絶大な力を操る五人の魔女が、人々にとって畏怖の象徴となっていた時代――。大国ファルサスの王太子・オスカーは、幼い頃に受けた「子孫を残せない呪い」を解呪するため、荒野の塔に棲む“青き月の魔女”ティナ―シャのもとを訪れる。どんな望みも叶えるという“魔女の塔”の試練を乗り越えたオスカーが望んだのはティナ―シャを妻として迎えることで……。魔女の契約者となった王太子と、王太子の守護者となった魔女。二人の出会いは“魔女の時代”に変革をもたらし、やがて、世界の〈運命〉を書き換えることになる。オスカーとティナーシャの行く手に待ち受ける物語とは――。
第1話「呪いの言葉と青い塔」
自らにかけられた呪いを解くため、絶大な力を持つ“青き月の魔女”が住む青き塔を目指す王太子・オスカー。塔の内部で様々な試練を乗り越え、ようやく魔女との対面を果たすが……。
貴方になにかあったら、私はどんな顔して城に帰ればいいんですか…沈痛な顔して帰れ…ルックスも実力も、すべてが1級品のオスカー殿下!魔女の呪いの1つくらい、ガマンしてもよろしいんじゃなくて?人間少しくらい欠点があるほうが、可愛げがあるってものですわよ…!?