10月31日に品川で開かれた「原子力サミット」に東海村議会議員で参加してきました。

この催しは全国の原子力立地自治体の議員と原子力ムラの人たちが集まって、原発推進の気勢を上げるものです。

私は第4分科会に割り当てられ、数度発言しました。

推進のための集まりですから、批判的な意見を出しても理解されません。

はじめから理解する気がないだろうことがよくわかります。

その報告文(議会事務局に出しました。感想でいいということでした)を載せます。

 

 

原子力サミット            

第4分科会 核燃料サイクルと使用済核燃料の中間貯蔵・最終処分  参加所感

                                                   阿部功志 

                  

 原子力発電のキモである核燃料サイクルの、そのキモである六ヶ所再処理工場は、1984年の誘致から40年も経つ。

 その間、チェルノブイリや福島第一原発の事故が起こり、原子力への意識は大きく変化した、はずであった。

 そして核燃料サイクルは行き詰まり、政策の矛盾、経済性などの破綻が誰の目にも明らかになった、はずであった。

 

 六ヶ所再処理工場は1997年に稼働予定としながら27回も完成を延期して、なお、未だに完成の見通しはない。

 31年で27回も延期しているものを、「今度こそ大丈夫です」と言われて誰が信用するだろうか。

 やるやると言っていつまでもできないから、「やるやる詐欺」と言われる。

 失礼ながら力量・能力不足と言わざるを得ないが、15兆1000億円ものカネを継ぎこんでいるので笑い飛ばすこともできない。

 しかしそれでも政権は原発積極活用の方針を変えない。

 核燃料サイクルの破綻を認めてしまうと原子力政策すべてがおじゃんになるから破綻を認めるわけにはいかない。

 「やるやる詐欺」を続けるほかはないのだ。

 

 これは使用済核燃料の中間貯蔵・最終処分についても同様である。

 国内に埋められる場所がないのはわかっているが、見つけるふりをしていないと収まりがつかないのだ。

 こうした「コンコルドの誤謬」を地で行く失政は逃げ切り世代だけがいい思いをして終わり、後世代にはそのツケが負の遺産として迷惑にも引き継がれる。

 

 分科会で「核燃料サイクルは破綻しているんですが」と話をしたが、どうも理解されない。

 「国民へのきちんとした説明が必要だ」などという意見が出てしまう。

 「破綻していようが続ける」なんてことをどう説明すれば国民が納得するのだろうか。

 説明のしようがないので、経産省の役人も答えに窮していた。

 関係者は反省して破綻をちゃんと認めるところから話を始めてほしいものだが、結局、倫理観の問題に帰結する。