こんにちは、杜のワンボことシマです。私はとあるゲームの大会で上位に残りYouTubeでLive配信されたという経験があります。このような経験は珍しいと考えたため、こうなるに至った経緯やその時感じたことなどを共有したいと思います。興味がある人はぜひ見ていってください。
まず大会についてですが、私が参加したものは年に4回行われ全国各地から幕張メッセに集まったプレイヤー総勢5000人ほどで争い、1次予選(Day1)、2次予選(Day2)、プレーオフを勝ち上がった8名がGRAND FINALに出場し、優勝を決めるといったものです。改めて考えると人数多くないかと思い、勝負の世界の厳しさがしみじみと感じられます。
これでも半分以下…
またこのゲームはカードゲームで、ターン性で相手のライフを0にした方が勝ちというルールであり、大体7,8ターン目にゲームが終わるものです。1ターン90秒しかないので考えすぎると時間切れの敗北等も存在するため焦ると細かいミスをして敗北するケースが多々あります。
1日目(Day1)
実はこの大会オンライン開催の時とオフライン開催の時があり、オンラインは何度か出たことがあるのですがオフラインで参加したのは初めてで雰囲気に圧倒されたのを今でも覚えています。Day1はスイスドロー(勝敗数が近い同士でマッチする)という形式でBO3(3本中2本先取)で6戦して5-1以上の成績を収めたものがDay2に進出出来るというルールです。このルールにより大体1000人くらいにまで減る印象ですね。私は別の大会で勝っていたおかげで3byeのシードをもっていたので2-1以上の成績を収めれば良いというわけです。そして臨んだ1試合目…!なんとまさかの敗北です。プレイはそんな悪くなかったけどなんか負けてましたね。運が絡むゲームではあるが、やはり初めてのオフライン大会もう少し長く試合したいなと強く思いましたね。願いが届いたのか、無事そこから2連勝をあげDay1を突破しました。Day1突破自体は過去にも経験があるので、喜びよりも安心が強かったです。サークルメンバー7人で出場しましたが、6/7がDay1を突破し改めてうちのチームは強かったと再確認できた記憶もあります(負けた一人は死ぬほどいじられてました)。
2日目
寝心地の悪い快活クラブで一夜を過ごし迎えた二日目、会場の人数も減り緊張感が高まってきました。Day2のルールはDay1と同じく5-1以上でプレーオフ進出です。同じならいけるやろと思われがちですが残った選手には平気で名だたる猛者が沢山いるため、多くの選手がここで涙を呑む魔の予選となっています。自分はというと当時まだ無名であるため、まあどうせ負けるやろと思いながらも1つ1つ丁寧にプレイしそのまま快勝し4-0まで難なくたどり着きました。そして迎えた5戦目、まさかのプロ選手と当たります。それまで気楽にやっていたはずなのに少し不穏な気持ちに。4-0から0-2してドロップという悔しい結果の人を何度も見てきたし、勝ちたいという欲が出たのかかなり緊張したのがとても印象に残っています。その結果1つミスをしそこをすかさず突かれて1本先に取られ「やらかしたな…」と思わずにはいられない。このまま終わりそうだな、まあでもよく頑張ったなと思いながら相手の顔をのぞいてみると…「なんか結構緊張してね?」と感じ行ける気がしました。なんなら揺さぶったろと感じた私は、厳しい手札ながらプレイの速度を速め「もう勝っちゃうけど?」と言わんばかりの威圧で対面のプレイを歪めてそこから2本とることが出来ました。プロも大したことないですね。例えるなら3球目で強打を決めた後に相手に打たせて自滅させるかの如く見事に決まりました。ついでに次の相手も2-0し6-0でプレーオフ進出が決まりました。プレーオフは8つのトーナメントに分かれて各ブロック優勝者がGRAND FINALに進めるというものですので、当然1回負ければ即終了の帰宅で緊張感が強く走ります。勝って涙する者、負けて涙する者、何度もプレーオフまで行くけど負けてしまうもの、様々な人を見てきた私は、そんなものは関係ねえと言いながら一本も取られず全勝してGRAND FINAL出場です。余裕。
恒例のゲーミングポーズ
撮影会
PVの撮影です。東京まで無料で行けてホテルも無料でプロの方にメイクをしてもらい気分は芸能人ですが、ちょっと性に合わないかなと。ここで自分が残った8名の中で最年少であることを知り、なんか不思議な気分。やたら自分を持ち上げてくれるカメラマンが面白いなあと思いつつ、冬なのに半袖で撮影されられ、変な2つ名を勝手につけられて、言わされたことをあたかも自分で言ったかのように編集するという素晴らしいPVまで作っていただき、とても楽しかったですね。
GARND FINAL
ついにやってきました緊張の大舞台。ルールはBO5(5本中3本先取)でトーナメントという最後にふさわしいルール。語れることが多すぎてどうしても長くなってしまうので、今回は控えの様子とかではなく実際の試合の瞬間の気持ちをピックアップして書きたいと思います。
1回戦
順番からして一番初めの試合ということもありとても緊張しました。対戦相手はまさかの過去大会優勝者。
今では一緒に鬼ごっこする仲
自分は残った8名の中で1番無名ということもあってオーディエンスは完全に対戦相手に傾きます。そして始まる1本目。2ターン目から運命を分ける分岐が訪れます。何気ない2択で、おそらく試合に絡む可能性も100回に1回くらい(実際練習では1度も関係なかった)ですが、私は常に意識をしていたところでもあったのでしっかりと正しい択を選ぶことが出来ました。そして迎えた相手の6ターン目、私の手札のかみ合いから諜報員というカードも引いていたら負け確だなと思っていたところで、相手はしっかりと持っていました。
諜報員が見えてほぼ負け、顔を伏せる僕
「あぁ、終わった」と誰が言わなくても分かる状況になり、あきらめかけたその瞬間相手のちょっとしたミス。いや、ミスと思われるほどに世間の研究は進んでなかったのかもしれない。実は私の使うデッキは少し特殊であったため、世間の研究対象から少しだけ外れていていました。そのおかげか相手の一見普通のプレイが私にとっては強烈な転機となりました。きっと電流が走った時の八木もこんな感情だったのでしょう。2ターン目にとった択も重なって奇跡的に私の死が1ターン先延ばしにされました。(いわゆる盤面ロックというやつです)しかし絶望的な状況に変わりはなく、たった1枚の引きでキーカードを引かなければ即負けの状況。その確率わずか2/13。祈る僕、呆れる観客、そして何も知らない裏切りジェニファーの構図が出来上がり混沌を極めていたところで運命の時は訪れます。
祈る僕
誰だお前マジで
きっと再試4回くらってるんだろうな
10秒後、私は勝利を収めました。1本先にとった時の安堵、高揚、そして練習でも訪れなかった場面での逆転勝ちによる圧倒的な自信によりそのまま2-0して1戦目の勝利を飾りました。全国ベスト4へと駒を進めます。
2回戦
語れることはたった一点のみですね。1-0で迎えた2本目の試合、不利と言われた対面に対して一手一手確実なプレイで勝ち筋を残し、かつ負けないギリギリのラインをケアしつつあと一歩で勝つというところまで来ました。正直相手がやることや嫌がることがすべて見えていたし、ここまで1本も取られていないことから完全に流れはこっちにあると思っていたところでした。あとはキーカードを引くだけの状況、その確率3/5。
左がデッキに3枚、右が2枚で右を引くとほぼ負けな状況
不利対面に完璧なプレイを通し3/5でほぼ勝ちな状況に持っていって迎えた8ターン目、引いたカードは…。
むかつく顔のくまさんが来ました。今でも夢に見ます
そこからの記憶があまり残っていません。見返してみてもそこからは見るも無残で、何も運がない自分がとても運が良い相手に蹂躙され1-3負け。そこにプレイの介入要素などほとんどなくさながら死刑囚のようなただ時を待つ人形になった気分です。終わって、自然と涙がこぼれました。悔しいのか、悲しいのか、ただやるせないだけなのか。同じファイナリストで自分を応援してくれた方に介抱されながら何がいけなかったのかを考えていました。おそらく100回に1回は勝てる分岐はいくつかあったし、絶望的な状況を巻き返す可能性を秘めた択を踏めていないのもまた事実。でもちょっとくらい楽に勝たせてくれても…と思わずにはいられない。チームの人は自分が一番うまいとほめてくれて、見返しても負けた試合でも相手よりもうまい自信はあった。これでも負けてしまうのがこのゲームの厳しさであり、面白さです。緊張して試合までずっと苦しくて、でも終わる時は呆気なくて、とても良い経験が出来ました。
終わってみて
もう一度あの舞台に立ちたいかといわれると、苦しいことがありすぎて正直こりごりという思いもあります。でもやっぱり勝ちたいしなぁとも思うし結局勝負事が好きなんだろうなとなんだか自分に呆れました。しばらくして日常に戻った今、大会に出ていたのがなんだか嘘みたいに現実離れしていたと実感しています。次の機会があればもっと楽しみたい、そう思いながら日々練習しています。それとこのゲーム、年内でサービス終了し来年からは新しくなるんですよね。良い機会なのでこれを最後まで見てくださった方も是非始めてみませんか。一緒に日本一を目指しましょう!