皆さん,こんにちは。

『発掘!明治初頭の列車時刻』を元に昔の東海道線の列車ダイヤを振り返る企画,今回で5回目となります。

 今回は明治20年7月から明治22年7月までのダイヤを振り返ってみたいと思います。

 明治20年7月は新橋~横浜間の鉄道が国府津まで延伸しました。現在のJR東日本が管轄する東海道線の区間(東京~熱海間)のうち,約7割が出来たということになります。

 明治20年7月の国府津延伸開業時,程ヶ谷(→保土ヶ谷),戸塚,藤沢,平塚,大磯の5駅が設置されました。

 それでは早速,中身に入っていきたいと思います。

① 明治20年7月11日

 この改正では,新橋発の列車が国府津まで直通運転せず,横浜で横浜発の国府津行きに接続するダイヤが組まれていました。横浜~国府津間の列車運行本数は上下線ともに3本ずつでした。

 横浜駅で接続する列車のダイヤは,以下の通りです。 

・新橋(発)→横浜(着)  横浜(発)→国府津(着)

 06:45 → 07:40                07:50 → 09:35  

 11:00 → 11:55                  12:30 → 14:15 

 16:00 → 16:55                 17:10 → 18:55

・国府津(発)→横浜(着)  横浜(発)→新橋(着)

 10:00 → 11:45                 12:15 → 13:10

 14:45 → 16:30           【急行】16:45 → 17:30

 19:30 → 21:15                  21:45 → 22:40

 新橋~国府津間の所要時間は,横浜駅での接続待ち合わせ時間を含めて列車により異なりますが,2時間45分~3時間15分を要していました。

 参考までに,2023年3月改正ダイヤにおける平日の東海道線,下り普通列車で,当時に近い時刻で東京駅を発車する列車を見てみることにします。

 

06:30 東京(発)→07:50 国府津(着) 【普通】 熱海行き

11:08  東京(発)→12:19  国府津(着) 【普通】 熱海行き

15:57 東京(発)→17:17  国府津(着) 【普通】 小田原行き

 

 現代の東海道線普通列車であれば,およそ1時間11分~1時間20分で到着できます。

 現代の電車に比べれば倍以上の時間が掛かっていますが,鉄道開業以前の移動手段は徒歩が主流であったこと,東京~横浜間の距離が一日がかりの長旅であったことを考えると,大きな進歩であると言えます。

② 明治20年11月1日

 国府津延伸開業から4ヶ月後の明治20年11月1日,早くもダイヤ改正が行われました。この改正で新橋~国府津間を直通運転する列車が上下線ともに4本ずつ設定されました。

 新橋~国府津間を直通する列車のダイヤは,以下の通りです。

 新橋(発)→国府津(着) 国府津(発)→新橋(着)

    07:00 → 09:45               【急行】07:15 → 09:50

   10:00 → 13:15                       11:20 → 14:05

   14:30 → 17:15                       15:20 → 18:10

   17:15 → 20:00                      18:05 → 20:55

③ 明治21年3月16日

 国府津延伸開業の翌年,明治21年3月16日に再びダイヤ改正が実施されました。この改正では,新橋~国府津間の直通列車を上下線,各6本ずつに増便。

 急行列車を新橋発国府津行きで2本,国府津発新橋行きに1本運行するダイヤが組まれました。

 新橋(発)→国府津(着)  国府津(発)→新橋(着)

    06:15 → 09:00          05:50 → 08:25

【急行】08:45 → 11:10                   09:25 → 11:55 

    11:00 → 13:35           11:50 → 14:25

    13:30 → 16:05        【急行】14:20 → 16:45 

【急行】16:00 → 18:25               16:40 → 19:10

    18:15 → 20:50            19:05 → 21:40