突然


渡哲也さんの訃報を耳にした時


「えっ!」



思わず声が出てしまった。




闘病生活が長くなっていることは聞いていたが




体が震えた。










俺は「太陽にほえろ」で



ボス、石原裕次郎さんに大変お世話になった。





その石原裕次郎さん亡き後



渡さんにお目にかかると



「先代(社長)が大変お世話になりました」






深々と頭を下げられた




こんな若造にである。




胸が熱くなった。











後に




NHK大河ドラマ「秀吉」で



渡さんは織田信長役

俺は前田利家役で



1年間共演させていただいた時にも




「先代からよく徹さんの話しを聞いておりまし
た」





局入するとすぐに



渡さんの楽屋に招かれ



美味しいコーヒーとケーキをご馳走になった。



それが済んでから、撮影の支度に入る。




あまり時間に余裕がなくても



出番が一緒の日は毎回である。









大きかった


温かかった


そして



怖かった。






お目にかかるだけで、



こちらの背筋が自然と伸び



胸の内にドキドキが高まる。





男気や、妥協しない撮影ののぞみ方、

人に対する全身全霊の叱咤激励。

はたまた周りにいる俳優スタッフを見つめる優し

い眼差し。





この芸能の世界が

調子に乗らず

フワつかず

謙虚でいるための


大きな大きな重石を


また一人


失ってしまった。






と共に



我々の青春時代の終わりを告げられた思いである。








渡さん



本当にお疲れ様でした。





どうぞあちらで





大好きなボスと




ゆっくりと酒を酌み交わしてください。








ありがとうございました!






合掌