●若い人の投票率が低いから、若い世代がもっと投票に行けば

世の中がいい方向に変わるかも。

そう思っていたら、どうやらそうでもない。

 

高齢者が保守的で、若い人は革新的だ、リベラルだ、

なんていうのは何十年も前の話。

今は全然そうじゃない。

 

●50歳代以下の人は70歳代以上の人と比べて

日本国憲法について学校教育でほとんど教わっていない。

民主主義や人権についてもほとんど教わっていない。

 

高度経済成長で経済的に潤い始めるとともに

精神的成長、政治的関心は失われていった。 

金が入れば文句は言わない。

痩せたソクラテスになんかなりたくない。

1970年代に日本の文化から哲学が忘れられ、バブルへと突入。

 

●だから学校教育の(負の)成果で

ある世代以下は政治的リテラシーがきわめて低い。

人権の大切さを基本にして政治を考える習慣がないし、

日本国憲法の価値も教わっていないから、

「憲法改正」の意味、影響にも関心が向かない。

 

●そんなふうに基礎知識も脆弱で、政治的倫理観も育てられないまま

生活しているから、投票に行かない。 行く意味を見出せない。

どうせ自分の1票なんて、ということ?

それにむずかしいし、わかんないし。

(選挙権を持つ年齢でこれはちょっと恥ずかしい)

(投票に行かなければ都合がいいぜと自民党は低投票率を歓迎した)

 

●そこに、わかりやすい言葉で利益を訴える候補者が出てくると

なにか政治が自身の身近に感じられる気がして好感を持つ。

 

金をあげるよと言ってくれるとうれしい。

財源には触れないが。

自分たちの不満のはけ口に、仮想敵をセッティングしてくれると

そっちを攻撃することで何か未来が開けたように思える。

世代間の対立や人種民族の対立、経済的弱者への攻撃、のように、

仮想敵はわかりやすいに限る。 弱いと攻撃しやすい。

権力者を批判するよりそういうマイノリティを攻撃するほうが

気楽だし安全だし。

(現政権はとにかく自分に矛先が向かなければいい)

日本人が正義で外国人が悪だという二項対立はわかりやすい。

わかりやすいものは疑ってかかるという習慣は大事なんだけど。

免疫がないから、心を引き付けられる。 

こっち側は絶対的多数派だしね。

どうしてもナチスのやり方を連想してしまう。

 

そんな感じかな。

 

●こうして投票率が上がる分、

差別を公言する政党の当選者が増えるのだろう。

それは政権を変えることに結びつくのか。 ならない。

生活の改善に結びつくのか。 多分ならない。

野党と言われようと、選挙後に自民党と手を組むだろう。

公約は忘れるし、責任は取らないだろう。

憲法改正を強引に推し進めるかもしれない。

 

それに乗ったら、選挙終了後から日本は腐ってゆくだろう。

それをとめるために、皆様の賢明な判断に頼る。     ◢