さまよう刃/東野圭吾。 | 千葉・九十九里ではたらく不動産営業マンの日記

千葉・九十九里ではたらく不動産営業マンの日記

千葉県の東金市・九十九里町を中心に不動産事業を展開している有限会社東豊住宅の若手(?)営業マンが、日々の業務で感じたことを綴っていきます。

こんばんは。

明日も雨降るみたいですね。

雨が降るたび寒くなり・・・。

今年は養老の紅葉見にいこうかな。



小さいながらも娘を持つ父親である私には

あまりにも過酷なストーリー。

その内容に

さまざまな問題を提起しているところも著者らしいですね。



少年法どう思いますか?

未成年の犯罪は

充分な判断ができない・更生の余地がある

などの観点から

成人同様の刑事処分を下すのではなく

原則保護更生の処置を下すことが少年法に規定されています。

確かに「若さゆえの失敗」と言うのもあると思いますが

現実社会では

未成年による残虐な犯罪があとを絶ちません。

極刑が当然

とされる内容であっても

「若い」というだけで3年ほどで日常生活に戻ると言う点が

皆さんも記憶にある若者の殺人事件の度に

社会的問題になっていますよね。



娘を殺した男に復讐を試みる父親

妻に先立たれ、高校生の娘と二人暮らしの

長峰、という男が主人公。

花火大会に出かけた、その娘が

少年たちに連れ去られ・・・。

数日後変わり果てた姿で発見された娘。

そして

電話に録音されていた住所の

アパートへ赴きそこで見たものは。。。

・・・。

最近ミステリを随分読んでおりますが

これほど

殺意に同意

したことはありませんでした。



加害者と被害者の家族と社会

被害者の父親が主人公ですが

加害者の両親の視点も描かれており

少年犯罪のおこりうる現代社会の描写がリアルです。

決して許されることのない罪を犯しながらも逃亡している

息子をかばう母親。

同様の被害を受けた娘が

それを理由に自殺した娘を持つ父親。

さらには

復讐を誓う父親の気持ちを理解しつつも事件解決に望む警察

社会的問題として取り上げようと警察以上に実態を暴こうとするマスコミなどなど

さまざまな視点が存在することで

現実社会で起きている事件の記憶が

よみがえってきそうなリアルな感じを与えます。





犯罪の内容と主人公の対峙があまりに惨くて

途中で読むのをやめよう

とも考えました。

でも、それは

そういった残虐な事件を

「他人事と捉えている、ということ?」

という気がして自己嫌悪になりました。

でも

こういう本を人に薦めるのは苦手です。

もともと映画版のCMを見て

内容が気になっていきなり本を手にとってしまったんですけどね。

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