米軍嘉手納基地に最新鋭戦闘機 F15EX 36機を常駐計画 F15の後継に数年かけ更新

沖縄タイムス

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1389689

米空軍嘉手納基地に配属されていたF-15C/D戦闘機の老朽化に伴う退役で新たにF-15EX戦闘機が後継機として配属されるようです。

F-15戦闘機は1970年代にマクドネル・ダグラス社によって開発、生産が始まり、以来50年余に渡って世界最強の制空戦闘機として米国や日本、韓国などで運用されています。

 

米空軍嘉手納基地で運用されていたのはF-15の制空戦闘に特化したC型で、日本の航空自衛隊が運用しているF-15Jは、このC型をベースに航空自衛隊使用にしています。

その後、マクドネル・ダグラス社はボーイング社に吸収され、F-15C型から地上攻撃・爆撃も出来る戦闘攻撃機として兵装やレーダーが最新ものに強化されたE型が生産されるようになりました。

韓国軍のF-15Kは、このE型がベースとなっています。

 

米軍は、F-15の後継機として第5世代のステルス戦闘機F-22やF-35を開発し実戦配備されており、F-15戦闘機は随時退役していくと思われましたが、米国防総省は2020年にF-15EXを100余り調達することを決定しています。

初期型から50年余経っているF-15を調達する理由としては、F-22やF-35がステルス性能を確保する為に機体内部にミサイルや爆弾を格納しなければならない為、多くの兵器を搭載できませんが、F-15は強力な2発のエンジンと大型ボディで搭載する兵器の量でステルス機を圧倒しています。

 

私は2009年の米国務省の研修プログラムIVLPで、セントルイスにあるボーイング社のF-15E型やF/A-18E/F型を生産している工場の見学をさせてもらいました。

当時、日本では航空自衛隊のF-4EJの後継機選定が行われており、工場を案内してくれた米空軍横田基地勤務経験のある担当者は 、航空自衛隊の後継機としてF-15EXを採用すべきだとアピールしていました。

 

実際に工場内でシンガポール空軍向けのE型ベースのF-15SGの組み立てを間近で見ましたが、C型と比べ機体を構成する部品の一体構造が進み強度が増している事やコンピュータ等の電子機器が最新になっている事で、E型はC型や航空自衛隊が運用するJ型とは『別物』であると言っていました。

そのE型から更に進化したのがEX型で、敵地攻撃が格段に強化されたF-15EX型の嘉手納基地配備が意味する事は、周辺国に大きなインパクトとなります。

この米空軍嘉手納基地に敵基地攻撃能力が格段に向上したF-15EXの配備、先島諸島で進む米軍と一体となって進むミサイル攻撃能力等、沖縄県が日米の軍事上で、どのような役割を担おうとしているのか、本当に本当に直視して議論していかなければなりません。