3月19日

企業活動の目標は富の創出能力を最大化することにある。



1958年から63年までGEのCEOをつとめたラルフ・コーディナーは、上場企業のトップマネジメントは受託者であるとした。その責任は、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会の利害を最もよくバランスさせてマネジメントすることであるとした。今日のステイクホルダー(利害当事者)の考え方だった。だがこのコーディナーの答えでは、成果が定義がなされていなかった。しかもバランスの意味が曖昧だった。しかし、もはやわれわれは仕事の成果の定義について、その理論化に苦労する必要はない。

ドイツと日本では、企業の所有権は機関投資家に集中している。それらの機関投資家は企業活動の成果をどのように定義しているか。具体的な方法は違っても、仕事と成果の定義は同じである。コーディナーのように何ものかをバランスさせようとはしない。最大化させようとする。しかし、株主その他、特定のいかなる利害当事者の短期的な利益も最大化させようとはしない。富の創出能力そのものを最大化させようとする。

この富の創出能力の最大化こそ、短期と長期の成果を統合し、かつマーケティング、イノベーション、生産性、人材育成などの事業上の成果を財務上の成果に結びつけるものである。そしてこの目標こそ、株主、顧客、従業員などあらゆる利害当事者を満足させるうえで必要なものである。
『チェンジ・リーダーの条件』





あなたの組織ではマーケティング、イノベーション、生産性、人材育成などの長期の業績要因と短期の利益の間でいかなるトレードオフを行っていますか。そのトレードオフは健全でしょうか。


トレードオフにならないように、どちらも取れるようなやり方を見つけたいものです。



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