心遣い(TEXT108より) | Digital TEXT 2020

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2年H組の学級通信です。

先日12日(金)は遠足が行われました。

ただ、あいにくの空模様となり、現地でも何度か雨に降られました。

(特に、ちょうど園を出る時間帯に雨足が強くなりました)

 

生徒たちも、転んだり水溜りに足を取られないよう注意しながら、あわててバスに駆け込んでいきました。

点呼により全員揃ったことが確認されると、バスは一路学校へと向かいました。

 

走行が落ち着いた頃、バスガイドさんが「こちらの生徒さん、本当に優秀ですね」と話してくれました。

詳しく聞いてみると、バスに乗車する前に、濡れた上着を脱いで水滴を払ったり、上着の外側を内向きに折り、バスのシートなどが濡れないように気をつけていた生徒がいたとのことでした。

 

「大人のお客様でも、そのような方はほとんどいらっしゃいません。」とガイドさんは非常に嬉しそうに語って下さいました。

彼女たちや運転手にとって、車内は大切な「仕事場」です。また、この疫禍のなか、乗車するお客さんに快適に過ごしてもらうため、消毒をしたり、換気を徹底したり、これまで以上に細心の注意を払っています。

特別な場所だからこそ、バスを「ただの移動手段」ではなく、大切な場所として扱ってくれるお客さんに出会えると、「頑張ろう」という気持ちになるそうです。

 

また、今回の遠足ではH組の多くの子が「お願いします」「ありがとうございます」と元気よく声を掛けてくれた、とも話してくれました。

 

「他の従業員にも自慢します」と笑いながら話してくれ、こちらまで暖かい気持ちになりました。

 

「皆で使う空間だから、大切にする」「無事に、心地よく目的地まで送り届けてくれたことに対して感謝の意を伝える」

一見すると当たり前のことのように思うかもしれません。

ですが、当たり前なものほど、蔑ろにされてしまうことはしばしばあります。そうした中で、当たり前を大切にし、心遣いのできる子が育っていることを、嬉しく思っています。

 

学校の周りのハクモクレンが、綺麗な大輪の花を咲かせています。

モクレンは、学校が所在する名古屋市東区の木で、徳川園周辺や建中寺の周りなど様々なところで見ることができます。