皆さん,こんばんは。
本日から複数回に分けて,JR東日本管内の東海道線(東京〜熱海間)について書いていきたいと思います。
本日は「JR東日本」初期の運行体制の概要についてです。
それでは,本編に入ります。
① 国鉄分割民営化と東海道線の管轄範囲
昭和62(1987)年4月,国鉄が分割民営化されてJRグループが発足しました。東京~神戸間の東海道線はJR東日本・JR東海・JR西日本の3社が管轄することになりました。
JR東日本は東京~熱海間を管轄し,伊豆・静岡方面への輸送,神奈川県西部地域から東京方面への通勤輸送を担うことになりました。
JR東海は熱海~米原間,JR西日本は米原~神戸間をそれぞれ受け持つことになりました。
JR東日本発足当時,東海道線の普通列車は国鉄から継承した「113系」と「211系」が受け持っていました。また,特急列車「踊り子」の間合い運用で「185系」による普通列車も運行されていました。
藤沢駅を発車する113系
東海道線 下り普通列車
(1998年10月撮影)
②列車運行体制の概要
当時の東海道線は東京駅を起点に運行されていました。当時の運行体制は,以下の通りです。
特急列車:「踊り子」(伊豆急下田・修善寺方面 185系)
急行列車:「東海」(JR東海の静岡駅まで直通 165系)
特急列車「踊り子」については,伊豆急下田行きは熱海から伊東線,伊東から伊豆急行線に乗り入れての運行。修善寺行きは三島までJR東海の東海道線に,三島から伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り入れて運行されていました。
普通列車の運行体制は,次の通りです。
【JR東日本管内完結の列車】
平塚・国府津・小田原・熱海まで
伊東線の伊東まで直通
【JR東海直通列車】
上り:島田・静岡から
下り:沼津・静岡まで
また,国府津で熱海・沼津・静岡方面を発着する列車と分割併合のうえ,御殿場線の山北,御殿場に乗り入れる列車も運行されていました。
これに加えて,夜間には夜行・寝台列車も多数運行されていました。
昭和63(1988)年3月改正のダイヤにおける東京駅発の夜行・寝台列車は,次の通りです。
16:40 寝台特急「さくら」 長崎・佐世保行き
17:05 寝台特急「はやぶさ」 西鹿児島行き
18:05 寝台特急「みずほ」 熊本・長崎行き
18:20 寝台特急「富士」 宮崎行き
18:50 寝台特急「出雲1号」 浜田行き
19:05 寝台特急「あさかぜ1号」 博多行き
19:20 寝台特急「あさかぜ3号」 下関行き
19:51 寝台特急「あさかぜ81号」 博多行き(臨時)
21:05 寝台特急「瀬戸」 高松行き
21:20 寝台特急「出雲2号」 出雲市行き
22:45 寝台急行「銀河」 大阪行き
23:10 急行「銀河81号」 大阪行き(臨時)
23:25 普通 大垣行き
23:59 急行「銀河83号」 大阪行き(臨時)
ここまで挙げてきた列車の大多数は現在,廃止されています。唯一,形を変えて生き残っているのは「瀬戸」と「出雲」です。当時は機関車牽引の客車列車でしたが,現在は2本の列車を併結して「サンライズ瀬戸・出雲」という名前で285系電車によって運行されています。
23:25発の夜行普通列車・大垣行きは後年,「ムーンライトながら」という夜行快速列車に格上げされましたが,後に臨時列車へ格下げ,廃止という経過を辿っています。