改築されてから始めていくシアターグリーン、Big Tree Theater
3つある劇場のなかで一番大きいと言っても、167、今日補助席出てたから
、190くらいか?どちらにしても紀伊國屋ホール(416)の半分以下になるわ
けで。好きだった劇場:シアタートップス(150)と同程度。
心落ち着くサイズです。
さて何度か再演されてる天使は瞳を閉じてだが、私は初演だけ。
(といっても初演に5回も観に行ってしまってるが)
悲しい優しさ、優しい悲しさに満ちた芝居。
改めて、そして
新しい若い役者(当時の第三舞台と同じくらいの年齢だという)
ほとんどあて書き芝居だったこの話を、全く別の役者がやるというのはどんな・・・
でも鴻上ってやっぱすごいんだなと思う
新しく加えた演出や、新しい音楽で、
たしかな、そしてより深い「天使・・・」に出会えた
大高さんがマスターでいることで。安心する。
天使が素敵だ、テンコも素敵だ。
意外と、壁壊し野郎の「イッツショータイム!」も好き
また観に行きたい。あの物語にまた浸りたい。
--------以下、恐ろしいくらいのネタバレ。パンフの袋とじなんてメじゃない---
天使は瞳を閉じて クラシック版/鴻上 尚史

¥1,995
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初演の1988年7月当時、それは、あいまいな、世紀末特有の不安感の中で表現された
『メルトダウン』『隔離』
そして、2011年。3.11の大地震を原因とした福島原発の爆発。
『外部電源損傷』『水素爆発』『燃料棒露出』『高濃度放射能』
『強制避難区域』『30km圏内』・・・
それは、予想もしていなかった現実。
それが、このファンタジーをリアルをもたらした。
避難時間を過ぎても避難区域を出ようとしなかった、入ろうとしたモノたちを覆う
『柔らかく包む透明の壁』
起こってしまった現実、世紀末の時より確率が上がった、
[ありえるかもしれない未来]
それは、芝居の世界では何度も何度も使い古された
『メルトダウン』『放射能汚染』『被爆』・・・・・・・・
『滅亡への序章』
それは「壁の向こうは、世界中の高濃度放射能に満たされてしまっている」
ことを知っている天使の悲痛な思いが起こさせたテロ行為。
そして、阻止という名で殺される先輩天使。
そして壁の中に残された人類が壁を壊し死んでいった中で
『放射能への耐性がある』が故に取り残された元天使の悲しみ。
芝居を観ながら、天使は瞳を閉じてが好きだったことに気がつく。
思い出せば、88年の初演の時、何度も劇場に行ってた。
台詞を覚えるくらいに、そして、いつも、感動した。
だから、今日、天使を観て
頭の中に初演の役者の声がする。
困るのは、そのリズム、間、がズレる。違和感。
声のトーン・パワーが違う、違和感。
実際に「その間では客の気持ちを持って行かないだろう」というだめ出し
的な話もあるが。それ以上に過去の芝居に引っ張られてる自分もいた。
でも、新しい演出・台詞・表情・音楽が「天使は瞳を閉じて」を
新しく、そして、深い意味を持たせる。
たとえば、マスター
「おや、そこにいるね」と天使を自分で感じて話し出していたのに
テンコが誰かと喋っていることから、「見えない天使」の存在に気づく。
何でも出てくるカウンターを持っているのに「経営下手」でテンコに任せ
てしまう・・・・そして、店が赤字。確かそんな設定はなかったと思う。
そして、天使
「うずくまって、頭を抱えて絶望する」という形はなかったと思う。
だからこそ、瞳を閉じてしまった天使と
独りカウンターを磨くテンコの悲しみが胸をつく。
泣いてしまう芝居だったのだなあ、、
伊藤ちゃんの天使は、伊藤ちゃんによく似た顔立ちの小沢くん天使に
がらがらの不安定な台詞回しが、気弱な優しい天使だった伊藤ちゃん
よく通る声で同じ台詞を言う小沢くんは、まじめで、優しい天使。
山下さんのパワーあふれる脳天気なテンコは、
脳天気と言うよりポジティブシンキングという感じの優しい大杉テンコに
壁を壊し続ける男アキラ。
京さんの置いてかれる無視されっこを、杉浦(太陽光発電)アキラが
元気に、でもひとつだけ、羽根が降った瞬間の凍り付く顔がすね顔になっ
てて今ひとつだった。。。心がない顔にならなきゃ!
そこは京さんの顔のが良かったな。
でも、彼には賑やかしじゃない役をやって欲しい。
私が初めて観た「スワンソングが聴こえる場所 」再演してくれないかな。
川島留伊児いかがでしょうか。。。って京さんにひきずられ無くても言いけどっ!
筧利夫のケダモノパワーあふれる、悲しみのディレクター トシオ
野生パワーまではまだムリっぽいけど、必死な感じに好感が持てる三上
勝村って上手だったんだな、と感じさせたのはなぜだろう。
山崎のロッカーユタカは、ストイックすぎるのか。いいかげんさがたりないのか。
渡辺の電通太郎はそれなりに派手で、電通太郎ぽいが
「大高さんと、進化論の話が出来るのは、小須田さんだけ!」
「羽根だ、成田、羽根だ、成田、羽根だ、成・・もう良い」というやりとりも。
コスちゃんの方が良いモン!と。つい、そういう目で見てしまう。
違和感は高橋。地味な役だったはずなのに、妙に存在感があり。
誰だおまえという感じが抜けなかった。
そして、なにより。「小野川ーマリ」「大久保ーケイ」は役が逆だった方
が良かったのでは?
小野川さんは長野さんに似てるし。なにより、どんな場面でも
次から次へと自分の可能性を求めていくケイはどんな状態でも
「かわいさ」がなくちゃいけない。
「おけー、おけー、いっつ のーぷろぶれむ」
「痛いや」「だろ」のやりとりとかも、かわいさが無くっちゃダメだ。
逆にすれば良いのに~~~
とこれは、わがまま?
ともあれ、
虚構の劇団 の 「天使は瞳を閉じて」
新しい芝居として見せてくれた鴻上が凄いと思うし、
また観たいと、思う。
シアターグリーン、4000円だし。
ね。