚の糞便中で感染力を維持する期間は、実に18ヶ月に及ぶ。またウイルスであるため、通常の真菌やバクテリアに対する殺菌が通用しない場合も多い。

 これは、豚コレラに感染した豚が残した糞便が飼育施設にある場合、1年半後に入れられた新しい豚も感染する可能性があり、また1年前の食べ残しソーセージを豚やイノシシが食べた場合でも、新たな感染拡大が起きることを意味している。

 またウイルスのタイプも、アスファウイルス科アスフィウイルス属(Asfarviridae Asfivirus)に分類される唯一のウイルスで、2本鎖DNAをゲノムにもつ。ウイルスの直径は約200 nmと大きく、直鎖状のゲノムDNAを、内膜、正20面体のキャプシドおよび細胞膜由来のエンベローブの3層で包みこむ構造を取る。
 中国で感染爆発を起こしているASFのタイプはⅡ型で、アフリカと同じであるので、近年、アフリカに大規模展開している中国人が帰国時に持ち込んだ可能性も考えられる。

 なお、豚を飼育していた場合、豚コレラウイルスを殺菌する方法は、通常の細菌真菌とかなり異なるので、基礎知識の習得が必要になる。
 ウイルス一般の殺菌方法は、アルコールか次亜塩素酸ソーダが使われるのが一般的だが、アルコールでも、メタノールやエタノールには殺菌(ウイルスの場合は「不活化」という)効果が認められているが、イソプロピルアルコールの効果はほとんどないので注意が必要である。
  http://journal.kansensho.or.jp/kansensho/backnumber/fulltext/55/355-366.pdf

 次亜塩素酸ソーダは、不活化ランニングコストが極めて安いので、積極的に利用すべきだ。長期間放置すれば塩水に変わってゆき、生物毒性は消える。
 なお石灰に関しては、PH13以上、30分接触で不活化効果が認められている。施設の周辺に散布し、感染を予防することができる。
 温熱処理に関しては、70度以上で30分以上暴露する環境で死滅が期待できる。

 ウイルスの基本的性質については、以下のリンクに詳細が分かりやすく書かれている。
 https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketsuekigakuwomanabou-252.pdf

 今後、現在の豚コレラウイルスとアフリカ豚コレラウイルスが、どうなるのかという予測だが、防疫関係者は戦々恐々だろう。
 今の段階で、幸い、人間への感染力は確認されていないが、鳥インフルエンザも、当初は人間への感染はないとされながら、濃厚感染が繰り返される環境で、やがて人への感染が証明されたウイルス変異も現れてきた。
 豚コレラウイルスが、本当に、人に有害作用を及ぼさないかは、現段階では不明というしかない。

 このウイルスが、中国国内で、とんでもないパンデミックを起こしている理由については、かなり不審を感じている。
 共産党と地方政府が感染を隠蔽したことにより感染爆発が起きて取り返しのつかない事態にまでなっているのだが、今の段階で証拠はないが、もしかしたら中国を狙った生物兵器ではないかという懸念も拭いきれない。

 微生物は突然変異を繰り返す習性があって、わずかな期間で次々に性質を変えてしまう可能性があるのだが、これが、もし人間に対する毒性を示すように変化が仕組まれていたならと考えると、日本でもタダではすまない事態になり、だから私は危機意識を持つのだ。

 いずれにせよ、ASFの日本侵入は絶対に避けられない。日本列島の大半に感染・汚染が拡大する疑いが強い。それは日本政府が、強い危機意識をもって対処できる有能な人材を失っているためである。
 官僚たちは、安倍政権をヨイショ忖度するのに疲れ切って、半世紀前のように不眠不休で断固たる侵入防衛に動く役人たちが、すでにいないのだ。
 だから1992年に熊本で起きた豚コレラ事件への対応は、もう今の日本では無理だと考えた方がいい。

 感染経路としては、中国人による直接の加工食品持ち込みがもっと危険だが、同時に、中国の加工食品が日本に大規模に輸入されていて、スーパーで売られている餃子のような安売り冷凍食品には、大量の中国産豚肉が含まれている。
 ASFウイルスは、マイナス18度の冷凍食品基準では不活化されないことが明らかにされている。また中心温度が70度で20分以上が不活化基準なので、餃子の場合は、10分程度の調理時間しかなく、中心温度が70度を超えない場合もある。
 そして、日本人が直接感染しないにせよ、この食べ残しが豚の飼料として利用されるため、中国で製造されたハム・ソーセージ・焼豚などの食べ残しが、不活化されない状態で、豚に与えられる可能性は非常に大きい。

 日本に侵入したASFは、もはやワクチンも存在せず、体液接触やダニの媒介を通して、全国に拡大してゆく。養豚場がイノシシとの接触を断ったとしても、境界付近で媒介源であるダニの受け渡しが起きる可能性は強い。
 現在の岐阜県における豚コレラの伝播状況を見ると、子豚・種豚などの移動に伴う感染が多いように見受けられる。施設外のイノシシが、豚のフェロモンに誘因されて施設内の豚と接触感染するケースは、それほど多く報告されていない。

 ところがASFの感染が始まると、極度に高い致死率から、施設内でウイルス保菌の豚の死骸放置が大量に発生し、それをネズミなど小動物が食べて施設外に拡散させる可能性がある。
 この段階になれば、もう全国の豚肉市場は壊滅状態で、全小売施設で、豚肉が消える事態になるのは確実であり、それは今年中に起きるかもしれない。
 もちろん、ハムソーセージ焼豚も同時に消えるのである。それは、最初に日本でASF感染が報告された直後に、市場に残るあらゆる豚肉加工品が消えることを意味している。

 豚肉販売停止に伴って、鶏肉・牛肉の販売価格が上昇してゆくだろう。
 我々貧乏人は肉を食べられないので、放射能汚染されたサンマを食べ続けるしかないのかもしれない。

 豚肉加工食品でも、強い加熱処理を行ったものは安全であるが、生ハム類は危険とされている。生ハムの場合、ウイルスの感染能力は140日続き、冷凍豚肉で110日、燻製や塩漬けハムで300日続くと報告されている。

 国内、ASF感染の疑いが報道された場合、どうしても豚肉を食べたければ、アメリカ産の豚肉缶詰やハムソーセージを冷蔵庫に備蓄しておくくらいしか手がないだろう。
 ここまでくれば、我々は、畜産食品を見直して、比叡山・高野山風のベジタリアンになることを模索するのもいいかもしれない。
 大豆やごまの加工食品を今から研究しておくことが必要になるかもしれない。