まず初めに、平素より東北大学男子ラクロス部を御支援、声援頂いている方々、大会運営に尽力してくださった方々にこの場を借りてお礼申し上げます。

拙い文章且つとても長い文章になってしまいましたが、本心を書きましたので時間がある時に是非読んでみてください。

「主人公感」。スポーツに限らず、何かに真剣に取り組む時にはこれが一番大事だと思ってた。特に理由はない。中学の時から本気でそう思ってた。中学でやってたサッカーではそれなりに活躍できたし、チームでも中心的な存在だった。今思えば結構主人公だったかもしれない。高校でも続けるはずだったサッカーが色々な事情（まあ、一言で言えば受験に失敗しただけなんですが）が重なってできなくなった。高校では帰宅部だったので部活というのもに強い憧れを持って大学に入った。姉の知り合いにしつこく誘われて男子ラクロス部というよく分からん団体のオンライン新歓に行った。そこで当時3年生だったゆっぴさんと茂田さんと１時間半くらい話した。よく分からんけど、その日の新歓が終わる頃には男子ラクロス部に入っていた。なんか2人ともすごい主人公っぽかった（実際2人とも主人公みたいにすごい人たちだった）。

1年チームが始まってから終わるまでの記憶はあんまり無いけど、自分がめっちゃ雑魚だったのは覚えている。その日の1on1全部負けて反省の時に大泣きしたこともあった。2年生の時の記憶も正直ほとんどないけど、合同戦で唯一メンバー外だったことだけは覚えてる。ロングを始めて半年くらいの葉弥とか怪我しててラクロスできてなかった両川に負けた。それだけならまだなんとか受け入れられたけど、ベンチメンバーの名前に、ほとんど練習に来てない快有の名前があるのを見た時は流石に心が折れた。当時いろんな先輩、同期にいじられたけど、マジで黙れって思ってた。いじることで本人も楽になるでしょみたいなスタンスを取ってきた人もいてさらに腹が立った。両川がいじってきた時は殴ってやろうかと思った。そんな度胸はなかったけど。と、まあこんな感じで1.2年生の時は全然主人公じゃなかった。

さあ、今度こそ主人公になるぞと息巻いて始まった3年生のシーズン。スタートはBチーム。やっとの思いでAチームに上がれた時は、ようやく自分も評価されたんだと舞い上がった。でも、試合には全然出れなかったし、シーズンが終盤になるにつれて練習の機会すらほとんどなくなっていった。アップしてパスメニューが終わると、そこで自分の練習はおしまいっていう日すらあった。先輩とか同期がグラウンドで6on6やEMOをやっている中、自分はゴールの後ろで声を出してるだけ。Aチームに通じるほどの実力が自分にはなかった。アップの時の盛り上げだけが自分とAチームをつなぐ唯一の武器だった。だから、あんなにやりたくなかった蟹ダッシュもルーレットもやった。情けなかったけど、それに縋るしかAチームに残る方法はなかったから。もちろん、色んな人たちに盛り上げを褒めてもらえるのは悪い気はしなかった。特に、全学一回戦でのアップは自分でもチームの役に立てたとすら思うほどだった。そんなプラスとマイナスの感情がぐっちゃぐちゃの状態で3年生のシーズンが終わった。

最後のシーズン。結論から言うと、主人公にはなれなかった。4年生になって最初の大きな大会だった「つま恋」ではスタメンから外されたし、DFリーダーも葉弥が辞めてからは後輩の一朗が努めてた。そんな情けないシーズンだった。ただ、「主人公感」への拘りに変化が出たシーズンでもあった。

その事を話す前にちょっと話したいことがある。実は３年生の時に、「主人公感」って一体なんなんだろうと考えたことがあった。漫画に出てくる主人公を例に出してみる。ルフィはどんなことがあっても仲間を最後まで見捨てずに信じきる。円堂守はどんなに苦しい状況でも諦めずにプレーで仲間を引っ張る。江戸川コナンは圧倒的な頭脳で鮮やかに事件を解決する。うーん。ちょっと自分には無理だなぁって思ってしまった。俺なんかより湧真とか士門とか崇の方が全然主人公っぽいなぁって思ってしまった。だから方向性を変えた。チームに必要なことの中で、自分にできることからやってみることにした。そんな思いから、31期の皆んながやらない様な役になろうと決意した。３年生の途中からは意識的にきつい事を言ったり指摘の声を増やしたりしてみた。その役割はさっきの「主人公」たちからは遠く離れたものだったけど、不思議と後悔はしなかった。俺なんかに言われたら腹立つだろうなとか、お前自身できてないやんって思われてるんだろうなとか色々考えたけど、それは一旦置いておくことにした。

話は戻って４年生。高まる責任感も相まって、気がつけば色々言うやつになっていた。後輩からは嫌われてるんだろうなっていう自覚もあった。でも、辞めなかった。必要だと思ったから。ただ、自分本来の性格のせいもあり、シンプルに嫌な奴になってた時もあった。ごめんよ、後輩たち。後輩の健生に「暖人さんって、損な役回りをしている感じだけど、実はただの嫌な奴だよね。」って言われた時は自覚もあったから笑うしかなかった。それでも、やろうと決めたから最後までやるだけやってみようと思った。いつかやった対談の時に、拓也さんが「暖人が言わなくなったらこのチームは終わるよ。」的なことを言ってくれり、士門が俺の言動を必要だと言ってくれたりしたことが励みになった。ただの嫌な奴になってしまった時は後輩に心の中でめっちゃ謝って、すぐに切り替えるように心掛けた。これをシーズンの最後までやり遂げられたのは個人的には良かったと思う。

ここまで長々と話してきて何が言いたかったかというと、つまり「人にはその人にしかできない役割」というものがあるということだ。ただ、その役割は必ずしも目の前に転がっているとは限らない。簡単に役割が見つかる人もいればそうでない人もいる。自分は後者だった。残念ながら自分の前には「主人公」という役割は落ちてなかった。大事なのはそこから。じゃあ、自分には何ができるのかを必死に考えて行動に移すことが大切。そうやって必死に見つけた役割なら、たとえ周りから何か言われても最後までやり遂げられる。それがチームにとって必要かどうかわからなくてもとりあえずやる。そうすれば何かしらの意味は必ず出てくる。仮に、その役割がチームにとって本当にガチのマジにいらない役割だったら、誰かしらからストップが入るはず。入らなかったら、後は自信を持って行動するしかない。このやり方で、ラクロスでは全然結果を出せずに終わってしまった自分でも、この4年間に意味を持たせることができた。

本当はラクロスで結果残して「ラクロス最高！努力は報われる！」的な内容の引退ブログを書くつもりだったけど、終わってみたら自分には内面的なところにフォーカスしたブログしか書けなかった。4年間のラクロスの締め括りがこうなってしまったことは悔しいけど、この4年間で人間としては少しだけ成長できたかなと思う。それはチームメイト・コーチのおかげでもあるし、「主人公感」に拘り続け、それを捨てる決断をした自分自身のおかげでもある。良い思い出なんてほとんどなかった4年間だったけど、なんだかんだこの部活に入って良かったと今は思えてる。１年生の5月にあの怪しいzoomのリンクをクリックした自分を褒めたい。

【同期へ】

皆んながいなかったら成長できなかったし、ラクロス部に入って良かったって思うこともなかったと思う。癖の強い人ばっかりだけど皆んなが同期で良かった。皆んなには沢山迷惑をかけたよね。ごめんなさい。それでも、こんな自分を見捨てず最後まで仲間でいてくれてありがとう。あと、両川にちょっとだけ。AチームDFに４年生2人しかいなくて苦しい時期もあったよな。そんな時期を乗り越えられたのは両川のおかげです。改めてありがとう。

【お世話になったコーチ・先輩方へ】

皆さんに頂いた恩を結果で返すことができず、本当に申し訳ありません。自分たちは目標を達成することができませんでしたが、32期を始めとする後輩たちが必ず目標を達成してくれるはずです。これからは皆さんと同じOBという立場になるので、後輩たちを一緒に応援していけたらと思います。今まで本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

【後輩たちへ】

４年生が少ない中、チームの中心となって戦ってくれてありがとう。皆んながいなかったら全学にも出られてなかった。特に一朗には頭が上がりません。これからは学年があがって辛い時期も増えると思うけど皆んななら乗り越えられるはず。知らんけど。来年こそは必ず目標を達成してね。必ず応援に行きます！

【戸舘さんへ】

自分は怪我も多く思うようにトレーニングができなかった中で、自分に合うトレーニングメニューを組んでくださりありがとうございました。戸舘さんのおかげで、最後の試合もフルで出場することができました。本当にありがとうございます。今度、是非一緒にご飯に行きましょう！

【家族へ】

いつも、金銭面で支えてくれたり応援に来てくれたりしてくれてありがとうございました。感謝してもしきれません。ラクロスを最後まで続けてこられたのは間違いなく家族の支えがあったからです。この4年間は家族のイベントにあんまり参加できなかったけど、これからはじゃんじゃん参加するつもりなのでその時はよろしくお願いします。

本当に長い文章になりましたが、これで終わりにします。お付き合いいただきありがとうございました。

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31期　#8佐々木暖人

【31期引退ブログ】#8佐々木暖人『役割』