●東海原発の核のゴミをどうやってどこに処分するのかが、

まだ不透明です。 

(あべこうし通信37号 5月10日発行予定 に記事を載せました)

 

すべての原発から危険な放射性物質が大量に発生しますが、

処分について決めないままイケイケで原発が推進されてきました。

 そこで、『みんなで知ろう 原発のゴミのこと』(原子力資料情報室)

というパンフをもとに、考えてみましょう。

 

●原発は運転すると使用済み核燃料が生まれます。

日本の原発政策はこの使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して

燃料に加工する計画です。

これを「再処理」といいます。

その過程で高レベル放射性廃液が出てきます。

この猛毒の放射性廃液をガラスで固めた「ガラス固化体」が

高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)です。

 

国はこの「核のゴミ」を地下深くに埋めて捨てる「地層処分」を進めよう

としています。

でも本当にうまくいくのでしょうか?

 

●「核のゴミ」が自然界のウラン鉱石の放射能レベルに戻るには、

10万年以上かかります。

人工バリア(金属容器に入れて粘土で包む) と

天然バリア(地下環境による放射性物質の閉じ込め機能)

を組み合わせた地層処分で本当に大丈夫?

 

地層処分に反対する人たちの主張

・活断層が確認されていないところでも、しばしば大きな地震が発生して

 いる。

・一般的には地下水の流れは遅いが、周辺の地質条件の変化でいかよう

 にも流動・流速に変化が生じる。

・人工バリアの安全性は実験段階で、日本の地質条件で安全に機能する

 とはだれも保証できない。

・人工バリアに亀裂が発生し、周囲の岩盤の無数の割れ目や断層に

 沿って地下水とともに放射性物質が漏れだすことは避けられない。

 

地層処分を推進する人たちの主張

・適切な処分地選定と適切な工学的対策をほどこせば安全は保たれる。

〇適切な処分地選定とは

 活断層や火山を避ける。地下水の流れの遅い所を選ぶ。

〇適切な工学的対策とは

 人工バリア 金属容器(オーバーパック)は1,000年は腐食に耐える。 

 粘土(ベントナイト)は放射性物質の漏れを抑える。

 天然バリア 岩盤が放射性物質の動きを遅くする。

 

(明日につづきます)