みなさん、こんばんは。

今日、10月4日昼の部、名古屋/中日劇場公演の前半戦が終了し、9月25日の初日から出演していたプリンシパル6名、アンサンブル23名、子役3名が、2017年公演の千穐楽を迎えました。

 

というワケで、今日のブログも長いです。

休み休み、お読み下さいませ。

 

 

 

朝から方々で、

「明日から、これ、やらなくていいんだぁ・・・」

「ここ、もう来なくていいのかぁ・・・」

等々のつぶやきが聞こえてくる中、毎朝の恒例、全体発声の時間が。

発声では毎回、ヴォーカルキャプテンのマダム役/本田育代さんとダンスキャプテンのクラクスー役/土倉有貴さんから、前日公演のダメ出しが必ずあり、「気をつけましょう」「直しましょう」「心がけましょう」というだけでは不確かなコーラスなどは、キーボードの伴奏に併せて歌って確認したりもしています。

今日は、前半キャストのラスト、ということで二人から、最後の最後まで細心の注意を払っていくための指摘指がありましたが、その最後に土倉さんが、

「中日劇場は来春閉館してなくなってしまうので、心も物も忘れ物は取りに戻れません。だから忘れもののないよう、やりきりましょう」

という声かけをしたのが、とても印象的でした。

 

2017ラストステージだと気負うことなく、いつものように、きちんと作品のメッセージをお客様に伝えることを心がけよう!と幕が開いた、本日の「レ・ミゼラブル」。

最後まで36名の出演者全員の集中力が途切れることなく、プロローグからエピローグまでを歌い、演じきってくれたと思います。

 

 

そして、カーテンコールは、恒例のキャストご挨拶。

テナルディエ役/KENTAROさんが進行役となり、2017年カンパニーの結束の強さを感じさせる、親しみあふれた内容となりました。

 

 

 終演後、中日劇場さんのご挨拶に聴き入るキャストたち。

 左から知念里奈ファンテーヌ、田村雄一工場長、

 あばずれ/灰野優子さん、買入屋/般若愛実さん、

 カフェオーナーの妻/町屋美咲さん、

 宿屋の女房/瀧本瞳さん、染谷洸太レーグル、

 KENTAROテナルディエ、土倉クラクスー、

 谷口ゆうなマダム・テナルディエ、

 禾本珠彩リトルエポニーヌ、杉浦奎介フイイ

 

 

まずは、

「二十歳とは思えない貫禄というか、たまに敬語使ってしまいそうな感じがあるんですけれども(笑)」

と紹介された、コゼット役/小南満佑子さんから。

最初から涙モードの小南コゼットは、何度も何度も声を詰まらせながら、時間をかけての挨拶となりました。

 

「今日という日を迎えられたことに、そして無事にこうして千穐楽を迎えられたことに、心から感謝の気持ちでいっぱいです。・・・昨日いろいろ思い返していて、オーディションのこととか、お稽古のこととか、そして、初めてコゼットの衣裳を来た時の日とか、いろんなこと思い出して(声をが途切れ)・・・ごめんなさい(お客様からの拍手を受けて)・・・ホントにあっという間だったなっていうふうに思うんですけども、楽しいことも嬉しいこともありましたが、その反面、やっぱり辛いことも苦しいこともありまして、乗り越えなければいけない壁がたくさんありましたが、ここにいるキャストの皆さま、そしてここ以外にいる、後半組に控えていらっしゃるキャストの皆さまや、そして、中でずっと支えて下さっている多勢のスタッフの皆さま、そしてオーケストラの皆さまに、たくさん支えていただいて、ここまで来ることが出来ました。

本当にコゼットを演じることが出来て、ホントに幸せでした。たくさんのお客様に毎日ご来場いただきまして、各都市で温かいご声援をいただきました毎日、本当に幸せでした。

この舞台で経験させていただいたことを糧に、これからも精進を絶やさずに、進歩向上していけるように、頑張って参りたいと思います。本当にありがとうございました」

 

続いて、「僕、この方のマリウス好きなんですよ」とKENTAROさんがコールしたのが、マリウス役/田村良太さん。

田村マリウスは、簡潔にさわやかに、

 

「僕はですね、この作品が大好きです。作品の音楽や登場人物や物語、ここに込められたメッセージが、ホントに大好きで、自分の伝えたいことや届けたいことすべてが詰まっている気がするんですね。だからホントに、挨拶で言うことがなくてですね。

でもひとつ伝えるとすれば、と言うか、言いたいことがありまして、それはやっぱり、どうしても、感謝、になります。一緒に「レ・ミゼラブル」を創ってきたキャストの皆さん、オーケストラの皆さん、支えて下さったスタッフの皆さん、そして劇場に足を運んで下さったお客様一人一人に、ホントに心からお礼申し上げます。ありがとうございました」

 

三番目は、「僕の唯一年下の、可愛い奥さんですね」と言われ、「可愛いって久しぶりに言われたので、笑いが止まらないです(笑)」と挨拶を始めたマダム・テナルディエ役の谷口ゆうなさんでした。

 

「中日劇場で『レ・ミゼラブル』をやるのは最後だということで・・・私は2013年と2015年と、中日劇場にこの作品で出させていただいたので、何だかすごく寂しい気持ちもあるし、いろんな、見えてるものを忘れないでいたいな、と思って。今日、ロビーでアップしている時も、そこからの景色とか見て、あぁこういうことをね、こう、心のシャッターを押していくというかね、ホント忘れずにいたいな、と思っていました。

私は、いろいろなことがありまして、皆さんにご迷惑をおかけしながら本番をやらせていただきました。それでですね、今日千穐楽を迎えられてホントにありがとうございます、という気持ちでいっぱいなので・・・。

そうですね・・・(お客様に)『レ・ミゼラブル』、お楽しみにいただけましたか?(客席拍手を受け)良かった。ありがとうございます。私もすごく楽しかったです。ホントにホントに、ありがとうございました」

 

次は、何と2011年公演のオーディションの時、KENTAROさんの後に歌ったという、アンジョルラス役/上原理生さんが続くのですが、上原さんが、

「本日はご来場いただき・・・」

と挨拶を始めると、舞台上からも客席からもクスクスと笑い声が上がり、

「いつも挨拶をしようとすると笑いがおきちゃうんで困ってるんですけども(笑)」

笑いが落ち着いたところで、上原さんは、名古屋の前の公演地/大阪に入った日の朝に、大学の恩師であり、30年前の「レ・ミゼラブル」初演の際には故・岩谷時子さんと共に訳詞に関わられたこともある演出家の青井陽治さんが亡くなられた話に触れ、

「なかなか(亡くなられたという)実感がわかなかったんですけど・・・ショックでもあり、もちろん葬儀には参列出来なかったので、自分が出来る最大の弔いは何だろう、って思ったら、きっと、30年前に生まれたこの『レ・ミゼラブル』を、アンジョルラスという男を、最後まで演り遂げることだ、それが一番の餞になるんじゃないかと思って、今日まで駆け抜けて来ました。

今、こうして怪我もなく、無事にこの瞬間に立ち合えてることがホントに嬉しいです。最後までメッセージを届けることが出来たのか、ってすごく思うんですけど、アンジョルラスの最後のメッセージ、一番届けたかったのはきっと、最後の言葉、

"立つのだ、仲間よ。世界に自由を”

英語の訳は、

"ここにいない、他の者たちよ。後の世の人々よ。我々の後に続いて、立ち上がれ。世界が自由になる、その日まで"

それを必ず、21世紀の客席の皆さまにむかって届けて来ました。それが少しでも伝わっていたら、嬉しく思います。

僕は今日でお別れになりますが、公演はまだ続きます。この後に後半組のみんなが来て、今よりももっともっと盛り上げてくれることでしょう。どうか、この、30年前に多くの人たちの手によって生まれた『レ・ミゼラブル』、多くの先輩方によって演じ継がれて来た、そして、多くのお客様に愛され続けて来たこの『レ・ミゼラブル』を、どうぞ最後まで愛して下さい。そして、2年後も上演が決まりました。どうぞこれからもずっと、この作品を愛し続けていただけたら、カンパニーの一人として、とても嬉しく思います。

キャストのみんな、スタッフの皆さま、オーケストラの皆さま、ホントにホントにありがとうございました」

で、何故か最後に、

「失礼します」

と一礼して、肩を落とし、すごすごと列に戻っていく上原さん。

キャストは笑いをこらえきれず、KENTAROさんも、

「何なんだよ?!(笑)どっちなの?!」

と突っ込んで、客席も爆笑。本人も困った顔で、

「・・・間違えたな、すいません(苦笑)」

終演後に上原さんに尋ねたところ、自分でも、何故「失礼します」と言ったのかわからないらしいですが、つい口に出てしまって、「あぁ、失敗したなぁ」と思ってしょんぼりして後ろに下がったのだそうですf^^;。

 

続いて、エポニーヌ役/昆夏美さんが、「小さな身体でどこにそんなパワーがあるのか貫禄のある、道を譲ってしまうような感じに、今にもなってしまう(笑)」と言われながら登場します。

昆エポニーヌも、少し涙ぐみながらのご挨拶となりました。

 

「エポニーヌという女性は・・・誰からも愛されることはなかったかもしれませんが・・・彼女は一人の男性を心から愛し、人生を終えることの出来た・・・愛に生きた女性だと思っています。彼女を通して舞台上で幸せ、喜び、切なさ、悔しさも、いろんな感情になるんですけども、私がそのいろんな感情になれるのは、ここにいる、一緒に舞台に立っている皆さんが、誰一人気を抜くことなく、この作品のメッセージをお客様に届けたいという一心で、一人一人が役を生きているからだと日々思っていました。こんな素敵な皆さんと、そういった環境で、この大好きな作品をお届け出来て、私は毎日幸せでした。

明日から後半組が始まります。最後まで応援よろしくお願いします。

最後になりましたが、ずっと東京開幕から応援して下さった皆さま、本当にありがとうございました。皆さまの声援が力になっていました。本当にありがとうございます」

 

ここで、バルジャンの挨拶を前に、アンサンブル23名と子役3名も千穐楽を迎えていることが紹介され、アンサンブルがプリンシパルと入れ替わって前列に居並ぶと、代表して工場長/田村雄一さんが挨拶に立ちました。

 

 上演中に、仕度スペースで。

 左から田村工場長、杉浦フイイ、溝渕俊介バマタボア

 

 

「稽古から数えると、非常に長い長い旅路だったと思います。みんなそれぞれに、辛い思い、苦しい時、いっぱいありました。この作品、出演していると非常に辛い作品です。そう簡単には出来ない作品ですので、みんな、本当に頑張ってここまでやってきたと思います。

我々、一足先に散り散りバラバラとなってしまいますが、16日まで、想いは『レ・ミゼラブル』に向けておりますので、どうか応援よろしくお願い致します」

田村さんは、ダブルキャストの休演により大阪・名古屋と一人で頑張って演じ続けている病気の娼婦役/石田佳名子さんをねぎらい励ます言葉を述べた後、珍しく涙ぐみ、言葉につまってふかい嘆息を吐き出します。

「はぁぁ・・・寂しいね・・・(気を取り直し)本当に・・・ありがとうございました」

 

 

 ヤン・バルジャンと司教/増原英也さん、

 開演前のツーショット。

 

 

そして、ジャン・バルジャン役/ヤン・ジュンモさんのご挨拶、となるのですが、ここで進行のKENTAROさんからショウゲキの告白が f^^;。

なんと昨夜遅く、一人で飲んでいたところ、

「このまま、この人とお別れしちゃっていいのかな。嫌だな、このまんま別れるのは」

と悶々とし、荷造りやらあるだろうと思いながらもジュンモさんに連絡して、二人で乾杯し、今日の公演に臨んだんだそうです。

 

「言葉の壁を越えて、日本人の僕たちにいろんなことを教えてくれた、それがホントにありがたいな、と。俳優人生として、こんなに良い機会はホントに得られないなって思いました。いつも愛に溢れている、ジャン・バルジャン役、ヤン・ジュンモ」

との紹介で、いつも、カーテンコールや開演前の円陣で話すことを書き留めているノートを手に進み出たジュンモさんは、まず、

「1時まで(笑)」

とKENTAROさんの告白にオチを付けて、若干湿っぽいモードに入っていた場内を、優しい笑いに包みます。そして

「このノートで挨拶、最後ですね。日本語が変だったらすみません」

と断ったあと、なめらかな日本語で、

「2014年に私が初めて日本に『レ・ミゼラブル』を演じに行くと言った時、韓国の俳優と関係者、仲間たちは、"何故、今日本に行って、外国語である日本語で大変な思いをするのか?韓国でも作品がたくさんあるのに" と言いました。でも私は、こう答えました。"まだ私は、自分に満足したくないから行くのだ" と。俳優は死ぬまで学んでいく人間だと、私は思います。だから私は、少しでも良い俳優になるため、自分をもう一度試し、訓練しました。日本の『レ・ミゼラブル』を準備しながら、そして今まで舞台に立ちながら、もちろん大変なこともたくさんありましたが、『レ・ミゼラブル』を演じながらたった1回の後悔もなく、今日まで幸せに演じることが出来ました。

これから私はソウルに帰ります。そして、まだ足りないかもしれませんが、私は、日本と韓国の文化の外交官だと思いながら、舞台に立っていきます。

私が日本の舞台で演じることが出来たキッカケは、とても素敵な俳優たち、素晴らしいスキルのスタッフとオーケストラ、私の家族の応援と・・・今、僕のワイフが劇場に居る、です(笑)。고마워요 (コマウォヨ:ありがとう)。今から僕の赤ちゃん見る、が、出来るですね(ここで、子煩悩なジュンモさんらしい、久々にお子さんと会える喜びのガッツポーズが。そして客席からの拍手を受けて)・・・と、観客の皆さんの愛があったからでした。決して忘れません。

(挨拶が変か気にして)大丈夫ですか?

作品の最後にあった、愛することは神様のお側にいることだ、というメッセージが希望となり、これからの皆さんの人生を明るく照らしますよう、願っています。辛い時、悲しい時、神様の大きな愛が込められているこの作品を、どうか忘れないで下さい。

정말 정말 감사합니다(チョンマル チョンマル カムサハムニダ:本当に本当にありがとうございました)。

ありがとうございました」

 

最後に進行役として、明日5日から後半組が登場し、名古屋公演は16日まで続きます、と締めの挨拶をしたKENTAROさんは、

「失礼します」

と、先ほどの上原アンジョルラスの真似をして、客席を沸かせ、特別カーテンコールは終了したのでした。

 

終了後は、主催/中日劇場の局長さんからご挨拶をいただき、ジュンモさんの音頭で三本締め。

前半組の千穐楽公演は、無事に終了致しました。

 

 

終演後の集合写真。

前列左から、増原司教、染谷レーグル、カフェオーナーの妻/町屋さん、山崎一郎ブリジョン、宿屋の女房/瀧本さん、土倉クラクスー、珠彩リトルエポニーヌ、ヤン・バルジャン、鈴木陽菜リトルコゼット、田村マリウス、昆エポニーヌ、島田裕仁ガブローシュ、上原アンジョルラス、菊地まさはるグランテール。

2列目左から知念ファンテーヌ、かつら屋/和田清香さん、あばずれ/灰野さん、病気の娼婦/石田さん、買入屋/般若さん、溝渕バマタボア、杉浦フイイ、田川景一モンパルナス、町田慎之介バベ、小南コゼット、今井学クールフェラック、鳩/五十嵐志保美さん、篠田裕介ジョリ、若い娼婦/松本ほなみさん、谷口マダムテナルディエ。

3列目左から田村工場長、大田翔コンブフェール、KENTAROテナルディエ、森加織ファクトリーガール、本田マダム、安部三博プルベール、岸祐二ジャベール。

 

 

明日5日より、後半組が登場します。

後半も、よろしくお願い致しますm(_ _)m

 

後半初日前に、前半千穐楽コメント〜アンサンブル編、お届け・・・出来れば・・・。頑張ります f^^;