学年末まで1週間(TEXT101より) | Digital TEXT 2020

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2年H組の学級通信です。

来週4日(木)から、いよいよ学年末考査です。

 

生徒の様子を見ていると、既に学年末に向けて準備を始めた子が何人もいるのが分かります。

他学期と違い、3学期に行われる定期考査は、この学年末考査1つしかありません。そのため、試験範囲が提示される前から、どこから開始で、どこまで進むかの見当が着けやすいという特徴があります。

 

また、3学期までの学習を振り返り「この学年末では頑張りたい」「3年生に進級する前に力を養いたい」という思いをもっている子もいるようです。

先日実施した振り返りでは、その旨を明確に書いてくれ子が何人かいました。

中には、具体的に、英語や数学、化学など、まず「なんとかしたい」「伸ばしたい」と教科名を挙げていた子もいます。このように、自分なりに考え、目的意識、あるいは危機意識をもって、行動に移せる子が増えていることを嬉しく思っています。

 

「やる気スイッチ」という言葉があります。

当事者の「なかなかやる気が出ない」、あるいは周りにいる人間からの「そろそろやる気を出してもらいたいと思っているのに、ちっともやる気が出てくる気配がない」、こうした思いが抱かれる中で「”押すだけでやる気が出てくるようなスイッチ”があれば、どんなに良いことか」と思う人は、おそらく少なくないのでしょう。

 

残念なことに、そのような都合の良い装置は存在しません。

そもそも「実行する」か「実行しないか」は、当事者の選択の結果です。

そして、しなければならない事柄に関しては、「やる気が出ないから後回し」にしても、結局、いつかは行わなければなりません。すなわち、「やる気」の有無は然程関係ないのです。

 

そもそも、「やる気」は概念です。

あたかも実態があるかのように使われることが多いですが、実際にそのような“モノ”がある訳ではありません。「やる気が出ない」と実在しないものに縋って、するべき事柄を後回しにする。

それが溜め込まれていく中で、更に「やる気が失せ」てしまう。

こうした負の連鎖を断ち切るためには、自分のするべき事柄を、するべきタイミングで実行する以外にありません。

 

「後回しにすること」が癖のようになっている人にとっては、ハードルが高く感じられるかもしれません。しかし「溜め込んだものを纏めて行う」よりもずっと楽で、かつ、できることの幅も、余裕も増えます。

 

先述したように、できるところから、意識を変える、もしくは行動を変えようとしている子が出てきました。決して、「できないこと」ではありません。

しなければならないことを後回しにする習慣を見直して、少しでも生き易く、色々な幅が広がることを願っています。

 

本館に展示された平田隆宏先生の作品、「Space」。

平田先生の作品は、街中でも見かけます。

H組でお世話になっている山田先生も昨年、個展が開かれました。

一線で活躍されている方に習う機会があるというのは、とても羨ましいことです。