大府駅から列車に乗って名古屋方面に向かい,行き着いた場所は熱田駅である。

 駅の名古屋方で幹線道路がオーバークロスしており,ちょうど良い日陰になる。

 普通列車のみ停車する駅で,名古屋市内にありながらのんびりした雰囲気がある。

 

・313系Y5編成

 平成11(1999)年に製造された「0番台」に属する。4両編成×15本が大垣車両区に所属し,東海道線名古屋地区で活躍している。

 写真の普通列車だけでなく,増結のうえ快速系種別でも運用される。

 313系がデビューした平成11(1999)年は名古屋駅が新駅舎に生まれ変わった。

 JR東海の本社が入居する「セントラルタワーズ」,高級ホテル「マリオットアソシアホテル」,「ジェイアール名古屋高島屋」がオープンした。

 また,プロ野球の「中日ドラゴンズ」がセ・リーグ優勝した年であることも付け加えておく。

 

・311系G2編成

 平成元(1989)年,JR・名鉄・名古屋市営地下鉄の3事業者からなる「金山総合駅」(金山駅改良)の開業と「新快速」の運行開始に合わせて導入された車両である。

 車内は転換式クロスシートで,制御方式は211系で実績のある界磁添加励磁制御が採用されている。また,高速走行時の乗り心地を改善するためにヨーダンパを設置している。最高速度120km/hで,長らく東海道線の「新快速」「快速」を担当してきた。

 平成11(1999)年,快速系種別の運用の大半を313系にバトンタッチして普通列車の運用に就いている。ただし,朝夕のラッシュ時に武豊線直通の区間快速で運用されることもある。

 

・熱田駅を通過する311系G10編成の「区間快速」名古屋行き

 

・熱田駅を通過するEF210型電気機関車牽引の貨物列車

 

・熱田駅に入線する311系G1編成+他4連の普通列車(岐阜行き)

 

 熱田駅で撮影中,ベンチでカメラの撮影履歴を確認していたところ,高齢の女性に「列車の撮影をしているのですか?」と話しかけられた。

 女性は「息子は60代なんですが,旅行が好きで北海道などへ,よく行くのです」と話された。

 「いつから鉄道がお好きなんですか?」と質問され,「幼い頃からずっと好きです」と答えた。私は続けて「今は特に東海道線が好きで,名古屋や静岡まで来ることが多いです」と話し,女性は感心されていた。昔の長距離普通列車,立ち売りの駅弁屋さんがいた時代の話などで盛り上がった。

 「好きな趣味があること,夢中になるものがあることは人生を楽しくする。精神面でプラスにはたらく」ということにつき,お互いの考え方が一致した。

 旅先で出会った人との交流も旅行の楽しみの一つである。一度きりの出会いになると思うが,現地の人々との交流は良き思い出となる。