皆さん,こんにちは。
本日の「昔の時刻表」記事は,1967年10月改正ダイヤの熱海駅発・東海道線下り普通列車です。
「ヨンサントオ」改正の前年,東海道線の普通列車はどのような運行だったのかを見ていきたいと思います。
それでは,中身に入っていきます。
〔5時〕 ●島田20
〔6時〕 沼津19
〔7時〕 名古屋24 沼津43
〔8時〕 静岡19
〔9時〕 静岡16
〔10時〕 浜松13 富士36
〔11時〕 沼津20 豊橋56
〔12時〕 沼津28 沼津56
〔13時〕 富士08 沼津42
〔14時〕 沼津30
〔15時〕 沼津03 沼津26 大垣52
〔16時〕 ●菊川58
〔17時〕 豊橋26
〔18時〕 ●島田11 沼津50
〔19時〕 浜松07 静岡39
〔20時〕 静岡07 浜松55
〔21時〕 沼津05 島田29
〔22時〕 沼津22
〔23時〕 沼津20
〔0時〕 沼津24
〔1時〕 大阪24(※1)
〔記号説明〕
●・・・当駅始発
※1・・・客車列車(函南,原~吉原,岩淵~草薙,用宗~島田,菊川,三河大塚,三ヶ根,東刈谷,高槻,新大阪通過)
夜行の大阪行き(01:24発)を除外すると,当時の普通列車で最長だったのは15:52発の大垣行きです。東海道新幹線開業から3年が経過した頃ですが,依然として長距離普通列車が運行されていました。これは旅行客の安価な移動手段以外に荷物輸送という理由がありました。
東名高速道路こそあれど,現在ほど道路事情が良くない時代でしたので,鉄道による荷物輸送が盛んでした。普通列車に併結する場合もあれば,荷物列車が運行される時代でもあり,駅で荷物を発送する手続きが行われていたそうです。
それでは,当時の運行本数と内訳を見ていきたいと思います。
総本数:32本(当駅始発:3本 東京方面からの直通:29本)
沼津行き:14本
富士行き:2本
静岡行き:4本
島田行き:3本
菊川行き:1本
浜松行き:3本
豊橋行き:1本
名古屋行き:1本
大垣行き:1本
大阪行き:1本
この時点では東京方面からの直通が圧倒的多数で,全32本ある下り普通列車のうち29本を占めています。当駅始発は3本で,どちらかと言えばマイナーな存在。島田行き(2本)と菊川行き(1本)です。東京からの直通列車で大多数を占めるのが沼津行きで,14本運行されていました。
東京駅を起点に運行される東海道線普通列車は「湘南電車」という愛称で親しまれ,主に平塚,小田原,熱海,沼津までの列車が運行されていました。それらに加えて静岡行き,浜松行きなども運行され,東京駅発の時刻表で見れば華やかなものでした。
1時間あたりの本数は1~3本と少なく,電車の加減速性能やトップスピードも現在ほど高くなかった時代ですが,ホームの蕎麦屋さん,駅弁屋さん,車掌さんの検札,肉声で到着放送・発車放送を行う駅員さんなど,駅や車内の風景は現代以上に旅情をかき立てられるものだと思います。
〔参照〕
『時刻表復刻版 1967年10月号』(JTBパブリッシング・2022年2月)
【次回予告】
「1968年10月 熱海駅・東海道線普通列車」