多くの高校で卒業式が終わりました。

時代の「常識」は変わったというお話をします。

 

私が高校教員だったころ(だいぶ前ですが)、

クラスの生徒名簿は男子が先、女子が後でした。

全校集会で並ぶのも、男子が前、女子が後ろ、しかも背の低い順。

女子は背が低いため、背の高い男子の後ろで、前がよく見えませんでした。

世の意識が変わって名簿を男女混合にする話になった時、

「混ざれば男か女かわからなくなるではないか」と反対する教員がいました。

 

そういえば謹慎の生徒に対して、「罰として男は丸坊主にするのが当然だ」と息巻く生徒指導部の男性中年教員がいました。

私が「女子生徒はどうするんですか、丸坊主にさせるんですか、野球部員は丸坊主だけど、頭の皮でも剝ぐのですか」と言ったら、「それは何もしなくていいんだ!」と怒り出しました。

お前は口を出すな、と言われ、話は通じませんでした。

 

昔、熊本県で、男子中学生に丸刈りを強制する校則に抵抗した裁判があって、

丸刈り強制は憲法違反ではない、地方の慣習だ、不文律だ、なんたら、と丸刈りを正当化する判決が1985年に出た、そんなことがありました。

裁判官も全然ニュートラルではなくて、しょせん時代や地域の「常識」から逃れられないんだ、とそのころ強く実感したものです。

権力寄りの判決はそんな裁判官が出すのか。

 

中学校の丸刈りはほぼ消えたのかな。

今も高校野球部などで丸刈りが騒がれていますから、あまり変わっていないのか。

私自身も58年前、中学に進むとき、慣習だというので丸刈りにした記憶があります。

子ども心に、まあそんなものか、と思うアホな子でした。

 

(続きは明日)