みなさん、こんばんは。
今日の昼の部では、9名のプリンシパルと、アンサンブル1名、子役2名の計12名が、2017シーズンの大千穐楽を迎えました。
朝の全体発声では、スタッフから衣裳や小道具の返却などについての連絡があったり、本編後の千穐楽カーテンコールの段取り説明があったり。
開演前の円陣で、バルジャン役/福井晶一さんから、
「自分を信じて、みんなを信じて」
と、いつも通りを心がけようという主旨の呼びかけがあり、皆で心を鎮めて、本番がスタートしました。
開演前の円陣。キャストに語りかける福井バルジャン。
開演直前、スタンバイに向かった福井バルジャンと
ハグするKENTAROテナルディエ(中央)。
2幕開演直後の舞台の様子を下手袖から。
最後まで "平常心" を心がけながら、終幕を迎えた本日の出演者たち。
本編後のカーテンコールでは、代表して、楽日を迎えたプリンシパル9名がご挨拶申し上げました。
*今日も、ここから長いです。
気長に読み進めて下さいませ。
まずは、進行役のKENTAROさん。
「意外と良い声してるんだね、と言われるテナ・・・」
と自己紹介しようとして、いきなり噛み f^^;、一番大事なところで(苦笑)と反省しつつ、自身の挨拶を始めました。
「13年から続けて出演させていただいてますけれども、常に進化と言うか、止まることなく・・・まあ、それは僕だけじゃないです、皆もそうなんですけど・・・この作品は、ほんっとに難しいなって思うんですね。納得した日がまずない、と言うか。日々違うことを感じることもありますし、(共演する)人が変われば気持ちもやり方も違って、それを皆も純粋に受け止めて、キャッチボールをしていって。それで初めて鮮度を保つというか。それを目指して、ずっとやって参りました。
えっとねぇ・・・ホント俺、明後日くらいにぶっ倒れるんじゃないかって思うくらい(苦笑)。やっぱ、気をずっと張っていたので。だからやっと今日、もう何にも考えずに・・・声の調子とかも考えずに、こう、うわって呑めるかなって感じがします(笑)。それくらい、ありがたいことに、達成感がありました。
2019年、再演も決まっております。皆でまたオーディションを受け直して、新たに(『レ・ミゼラブル』を)ご披露出来れば、と思っております。皆さんには、長く長くこの作品を愛していただけたらな、と思います」
2番手のエポニーヌ役、松原凜子さんは、
「稽古の段階も含めて、ホントに頑張ってるなって。この舞台に立つまでに、ホントにホントに努力したんだなって思います」
とのKENTAROさんの言葉に、思わず涙しそうになるのを堪えながらのコメントとなりました。
「去年の11月頃に、新キャストお披露目会というものがありまして、そこからほぼ1年経ちました。・・・私の中で、いろいろと心境の変化があったりして・・・5月に開幕してから、ひとつひとつ積み上げてここまで来られたような気がします。無事に千穐楽を終えることが出来て、ホントに今は、ほっとしています。
パンフレットに書かせていただいたんですけども、この作品を通して・・・えっと(と声を詰まらせ))・・・立ち上がる勇気や、愛を持って生きることを・・・伝えられたら嬉しいなと思って、ここまで来ました。
エポニーヌという役を通して、もうひとつ学んだことは、彼女は・・・決して・・・辛いことがあっても絶対に泣かない・・・いつもこう、生きるために笑顔を身に付けたような、強い女性だったなと思っています。
(ここで、自身の涙ながらの挨拶に苦笑いを浮かべ)
ホント、説得力がないんですけど・・・。
(客席から「がんばれー!」の声に、ありがとうございます、と返して)
・・・これから私も、乗り越えなければならない壁がいろいろあると思いますけれど、この作品を通して学んだように、ぐっとこらえて、口唇を噛んで、強く立ち向かって行けたらいいな、と思っています。
そして、稽古からすごくすごく皆さんに迷惑をかけて、皆さんに支えられて、スタッフさんにもお客様にもすごく支えられて、ここまでやり抜く事が出来て、ホントに幸せです。皆さん、ありがとうございました」
ここで、しばし沈黙。松原さんは挨拶を終えたつもりだったのですが、周囲のキャストもお客様も「ん?終わり?続きがあるの?」となってしまい、ごめんなさい、と、ありがとうございました、を口にしながら、深々と一礼しての締めとなったのでしたf^^;。
続いては、松原さんと同じく2017年からの参加メンバー、ファンテーヌ役/二宮愛さんです。
二宮さんもちょっとウルっと来ていたのか、「泣かせちゃダメですよぉっ」とKENTAROさんに突っ込みつつ、
「いやぁ、楽しかったですっ!」
と努めて明るく元気に話し始めました。
「『レ・ミゼラブル』30周年にして、私、人生初の舞台でした。この大作から、いろいろ学ばせていただきました。いち表現者として、いち人間として、より深い愛と出会うきっかけとなったこの作品に、ホントに心から感謝しています。
今、皆さんに話す機会があるので、3つの感謝を是非、伝えさせて下さい。まずひとつは、私のことを、新人なのにちゃんとこう、仲間として扱ってくれたカンパニーの皆さん、ホントにありがとうございました。そして・・・あ、ちょっとまってね。アハハ・・・(と、湿っぽくなるのを笑って堪え) ・・・そして、今、皆さんの目の前にはいないんですけど、この舞台に裏にはたくさんのたくさんのスタッフさんたちが居て、ホントに毎公演すっごい頑張って支えてくれました。スタッフの皆さん、ホントにありがとうございました。そして! 何よりも! 30年間この作品を愛し続けて下さった皆さんに、ホントに心の底から感謝の言葉を伝えたいです。皆さん本当に、今までありがとうございました。2019年も是非、『レ・ミゼラブル』を愛して下さい」
4番目は、
「歌稽古の時は、あんなにヒョロヒョロっとしてたのに、いつの間にかすごく男らしくなり、リーダーシップが取れる様に。ホント、カリスマ的な役に」
とのKENTAROさんの紹介に、苦笑いを浮かべたアンジョルラス役/相葉裕樹さん。
「1月の10日からエコールが始まり、10月15日の今日、無事に千穐楽を迎えることが出来たこと、ホントに嬉しく思います。
過ぎてみるとホントにあっと言う間だったのですが、その中でも、なかなか思うように出来ずに、悔しい思いや苦しい思い、たくさん、して来ました。ですがその中でも、最後まで見放さずに支えて下さったスタッフの皆さん、カンパニーの皆さん、そして、足を運んで下さったお客様、ホントに感謝の気持ちでいっぱいです。
・・・アンジョルラスになれて、ホントに感謝の気持ちでいっぱいです。・・・あの、ホントに感謝の気持ちしかないんですけど、2019年の公演が決まり、またオーディションを受けるチャンスがあるのかな、と思ってます。またABCの皆と戦えるよう、日々精進して、オーディションに挑みたいと思います」
次に登場したのは、マリウス役の内藤大希さんなのですが、以前、個人的に共演したことのあるKENTAROさんから、
「ほんっとにバカなヤツで、でも、どうしようもなく憎めないんですねぇ。何て言うんでしょうねぇ。ほんっと、片付けも出来ないし、何だろうなっと思いながら」
と愛ある "暴露" があり、
「こんな多勢の人の前で!」
と、こちらも苦笑しながらの挨拶となりました。
「小学生から『レ・ミゼ』を観て、ホントに『レ・ミゼ』が大好きな幼少期を過ごして、ここに居れることがとても幸せで・・・。
帝国劇場の初日に、すごく期待と不安と、あと、ジャン・バルジャンと同じ(囚人の)衣裳を着れてる喜びと・・・何かすごい、いろんなものが駆け巡った初日が、すごく印象的、というか、やっぱり忘れられなくて。・・・その一歩一歩の連続で今日、ゴールを切れたことが、僕の中でひとつ、大きな任務をやり遂げたというか・・・すごく魂が震えました。なので、今はすごく、胸がいっぱいで幸せです。・・・はいっ・・・っていう感じですっ!」
内藤さん、溢れてくる想いがあり過ぎたのか、全てを言葉にするのは難しかったようですが、"幸せ" が伝わる素敵な笑顔を浮かべてのコメントでした。
2幕開演直前。明かりを落とした舞台袖で。
左からモンパルナス役/大津裕哉さん、クラクスー役/
石飛幸治さん、コンブフェール役/鎌田誠樹さん、
マリウス役/内藤大希さん。
6人目は、オリジナル版時代と2013年にアンサンブル、2015・2017年とコゼットを演じている清水彩花さん。
彼女も、涙、涙の挨拶でした。
涙をこぼしながら、スムーズに言葉が紡げないことを「ごめんなさい」と詫びた後、
「・・・いつもは、ちゃんと挨拶とか考えて来るんですけど・・・今日はホントに、考えるっていう時間を取ることで、自分がコゼットと離れてしまうっていうのを感じると、すごく胸が苦しくなって・・・今日の舞台に集中しようと思って・・・何も考えずに、この舞台に立ちました。
15年、17年とこの役を演らせていただいて、ホントにホントに幸せでした。コゼットは、愛の固まりのような人間なので、私もこれから先、皆さまに愛を与えられるような人間になれるよう、精進していきたいと思います。
本当に『レ・ミゼラブル』は、大好きな舞台で・・・またいつか、成長してこの舞台に戻って来れたらいいな、と思います。これからも頑張って参りますので、応援よろしくお願いします。そして、ずっとずっと皆さまも『レ・ミゼラブル』を愛し続けて下さい」
終演後、女性プリンシパルの4人で。
左から、松原エポニーヌ、清水コゼット、
鈴木マダム・テナルディエ、二宮ファンテーヌ
続いて、
「大先輩でございます。もうコゼットやってファンテーヌやってこの役やるって、いないですよね」
との言葉に朗らかに笑いながら、マダム・テナルディエ/鈴木ほのかさんが挨拶に立ちました。
「私は、地元の一宮市出身なんですけども、高校2年生の時に、この中日劇場で、ちょうどその柱の前ぐらいで観たミュージカルに感動して、この道を進み始めました。ホントに自分の人生を変えてくれた劇場なんですけれども、1988年の名古屋初演の『レ・ミゼラブル』、コゼット役で初めて故郷に錦を飾らせてもらったのも、この劇場です。そして、30周年、まさか、この役で!(客席の笑いを受けて)この役で!!」
すかさず、「笑うとこですね?」とKENTAROさんが確認を居れる、「笑うとこですね!」と即答し、
「地元の中日劇場に戻って来るれるとは・・・ホントに、ここに立たせてもらってるのは、"奇跡" だと思っています。
この大きな挑戦、乗り越えられたのは・・・
(感慨に少し声が震えると、客席から励ましの声が)
・・・ありがとうございます! 地元は良いですねー! ありがとうございます!
本当に、皆さまのお蔭だと思っています。また新しいことに、どんどん挑戦していきます。
これからも『レ・ミゼラブル』を愛して下さい!」
そして、KENTAROさんと同じく、2003年に『レミ』に初参加した "同期"、ジャベール役/岸祐二さんです。
岸さんも、出番を終えて楽屋に戻ったところで、「ヤバイ!何言おう。何も考えてない!」となっていましたが、さて、そのコメントは、というと・・・。
「言いたいことはたくさんあり過ぎて、何を言っていいか、ホントに判らないんですけど・・・まずは無事に、こうして千穐楽を迎えたこと、嬉しく思います。今まで支えて下さったスタッフや家族、友人、それからもちろんお客様,ホントに心から感謝をしたいと思います。ありがとうございました。
ジャベールっていう役は、僕、15年に初めて演らせていただいたんですけど、ホントに "孤独" な役です。しかしながら、あの、お芝居っていうのは一人では出来ないもので・・・今回改めて、スタッフの皆さん、それから、素晴らしいキャストの仲間、と、一緒にやれたことを、ホントに光栄に思います。
はぁぁ・・・(と深く息を吐いて)・・・これからも、『レ・ミゼラブルは』続いて行くと思います。まだまだ皆さんも、この作品を愛して欲しいと思いますし、私も、皆さん以上の愛で、この作品を追いかけて行きたいと思います。ジャベール並みの執念で、追いかけたいと思います! ハハハ(笑)。
・・・はぁぁ・・・(と、またも深いため息)・・・終わってしまいましたね・・・。また会いましょう!」
開演前、岸ジャベール(中央右)と
囚人に扮した伊藤俊彦工場長(中央左)
二人は、2003年レミ同期です。
写真左はモンパルナス役/大津裕哉さん、岸さんの右に
クールフェラック役/持木悠さん。
最後のジャン・バルジャン役/福井晶一さんの挨拶の前には、本日で楽日の若松渓太、廣田礼王恩、山崎瑠奈が紹介されて、揃って一礼しました。
そして、福井バルジャン。
何と本日、特別カーテンコールの最初、いきなり手順を間違えるという・・・f^^;。で、挨拶の冒頭は、
「えー、段取りを間違えました、ジャン・バルジャン役、福井晶一です(笑)」
客席の笑い声がおさまると、
「そうですね・・・僕も何か、(清水)彩花と一緒で、今日の舞台を精一杯演ることしか考えてなかったんですけど。
・・・ホントにあの、2017年『レ・ミゼラブル』ジャン・バルジャン、全ステージを今日終える事が出来て、ほっとしています。
毎日、劇場に足を運んで下さった皆さま、そして、この素晴らしいキャストの皆さま、稽古場からずっとキャストを支えて下さったスタッフの皆さま、そしてオケの皆さま・・・みなさまの応援、そして、助けがなければ、こうやって半年間、ジャン・バルジャンという役を生き抜いて来れなかったと思います。ホントに、"感謝" という言葉しか出てきません。ありがとうございました。
そしてですね、今回は、中日劇場が来年の3月に閉館ということで、東京から走ってきましたこの『レ・ミゼラブル』、最後にこの劇場でやれたことを、光栄に思っております。
ここに、こうやって立たせていただいておりますが、やっぱりあの、『レ・ミゼラブル』を支えて下さった多くの方々の思い、願い、祈り、愛があって、僕たちはこうやって舞台に立てている、と思います。
半年間、ジャン・バルジャンと向き合って来て・・・うぅん・・・感謝する・・・心・・・ですとか、あと、人を許す心、信じる心、そして、人を愛する心・・・そういうことに、改めて考えさせられ、気付かされた・・・ホントに貴重な半年間でした。
明日まだ、大千穐楽が待っております。2019年も再演が決まっておりますけれども、最後まで、この(2017年の)『レ・ミゼ』カンパニーを応援して下さい。どうも今日はありがとうございました」
本日の千穐楽メンバー。
前列左から松原エポニーヌ、二宮ファンテーヌ、
福井バルジャン、瑠奈リトル・エポニーヌ(役替りで
リトル・コゼットとしても出演)、清水コゼット、
礼王恩ガブローシュ、右斜め後ろに内藤マリウス、
相葉アンジョルラス。
後列左から若松プルベール、KENTAROテナルディエ、
鈴木マダム・テナルディエ、岸ジャベール。
特別カーテンコール終了後は、東宝よりのご挨拶、続いて、福井さんの音頭で手締め、と続き、本日の公演は無事に終了したのでした。
東宝演劇部よりご挨拶。
ご挨拶に耳を傾けるキャストたち。
ここで、本日舞台上でご挨拶していない3人から、楽日コメントです。
KENTAROさん(右)と、
こちらも本日楽日のプルベール役/若松渓太さん(中央)
写真左は、司教役の中西勝之さん。
プルベール役/若松さん
「初めてのプロでの舞台だったので、すごく緊張したりとか、解らないこともたくさんあったんですけれども・・・ホントに作品や舞台そのものを愛してらっしゃる先輩方がたくさんいらして、いつも見放さずに、すごく親切にいろいろなことを教えて下さったので・・・すごく学びになりましたし、またこれからもずっと、舞台を続けていきたいな、という風に思えました。
また、次に(カンパニーの皆さんやお客様と)お会いする時は、成長したな、と思っていただけるように、これからも頑張りたいと思います。ありがとうございました」
ガブローシュ役/礼王恩くん。
「僕は(これが)初めてのミュージカルで・・・『レ・ミゼラブル』に出演させてもらえて、すごく嬉しかったです。
皆さんから、スタッフとかキャストの方から、すごく支えられて、とても感謝しています。えっと、そうですね・・・時には厳しく、それ以上に優しくしてもらって、楽しく演じることが出来て、すごく幸せでした。ありがとうございました。
(役者さんになりたいの?と尋くと、しっかり頷いて)
次はジャベールが演りたいです」
リトル・コゼット&リトル・エポニーヌ役/瑠奈ちゃん
「リトル・コゼットを演じられて、ホントに良かったです。
コゼットは、可哀想で、でも最後はジャン・バルジャンに助けられて幸せになって・・・ホントに、この舞台に立てて良かったです。ありがとうございました」
女優さんになりたいのかな?と質問したら、「ハイ」と、ちょっと恥ずかしそうに、でもしっかりと答えてくれた瑠奈ちゃん。『レ・ミゼラブル』だったらエポニーヌがいいんだそうです。
さて明日、16日はいよいよ、2017公演、大千穐楽です。
明日もひとつひとつ丁寧に、『レ・ミゼラブル』をお届けしていければと思います。
そして、本編後は、楽日ご挨拶に、中日劇場最後の『レ・ミゼラブル』ということもプラスして、大千穐楽特別カーテンコールを実施させていただく予定です。
皆さま、最後まで、どうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m