核兵器の原料になるプルトニウムは、核を持ちたい自民党などにとって大事な資産。

でも預けているイギリスは、ゴミだとしました。日本も核燃料サイクルが破綻したのだから、原発から撤退して廃棄物扱いにしたらよいのです。

 

(以下、2025年2月2日、朝日新聞の記事の引用です。

長いのでところどころ省略しました。)

 

 英政府は、使用済み核燃料を再処理するなどして保有する100トン超の民生用プルトニウムについて、地中に埋めて廃棄する方針を発表した。

日本の電力大手が英国に委託して取り出した約22トンも保管されている。今回の発表の適用範囲は、英国保有分に限ったもので、日本を含む他国保有分については協議を続けるとみられる。

 

 日本は、原発の使用済み核燃料を再処理して、取り出したプルトニウムを再び発電に使う「核燃料サイクル」を進める。プルトニウムは「準国産エネルギー」で「資産」との位置づけだ。一方、プルトニウムは核兵器の原料となる。英国は使い道のないプルトニウムは「資産」ではなく「廃棄物」だと判断した。

 

(中略)

 

 英国はもともと日本同様、プルトニウムをウランと混ぜてMOX燃料に加工する予定だった。日本の需要も見越してMOX燃料工場を設けたが、東京電力福島第一原発事故を受け日本の計画が不透明になり、2011年に閉鎖。大量のプルトニウムは使うめどがたたないまま保管されている。

 

 日本の大手電力9社と日本原子力発電は1970年代に英仏と契約を結び、使用済み核燃料の再処理を委託してきた。日本は23年末時点で、英国に21・7トン、フランスに14・1トン、国内に8・6トンのプルトニウムを保有する。

 

 日本は当初、高速増殖炉や原発の燃料としてプルトニウムを使う予定だったが、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)は廃炉に。軽水炉でMOX燃料を燃やすプルサーマルの導入も3原発4基にとどまる。日本の余剰プルトニウムは核拡散の懸念が指摘されている。

 

(中略)

 

 経済産業省の幹部は「日本の核燃料サイクル政策は変わらない。電力会社の方針を待つことになるが、英政府とも調整しなければならない」としている。

 

 元原子力委員会委員長代理で長崎大の鈴木達治郎教授(原子力政策)の話

 英国はプルトニウムについて、(1)MOX燃料にする、(2)長期保管する、(3)ごみとして処分する、の選択肢を検討してきた。今回の決定は、地層処分が最もコストが安く、安全性が高いと判断したためだろう。核燃料サイクルを進めてきた英国が「プルトニウムはごみ」と判断したことは大きい。

 

 契約上、英国にある日本のプルトニウムは電力会社が持ち帰ることになっているが、英国は有償で引き取ってもよいと言ってきた。一緒に地層処分してもらった方が核拡散を懸念する米国や周辺国も安心する。政府や電力会社は見通しのないまま長期保管を続けるのではなく、いつどれぐらい減らしていくのか、英国と同様に選択肢を評価すべきだ。