9月16日前楽、その3、です。

 

次のご挨拶も女性キャスト、ファンテーヌ役の知念里奈さんでした。

「ご観劇ありがとうございました。

無事に・・・(隣の吉原バルジャンに「4月からですよね?」、吉原さん「4月から」) 4月から、東京で始まったって、もう9月も半ば。無事にこうして札幌の地で、千穐楽を終えられることが出来て、ホントにほっとしています。

今回も、この、作品の中のキャラクターの、生きていく姿、愛すること、許すこと、悔い改めること、信じること、希望を捨てないこと、たくさんのことを作品に学ばせてもらいました。

明日からの、皆様、見て下さったすべての皆様が、明日からの皆さんが必要な時に、この作品のメッセージが支えになったり、励みになったりしたら嬉しいな、と思います。

ご観劇ありがとうございました」

 

 

 

そして、ジャベール役、川口竜也さん。

「ありがとうございました。ジャベール役、川口竜也です。

僕も(昆)夏美と同期なので、2013から演らしていただきました。こんなに長く出来ると思ってませんでしたし、まさか、ジャベールが死ぬ52歳という歳(=川口さんの実年齢)でジャベールを演じられることが・・・まあ、それは夢だったんですけど・・・それが出来るとはホント、思ってなくて。

こうやって、無事に日程を終えられたことが・・・うん、ホントに寂しく・・・思っちゃいますね、どうしてもね。

まだまだ自分が何かいろいろ出来るんじゃないかと思ったり、考えたりしますが、とりあえず線を引いて、また、前に進んでいきたいと思います。

アンサンブルから、こうやって役に抜擢していただいて、ホントに夢のようでした。ありがとうございました。

明日まで、ですね、皆、アンサンブルの皆も(橋本)じゅんさんもそうですけども、大千穐楽までしっかり、命かけて演ると思いますので、応援よろしくお願い致します。

ありがとうございました」

 

 

 

最後はもちろん、吉原光夫バルジャンです。

「ジャン・バルジャン役を演らせていただきました、吉原光夫です。

相変わらず何も、言うことを考えていないので、あの、駒田一がいないので、暴走したら、えっとすいません、誰か止めて下さい(客席笑)」

 

 

「えーっ、そうですね・・・ま、朴さんもさっき言ってたんですけども、何でこの作品っていつまでも怖いのかなと思うんえすよね。すっげえ怖いんですよ。舞台上で、自分ちなみに2011年から演ってるんで、いい加減慣れろって感じなんですけども、慣れなくて。立つ度に、それこそ、朴さんと一緒で、稽古場来るのも、歌稽古するだけでもすっごい帰りたくなったり、すっごい震える作品なんですね。よくその毎回、これ演るのかなぁと思うんですけども。

やっぱりこの・・・まあ、お客さんも含めて、この・・・無情の世界の中で、人々がこんなにエネルギッシュに、こんなにひとつの想いに向けてジャンプしようとしてる、こう、届こうと手伸ばしている人の姿って、崇光だな、と思うんですよ。

今の現代は、無情なものを誤摩化すだけのツールがたくさんある、インターネットであったりとか。ま、ウチらって贅沢じゃないですか。それによってこう、無情の心理をすごく誤摩化すことが出来る世の中になって。この『レ・ミゼ』の世界っていうのは、それをこう、はぎとり、裸にして舞台上にのっかってる。お客様はそれが魅力で見に来ると思うし、役者たちは、そこでまっすぐ戦わなくちゃいけないっていうことが、すごく魅力的であり、怖いんだなぁと思います。

そういう中で、ジャン・バルジャン役っていうのは・・・今回はジャン・バルジャンだけを演らしていただいて、ホントに贅沢な時間だったんですが・・・やはり、彼は"すげぇな" って、演る度に思うんです。彼は、自分を優先しなかった人間なんだと思うんですね、プロローグ以降は。プロローグ以降は常に自分の自我を捨てて、自意識を捨てて、人の子供の為に全ての命を投げ出し、人の為に自分の感情を使ってきた人間。きっと、俺はそうなりたんだろうし、皆そうなりたいんだろうし、そうなれれば少しは何か良くなるじゃないかなって思うと、この人(=ジャン・バルジャン)は、ずーっと記者会見から "普通の人" って言ってきたんですけど、"普通の人" じゃないです f^^;(客席から笑い)。"すげぇ人" です。"すげぇ人" だなって。

この、届かないジャン・バルジャン、でも、いつか届くことが出来るように、ヴィクトル・ユゴーに感謝し、『レ・ミゼラブル』に感謝し、そして今回の皆(=キャスト)、オーケストラ、すべてのスタッフに感謝し、また明日も生きていくと思います。

(こんな感じで)大丈夫ですか?(客席笑)。

それでは、明日まで『レ・ミゼラブル』は驀進しますので、是非最後まで、お客様、一緒に居て下さい。

そしてまた、演劇は、お客様が創っております。必ず劇場でお会いして、温かい目で温かい拍手で、厳しい意見で、僕たちを支えて下さい。

本日は、ホントに、ありがとうございました」

 

 

終演後、幕中にて、東京から駆けつけた東宝演劇部長が、千穐楽キャストの労をねぎらい、そして、吉原バルジャンの発声で、まだ千穐楽じゃないキャストもいましたが、手締めを行いました。

 

 部長挨拶に聞き入るキャストたち

 

 手締め

 

 

最後は、恒例の集合写真の撮影です。

 

 

 

 「ありがとうございました」と海宝直人マリウスにお礼を

 伝えていた熊谷彩春コゼットをつかまえて、ツーショット

 

 

 終演後も涙が止まらない大矢臣ガブローシュを抱き上げて

 「お疲れ様」とねぎらう、吉原バルジャン

 

 

 この日のリトル・コゼット/桑原広佳ちゃん(左)と

 リトル・エポニーヌ/岩瀬花音ちゃん。花音ちゃんは、

 この日が2019年大千穐楽でした