みなさん、こんばんは。
本日、9月13日は昼の1回公演。
早くも札幌千穐楽=大千穐楽を迎えたキャストがおりました。
2019年公演における最後の出演となったのは、ジャベール/上原理生さん、テナルディエ/KENTAROさん、そして、ファンテーヌ/二宮愛さんの3名です。
本編終了直後、カーテンコールでの出を待つ袖で、ハグ
するバルジャン/吉原光夫さんとジャベール/上原さん
並んで、カーテンコールの出番を待つ吉原さん・上原さん
カーテンコールで、お客様からの拍手に応えるキャスト
本編終了後、幕前にジャン・バルジャン/吉原さんが登場して話し始めようとしたところ、客席の扉が開いてロビーからの光が差込み、思わず吉原さん、
「あ・・・ドアが開いてしまいました。出来れば帰らないで、残っていただけたら嬉しいんですが」
というお願いで、特別カーテンコールをスタートさせました。
特別カーテンコール冒頭の吉原さん
ご都合で急いで帰途につかれる必要があったのか、あるいは何か他の理由なのか、もちろん、お客様それぞれのご事情があることは重々承知しているのですが、
「残念ながら、ホント短いんですけども本日をもって『レ・ミゼラブル』全公演を終え、大千穐楽を迎えるキャストがいます。なので一言ずつコメントを(お客様に)聞いていただきたいと思ったので」
と、お願いをした理由を申し述べ、吉原さん、再度幕を開けました。
幕が上がると、上原ジャベール、KENTAROテナルディエ、二宮ファンテーヌを中心に本日のキャストがあらためて登場し、前方に進み出ます。
吉原バルジャンから役名と名前を紹介された3名。
大千穐楽のご挨拶を、と最初にコールされたのは、前回2017年に続きファンテーヌ役2期目となった二宮さんなのですが、ここで吉原さんが、総立ちのお客様に「一旦座っていただいて」と呼びかけ、
吉原「愛ちゃんもちょっと待っていただいて」
二宮「待ってます、待ってます(笑)」
吉原「もしあの、ロビーであたふたしている場合は戻ってきていただいて(笑)。是非戻って来て下さい」
二宮「お話、聞いて下さい m(_ _)m」
と、着席するお客様を笑わせるようなやり取りが f^^;。ようやく真面目に、
吉原「それでは、お願いします」
で、二宮ファンテーヌのご挨拶が始まりました。
「本日はご観劇まことに・・・」
と始まったご挨拶の冒頭、お客様の拍手を受け「Thank you!!」と海外育ちらしいリアクションで、朗らかな笑顔を見せていた二宮さんは、
「2019年も再び、ファンテーヌ役として再び舞台に立たせていただけると知った時から今日まで、ずっと、自分なりの・・・」
と語り始めた途端、想いが込み上げたのか少し涙声になり、声をつまらせます。
「・・・自分なりの、ファンテーヌを描いて、努力し続けてきました。公演のある日は、朝起きてから "今日、コンディションどうかなぁ?" とか、"昨日上手く行かなかったあそこはどうやれば上手くいくかなぁ?" とか考えながら、朝の身支度をするのが日課でした。考えてみれば、お稽古を含めてもう半年以上、ずっとこういう生活を送っていたので、明日の朝から、"あ、そういうコンディションを気にしなくていいんだなぁ" と思うと、ちょっと変な感じです。寂しいし・・・。ちょっと気が楽のもあるんですけどね(苦笑)。でも・・・そうですね・・・寂しく、なります」
二宮さんは続けて、舞台裏を支えるスタッフ、舞台上に立っている共演者たち、博多で一足先に大千穐楽を終えているキャストたちに感謝の言葉を述べます。
そして、
「何よりも、この作品を愛して下さっている皆様がいるからこそ、ここに立てているな、と思います。札幌の、こんなデカイ劇場が埋められる」
「"大きい" だね」
と、すかさず小声で突っ込む吉原さん。
二宮さんは苦笑いしながら、
「大きい! 大きい、ね(笑)。ちょっと、ね、ついつい、ね(笑)あっはっは!(笑)・・・大きくて広い素敵な劇場が上までパンパンになっているところを見ると、ホントに感極まります。
2021年も上演が決まっていますので、どうぞ今後とも『レ・ミゼラブル』を応援して下さい!」
続いて、オリジナル版では2003年帝劇公演のモンパルナス役に始まり、2011年にジャベール、新演出版ではテナルディエ、と役を変えながら長年、この作品と関わってくれているKENTAROさん、です。
「僕もホントに、こんな "デカイ" 劇場で挨拶するの」
と、しっかり笑いを取るKENTAROさん。
吉原さん、今度は、
「"デカイ" で大丈夫です」
と静かに返し、客席は笑いの連続です。
「こういうのは拾ってナンボなんで(笑)。・・・いやでも、二宮愛ちゃんも言いましたけど、半年以上ですか、稽古を含めると半年以上、どこかこう、自分の生活とテナルディエという男とずっと向き合いながら生活してたので、明日からどうしようかな?というのは、ホントにあるんです。
稽古期間から半年以上、テナルディエと共に一緒に歩いて来た結果、ですね、何年もあってなかった職務質問にあうという(客席爆笑)」
なんとKENTAROさん、普通にスーパーに買い物に行っただけなのに、パトカーがバッと止まって警察官が2〜3人ダーッと降りて来て、「何か危ない物、持ってないだろうな?」と尋かれたんだとか。役者さんは、いわゆる "一般的な社会人" には見えづらいですから、異質に思われたのかもしれませんね。
(ちなみに、これは役者に限りません。我々から見たら普通の方なのに、劇場や会社周辺、通勤経路の駅などで何度も職質されているスタッフ、いたりするんですよ f^^;)
「2019年、駆け抜けた思いしかないです。とにかく全身全霊を込めて、悔いの残らないよう、1回1回をホントに大切に、真摯にやって参りました。ホントに悔いはないです、今年。
次、2021年もまた上演が決まっております。頑張って(次回も)出れるように、またその役に向かって、いろんな作品・役をやって、日々努力していきたいと思っております」
そして、上原さん。
2011年、アンジョルラス役でミュージカル・デビューしてから出演を積み重ね、今期は堂々のジャベール役でした。
「半年以上、冬の寒い時から稽古を初めて、この役に向き合ってきて、ホントに演る度に、稽古の時から "大きな役だなぁ"って思ってて、"出来んのかな?" っていうプレッシャーと、先輩方が演じ継がれてきた歴史あるこの作品を演らしてもらうんで、失礼のないように、っていう想いもずっとあって・・・。今日まで来て、ひとまず、無事にこうしてこの、千穐楽の、この瞬間を迎えられたことにホッとしているのと、同時に、"もっと何か出来たのかな?"っていう忸怩たる思いも今、あって。・・・そんなことを考えてたら・・・あ、僕は職務質問は受けてなかったんですけど(客席笑)、そんな想いを抱えながら演ってたら、今日、橋がくっつかなかったんですね、自殺の時に」
[註:"自殺"場面で、橋のセットに若干のトラブルが発生しました。ただし、本番は通常通り続行し、また、演者に危険が及ぶようなことにもなっておりませんので、どうぞご心配なく]
「で、"あぁ、これは、どげんかせんといかん" と思ったんですけど(笑)。でも、千穐楽の時にこういうことが起きるってことは、"おまえ、2年後もやれよ" っていうメッセージかなっと(笑)。(ここで客席に)2年後、演ってみてもいいかな?(懐かしいネタに客席笑、そして拍手)」
この後、上原さんは、今日まで駆け抜けられたのは共演者、スタッフ、オーケストラ、そしてお客様の応援に支えられてのことと、
「今、心から幸せです。ホントにありがとうございました」
と感謝して、挨拶を締めくくりました。
最後に、個人的に札幌での公演は1999年以来という吉原バルジャンが、先日の千葉県などでの台風災害に触れ、
「劇場に来ること自体、そして千穐楽を迎えられること自体、奇跡なんだなって、ホントにこう、災害を目の当たりにする度に思います」
そして、
「(2021年の)上演が決まってますが、また札幌で出来たらいいですよね?」
キャストたちが大きく頷いて同意する中、
「それではまた、2021年にお会い出来ますよう。本日は本当にありがとうございました」
と結んで、幕を降ろしました。
終演後の記念撮影
左から上原ジャベール、二宮ファンテーヌ、KENTARO
テナルディエ。
2019年公演、お疲れ様でした m(_ _)m
終演後の舞台袖にて、珍しいツーショットです
上原ジャベール(左)と、地元、北海道出身、唯月ふうか
エポニーヌ
明日14日は、テナルディエ役に橋本じゅんさん、ファンテーヌ役/知念里奈さんが、hitaruに初登場します。
「レ・ミゼラブル」札幌公演は三連休明けの17日まで。
引き続き、ご声援、よろしくお願い致します m(_ _)m