上手(舞台向かって右)側のキャストご挨拶が終わり、今度は下手(舞台向かって左)側のキャストです。

 

ファンテーヌ役、和音美桜さんからのご挨拶となりました。

和音さんは、2017年以来の『レミゼ」復帰。直前まで出演していた「モーツァルト!」でも緊急事態宣言等の影響を受けるなどあり、大変な日々が続いた今期でした。

 

 

「ファンテーヌ役をさせていただきました、和音美桜です。本日は本当にありがとうございました。

個人的なんですけども、この(『レ・ミゼラブル』の)前に別の作品に参加していたので、(3〜5月の)お稽古、ほとんど参加出来ないまま本番をさせていただいたので、稽古場でお顔を見たことのない、初めてご一緒する人たちがたくさんいて。あまりこう…思われないんですけど、ちょっと人見知りなのもあり(本人笑)、舞台上でも絡むことが少ない役なので(場内笑)、その中で本番で、どうにかこの作品を皆さんにお届け出来たらなっていう想いだけで、ここまで来たんですけれども。本当に今日という日が迎えられる…か……」

 

こみ上げる想いに言葉が続かなくなってしまう和音さん。

涙を堪えながら「すいません」と言葉を繋げようとする姿に、お客さまから温かな拍手が送られます。

 

 

「…(今日という日を)迎えられた…ことが………すごくこう、ありがたく…(と気持ちを立て直して)、でも単純にその、奇跡というのではなく、いろんな人の支えがあって今、ここにいられるな、とホントに思ってます。

…この場に来ていただけなかった皆さまも、今日こうやってご覧いただいている皆さまも、オケの皆さんも、スタッフの皆さんも、みんながそれぞれに、いろんな思いを抱えてこのご時世、生きていらっしゃるんじゃないかなと思いますが、また明るく元気に、舞台でお会いできたら、舞台からパワーもらっていただいて、皆さんの日常生活を少しでも豊かに過ごしていただけたら嬉しいな、と思います。本当にありがとうございました」

 

 

 

続いては、2003年から『レ・ミゼラブル』を支えてくれているテナルディエ夫妻。

まずは、"夫" の駒田一さんです。

 

 

「どうもありがとうございました。駒田一です。

こうやって無事に千穐楽を迎えられた "感謝の気持ち"、そして "ホッとする気持ち"、それから、約8ヶ月苦楽を共にしたこのカンパニー・メンバーとのお別れ、"寂しい気持ち"、そして今日、これから帰ると新宿はすごい人で(と、ヨヨヨとなって) "帰りたくない気持ち"」

と客席を笑わせます。

 

 

「まあ、いろんな思いが入り乱れております。何だろう…"別れは再会のプロローグ" って言います。また明日からみんなは個々が、個々に、それぞれのスタートにつくんだと思います。またいつかどこかで、こうやって皆さまと一緒に同じ空間を共有できたらなぁ、と思います。また劇場でお会いしましょう! 誠にありがとうございました!」

 

 

そして"妻 "、森公美子さん。

 

「森公美子でございます。

私は… "今年が最後かなぁ" と思いながら、その、19年も "今年が最後かなぁ"、17年も "終わりだなぁ" と思いながら、なんとか21年まで演ってこれました(客席から拍手)。

世界中を見ても、マダム・テナルディエをこの年まで演ってる人は誰もいなくて。…この際、ギネス狙っちゃおうかなぁ(客席笑)。えっと、アンケート用紙なんですけども、"森さん、もう1回みたいなぁ" なんて書いてもらえれば(更に客席笑)」

 

 

「また、この松本という素晴らしい土地で、素晴らしい空気の中で、来たばかりでございますけど、この会館に私は一つの思い入れがありまして、ここに立てるというこの喜び、そしてあの」

と言いかけて、んっんっ…んっ、と喉に違和感あったか咳払いをする森さん。

「ごめんなさい…ホントにあの、小澤征爾先生の指揮で歌いたいなと思って、小澤征爾先生のコーラスで、ここに出てたんですね。初めて、ここが出来た時に。その時に、オーケストラで歌った時に、もうこの空間がうわーーーーっと鳴り響いて、痺れるあの感覚を、今、カーテンコールの拍手でまた感じました。

是非またこの地に、『レ・ミゼラブル』が戻って来るといいなぁっと思いながら(拍手が来て)お客様に感謝です。このエンターテイメントというのはやっぱり、リモートとか何かとかじゃなくて、こうやってお客様が側にいて、そして、お客様の反応を聞いて、何か素敵な気持ちになれるんだなって思いました。ホントに、ありがとうございました」

 

 

 

続くは、2019年に続いての出演となった伊礼彼方さん、ジャベール役です。

 

 

「どうも、伊礼彼方です」

と、気さくな感じで挨拶を始めた伊礼さんに、客席、和みます。

 

「初めての松本公演、素晴らしい劇場ですね、ここは、ホントに。6階7階くらいまであるなぁと思ったら、4階までしかなかった(笑)。すっごい1階の勾配が、すごくて、もう6階くらいに見えてました。素晴らしい! ホントに!」

 

ここで何故か、

「10月1日から街中に登場したロープの白いの、あれは何?」

という話になります。

松本城近くにある四柱神社さんの例大祭があったので、おそらくその関係で街中にしめ縄と紙垂が飾られたのではないかと推測するのですが(松本の皆さま、違っていたらごめんなさい・・・ムラタ)、何故その話題?と首を傾げていたら、周囲のキャストに軌道修正されたのか、伊礼さん、

「あ、はい」

と真面目な話へ。

 

 

「いろいろ…いろんな思いがあります。博多が中止になり、この松本公演、上演出来るかどうかも判らない中、みんな不安もあったと思いますけど、多分これは想像出来ないくらい、制作、東宝演劇部が頑張ってこの松本公演を上演して下さったんだと思います。そして僕ら、我々は厳しいルールをいただいて、更なる感染対策として…外に出ない、外食しないっていうことで、主催さんが毎日お弁当をね、入れてくれてます。ホントにありがとうございました。ホントに美味しいお弁当。おかげさまで、無事に千穐楽を迎えることが出来ました。

いろいろ思うことはありますけど、もう、言うことはただ一つです。行けなかった大阪、そして、やり遂げられなかった博多にもう一度行くのが、僕らの仕事だと思っております。またいつ…(お客さまからの拍手で言い直して)いつ『レ・ミゼラブル』、この作品が上演されるのか判りませんけど、もう一度チャレンジして、大阪そして博多、無事に務めさせていただきたいなと思います。どうもありがとうございました」

 

 

<10月4日、大千穐楽を迎えました! その4 につづく・・・>