競馬の騎手、若手ジョッキーでめちゃくちゃ上手い乗り方するなぁっていうジョッキーがたくさんいるんですよ。



でも、幼い頃から見ていて思うことがあります。


彼らの世界は、結果を出せなかったら乗り替わり(その馬に乗る主戦騎手が変わること)という単純な話じゃなくて、トライアルレースで優先出走権を獲得して結果が出せても本番のG1は乗り替わりになったり、結果を残さなくてもトップジョッキーは乗り替わりになるまでの猶予が若手と違ったり、親が競馬関係者でコネがあるとか、エージェントから優遇されているとか、乗り方・競馬が上手いというだけではチャンスが巡ってくるわけじゃない世界なんですよ。運や他の要素も含めて味方につけないとレースに出れないし、レースに勝てないんですよ。



自分が好きなジョッキーが、G1勝って大舞台で結果出したのに乗鞍が全く増えなかったり、馬質(乗る馬の強さ)が全く変わらなかったり、G1勝ちまくったのに海外レースの時は外国人ジョッキーに乗り替わりとか、ファン目線で見てて「は???なんで???」って思うことが本当に多いです。今も昔も。




池添騎手は、オルフェの凱旋門賞乗せてもらえなくて、翌年フランス単身遠征をして、どう考えても明らかな努力とアピールをしたんですよ。でも翌年2回目の凱旋門賞には乗せてもらえなかった。当時学生ながら、リアルタイムで経過を追っていた身の僕は「は?????なんで池添が乗らないの???」と本気で怒りというか腹立ちました。


大人は世の中はこんなに冷酷なのかと。



本気で頑張って、結果も出して、努力もしても、評価されないことがあるんだと。思いました。



社会とは得てしてそういうものなんでしょう。




あの時の池添騎手の気持ちが、あの時の何にも頑張ったことがなかった高校生の僕より、今の僕の方がわかる気がします。





かといって、不遇を全て他責にして、所属厩舎からフリーになったりするような騎手は、大体は競馬村から干されて、苦しんでいます。



だから、ジョッキー自体を辞めるか、現状と向き合い頑張り続けるしか、道がないのです。




池添騎手や今一線でレースに乗ってる騎手は、私たちファンが思うよりも現状と向き合い努力をしていると、私は思います。


そういう騎手を応援したいし、心の底からカッコいいと思います。