みなさん、こんばんは。

本日は、ようやくやって来た今期初の休館日。

キャストもスタッフも、それぞれの方法で英気を養ったことと思います。

 

先日お知らせしていたように、今朝のフジテレビ「めざましテレビ」では、7:30頃からの「The 軽部真一」コーナーで、「レ・ミゼラブル」30周年の特集がオンエアされました。

 

もともと、早い時期から撮影のご相談を受けてはいたのですが、稽古場の最終通しから舞台稽古へと、限られた時間と闘いながら、初日に向けより良い作品づくりを目指すカンパニーに、なかなか取材を受ける余裕が生まれなかったため、「めざましテレビ」さんには、プレビュー初日後の、修正稽古前の時間を使って、オンエア間際での取材を敢行していただいたのです。

 

 

プレビュー最終日の24日、午前中の早い時間からスタートした撮影は、まず、初代コゼットの斉藤由貴さんと現コゼットの生田絵梨花さん、軽部さんの鼎談から、でした。

 

斉藤さんからは、

「私、一度(オーディションに)落ちたんです」

というビックリな事実や、稽古開始前にロンドンに行き、コゼットという役がとても難しいと感じたことなど、貴重な当時のお話が語られましたが、特に印象的だったのは(これはオンエアではカットされていましたが)、

「(コゼットのように)象徴的な役は、素敵だなぁって憧れてもらえても、エポニーヌやファンテーヌのように共感してもらいにくいので、どうしても印象に残りにくい。

私たちの仕事は、評価してもらって成立するところが大きいんだけれど、コゼットは印象に残らない分、評価につながりにくい。そういう役を演ることで、いろんな作品の中で、例えば汚れ役だったり怖い役だったり、どんな役でも、評価されることが大事なのではなくて、その作品の中でどんな役割を求められていて、自分がその役割をどう果たせているのかが大切なんだ、と気付かせてもらった、学ばせてもらった作品です」

という深い言葉でした。

 

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、バルジャン、ジャベール以外のすべての出演者(子役も含む)が、複数の役を演じるのが「レ・ミゼラブル」の特徴のひとつで、斉藤さんや生田さんらコゼットも例外ではありません。コゼットとしての場面の前に、いくつかの役柄で登場しています。

生田さんは、

「すごい人たちばっかりなので、日々発見。アンサンブルで6場面くらい出てるけど、すごい楽しい。民衆の一人として、「レ・ミゼラブル」の民衆の一人になっているんだ、っていう感じがすごくするので、農場の農婦、工場労働者、民衆といったアンサンブルパートを演じた後、扮装をがらっと変えてコゼットとして出なくてはならず、1幕は結構忙しくしています」

ちなみに、生田さん、このアンサンブル部分が、

「レ・ミゼラブルの民衆の一人になっているんだ、っていう感じがすごくするので、とても楽しいんです」

とのこと。

で、コゼット、2幕になると、打って変わって後半まで出番がない・・・ということで、生田さんが、

「(2幕はみんなバリケードで必死に戦っているのに)私だけ、楽屋でのんびりしてていいのかなって。どう過ごしていいかわからないんです。(斉藤さんは)どうされてましたか?」

この質問に、斉藤さんからは、

「私も楽屋では、ぼーっとしてた(笑)。で、早めに(舞台)袖に行って準備をするんだけれど、出番を待っている間におしゃべりしてしまうことがあって、一度それで、出番なのに気付かなくて、"由貴さん、出番です!" って。慌てて、マリウスの(野口)五郎さんに引っ張られて出たことがありました。後で、五郎さんの楽屋に行って、こう(と手をつく仕草をして)土下座して "申し訳ありませんでした" って(笑)」

という今だから、なエピソードも。

 


華やかな鼎談が終了すると、今度は、劇場内の稽古場で、音楽監督/山口Billyさんによる生田コゼットの歌稽古の模様の撮影でした。

当初20〜30分の予定だった稽古ですが、ちょうどプレビューを2回終えた生田さんが、翌日に本初日を控えていることもあり、

撮影中は、カメラの存在がないかのような、小一時間のがっつりとしたダメ出し、歌修正、の充実した稽古が行われたのでした。

 

 

午後には、初演でバルジャン&ジャベール役を務めた鹿賀丈史さんと軽部さんの対談が行われました。

当時、30代でバルジャンとジャベールの二役を、滝田栄さんと交互で演じていた鹿賀さんは、二役で混乱しませんでしたか?という軽部さんの質問に、

「(二役は)衣裳やかつらをつけて出て行くと(気持ちの切り替えという意味では)すっとその人物になれるので問題なかったが、体力的にきつかった。若かったから出来た」

と当時を振り返ってコメントされる場面もありました。

どちらもいい役だけれど、信念と執念でバルジャンを追い続けて、最後にバルジャンの人間性の前にセーヌに身を投げてしまう、そういう、葛藤するジャベールが、どちらかと言えば好き、という鹿賀さん。

30周年記念スペシャルウィークの特別カーテンコールに参加が決定していますので、またいろいろと、貴重なお話をうかがえるかもしれませんね。

 

 

翌25日の本初日では、軽部さんご自身も観劇して下さり、ロビーでお客様インタビュー、その後、ファンテーヌ/知念里奈さん、マダム・テナルディエ/森公美子さんのコメントを撮影を経て、本日のオンエア、となったのですが、「レ・ミゼラブル」をご存知の方も、ご存知ではない方も、広くご覧いただけたのであれば嬉しいです。

 

 

さて明日からは、アンサンブルのシャッフル出演が開始、です。

舞台稽古から本初日近辺まで、固定メンバーにすることで芝居や歌を整えやすくしていたわけですが、いよいよ、日ごと、公演ごとに様々なキャストの組合せがスタートします。

1名でもキャストが違えば、カンパニー全体に生まれて来る息遣いも違ってくるもの。プリンシパルの組合せに加え、アンサンブルがいろいろと入れ替わることによって、各場面での芝居の呼吸や熱量は、その日その回ならではの化学変化を起こすはずです。

さあ、どんな変化と深化が生まれるか、楽しみです。