始めて「サン・ファン館」に行ってきました。
木造様式帆船「サン・ファン・バウティスタ」の復元船。

久しぶりに、山友達のやまちゃんと山じゃない所へ行く。

いつも山で会っているから、不思議な空気で。笑

 

行ってみたいな~と思っていたけど、遠い所にあると思っていたので、

ずっとサン・ファン館に行ってなかったのですが、行ってみたら素敵な船でした。

 

きっかけは、やまちゃんから「もうサン・ファン号が見られないかもしれない」
という情報を聞き、じゃ、今のうちに見ておこう。という事で、行ってきたのです。

 

支倉常長がスペインへ行った時の船を復元して作られたものが、
展示されているのですが、実際、近くでみるとかっこ良かったです。

やっぱり木造の船は素晴らしいですね。

 

 

しかし、残念ながら、船の老朽化のため解体することに決まったそうです。
それについては、いろいろ賛否両論。
石巻市民の間では、保存する動きがでているようです。

※サン・ファン保存有志の会 (石巻日日新聞)
https://hibishinbun.com/news/?a=9703

 

解体するというのは、どーいうことか?
と思うのですが、木製の船は非常に貴重です。

予算が足りないや、維持・管理等の理由で解体決定という県の意向が、
半ば強制的でもあるのか?誰も何も言わないのか?
・・・なんなん?

 

 

宮城県美術館の移転もそうだけど、宮城県は大丈夫なんでしょーか?
いつも宮城はこうなる。文化面では意識が低い。


その場所にあることが文化なのだから、
なぜ、芸術という分野で説明できる専門家が意見を押し通せないのか?

上の意見に反対できない風潮なのか、
なんでも予算がない。という理由が
「ものづくり」をどんどん失わせていると思います。

 

 

木造船は、ほとんどがプラスチック船へ変わっています。
海洋政策研究所によれば、現在、船大工は全国でも100か、200人に推定されるそうで、

各地で船大工の技術の衰退があります。

 

長い歴史から人類は海をわたってきました。

あの小さなカヌーから。

 

サン・ファンの復元船をつくってきたのは、「村上造船所」でしたが、
残念ながら、今はないそうです。
船大工の技術、知識を継承する人もいないのでしょう。

 

 

※棟梁 村上定一郎 監修
復元船 「サン・ファン・バウティスタ」建造
「木取り」参考用 30分の1 復元船船体模型

 

県では1億円?というかなりな予算をかけてプラスチック製等で
縮小して作るという案があり、
木製だと、水につかってしまう分(外にある)腐敗が早く、
長く保てない理由があります。(修復の予算は、もっとかかる)

 

陸にあげることができたとしても、内部の腐敗を修復する必要はでてきます。
だからといって、そんなプラスチック素材で誰が喜ぶのか?

それに施設が無駄に広い。

最初は迷った。


それ以前に、唯一の木造船サン・ファン号の軍船として長い航海を旅してきた船と、

船大工の偉業を、県が壊すという発想が、私には理解できません。

 

ものづくりの職人の技を保存する意識も伝承する力もない人が、
決定権を持っているというのが、当たり前になりつつあり、
傍観者でいることの方が楽。という社会には、いつも愕然とします。

 

「いつの間にか」決まっている事も多い。
後になって知ることも多い。
意見を言うと「反対する人」という言葉をいう輩がいるが、
反対ではなくて、ショックを受けているわけで。
失う喪失感です。

石巻や海民のアイデンティティの喪失。

 

 

私は地元でもなんでもないけど、腹が立つ。
-------------------------------★
一緒にいったやまちゃんは、九州の平戸で生まれ育っているから、ますますヒートアップ。
平戸なんて、まさに、キリシタンの聖地。

 

展示室の古地図をみると、平戸諸島に集中して海外からの船がやってきた証がみえていました。

そこを目指して宣教師はやってきた。
やまちゃん食いつく。
がぜん、展示室で萌え萌えになる。

 

 

が、私はここにきて、愕然としてしまいました。
ここに来た理由。

 

展示室の最初に置かれていた大きな斧。
木を切る斧です。

 

船を造るために巨木を伐採してきた道具。
ああー、太郎坊か!(気仙沼羽田神社の伝承)


あの夢は、このことだったのか・・・。

ふと、前方をみると、逆卍の旗。
あ~、そーなのか。

 

 

 先住民の結集。

 


今までの大杉と天狗、船をつくるために伐採された木々。

そのシンクロの意味が、今、置かれている状況のサン・ファン号であったと。
もうそこしか焦点が合わせられないのです。

 

サン・ファン号の魂がすごい!と、つくづく思うのですが、

戦うための船でもあったのです。(まるでムーとアトランティスの契約のような)
船大工の魂も感じてしまいます。

 


やっぱり木は生きているのです。

船に生まれ変わって生きているのです。


それが破壊されることについて、木々も思うことがあるんですね。

 

実際、作られた当初の船は、

『杉板ハ気仙東山ヨリ依り出シ
曲木ハ片浜通り磐井江刺ヨリ採る』

 

気仙沼と岩手県の江刺方面の山から木々を伐採して造られていました。

現在の復元船は、牡鹿半島一帯の山。


けやき 30本
松 4000本
杉 1300本を利用。

 

 

これだけの木々を伐採して作られた命の船。
山形県では「草木塔」があります。
なぜ、その森を見ることができないのか。

 

 

左から、ケヤキ、ホオノキ、スギ、ベイマツ、ヒノキ、マツ

 

石巻は海民の聖地。
あの船は魂をもっているのです。
何度も大杉のあんばさまが登場してきたのは、この事を言っていたのだと思います。

 

無機質な素材になるのなら、サン・ファン号は存在していないのも等しいのです。

呼吸をしていないからね。

 

いずれにしても、船に生まれ変わった木々と、船大工の技術と共に生きてきた
長年の業を、県は先に敬意を示すべきではないでしょうか。

その説明がほしい。


それから議論するべきと思います。
東北の島の木から生まれたのですよ。
ジャニーズにお金を費やしている場合ではないのです。

 

なので、これは、夢の話しと一致しているのでした。
決定権をもつ大人たちの決断により、巨木がなぎ倒される。
その下で、酒にあけくれ晩餐会をする男たち。

 

いつもこうなるのです。
石巻は。

 

トヤケ森に登った時もそうでした。
海を見て、山を見ない。

 

 

サン・ファン号に行く前日の夜、主人がチャンネルを回していたら、
NHKで「隠れキリシタン」のことをやっていました。
愛子の方でした。


偶然、それを見ることになり、支倉常長だから隠れキリシタンなのか、と納得し、
やまちゃんに「隠れキリシタン」と一言メールをしたら、
「NHKか?」と、やまちゃんから返信が。

 

やまちゃんも、ご主人がチャンネルを回していたら隠れキリシタンを
やっていたので、見るはめになったという。
同じ現象なのだから、これには隠れキリシタンたちの想いがあるでしょう。

 

愛子は、伊達政宗の長女、五郎八郎姫(いろは姫)が広めたクリスチャンの聖地です。

このシンクロを無視するわけにはいきません。

 

 

右下にサン・ファン号を見送る人の絵。

説明では、「伊達政宗らしき人」とありますが。。。

 

 

サン・ファン号は、今年いっぱいまで見られるそうです。
※船の中には入れません。

また、館内の写真撮影はOkだったので一部のせました。

 

賛同できる方は、こちらを参考に。
サン・ファン・バウティスタ号を保存する会
https://sanjuanbautistaish.wixsite.com/save-sanjuanbautista