ランドマークプラザまでスカーフを買いに行く道すがら,桜木町駅で列車を降りて改札を出ると,私の興味を強く惹き付ける資料展示がありました。
 1872(明治5)年の鉄道開業から現在に至るまでの横浜と鉄道の歴史を解説した資料展示です。 
 
 
 幕末に開港した横浜は物流の拠点として栄え,鉄道開業時の最初の終着駅となりました。鉄道における貨物輸送は「開業の翌年,1873(明治6)年から開始された」とあります。
 鉄道開業当時,使用されたレールは「双頭レール」と言うもので,鋼鉄が貴重な時代はレールの上と下を同じ形に作り,「上がすり減ったら,ひっくり返して下側を使う」という使用方法が取られていました。
 
 
 鉄道開業当時の「横浜駅」は,現在の桜木町駅の場所にありました。
それから数回の移転を経て「横浜駅」は現在の場所に設置され,鉄道開業当時の「横浜駅」は「桜木町駅」と改名されました。
 
 鉄道が「速くて便利」ということがわかると,人々は通勤・通学,出張,観光など多様な目的で鉄道を利用するようになりました。江戸の昔は徒歩移動が主流でしたから,汽車のスピードに沿線の人々は驚いたことだと思います。
 鉄道路線網の拡大により,列車に乗って長距離旅行をする人が出てくれば,その車中で食事を取ったり,お茶やお酒を飲みたくなるのは時代を問いません。
 そこで,東北本線宇都宮駅の「握り飯」弁当,東海道線大船駅のサンドウィッチ,横浜駅の「崎陽軒」シウマイ弁当といった商品が駅構内や車内で販売されるようになりました。
 
 「追憶の野毛・桜木町駅」とありますが,「野毛山動物園」という動物園を御存知の方は「野毛」という地名を知っているかもしれません。
 「みなとみらい」地区の開発が行われるより前の時代,桜木町駅は「庶民の街・野毛」の玄関口として多くの人々に利用されてきました。現在では綺麗で立派な駅ビルや駅ナカ施設が多数設置され,駅前も整備されています。
 
 「桜木町にやってきた鉄道車両」は,文字通り桜木町駅を行き交った鉄道車両の変遷を解説した資料展示です。
 蒸気機関車から電気機関車,電車も茶色い旧型国電から101系・103系,205系,209系,E233系といった具合に幾つもの変遷を経ています。
 横浜線の電車は旧型国電から103系(山手線・京浜東北線からの転属車),205系,E233系と変遷し,京浜東北線は旧型国電から101系,103系,ショートリリーフで205系が運用されましたが209系が大量増備されて103系を置き換えました。209系はE233系によって置き換えられ,現在では千葉支社管内で運用されています。
 


 鉄道は人々の移動手段であると同時に文学や映画,音楽といった芸術の題材,趣味の対象として多くの人々に親しまれてきました。
 私も物心ついた頃から鉄道が大好きで,列車の写真を撮ったり,鉄道雑誌・書籍を買っては読み,使用済みパスネット収集やPASMO利用履歴印字・収集,列車旅といった鉄道趣味を楽しんでいます。