みなさん、こんばんは。
今日は、昨日のダメ出しを受けての修正確認に始まって公演準備、そしてゲネプロ2組目、という流れで進みました。
プレビュー開幕前日とあってか、キャスト・スタッフのテンションもいや増してのゲネプロでしたが、終了後には早速、演出家ジェームズ・パウエルを中心に、舞台上でいくつかの場面の手直しが。
舞台稽古期間中の帝劇1階客席。
スタッフ用のテーブルがいくつも並び、機材が広がっている
光景は、この期間ならでは、です。
カートクラッシュ(1幕、市長となったバルジャンが、暴走する馬車の下敷きになった男を助ける場面)やカルーセル(2幕、バリケードが落ちた後、街の女たちが学生の死を悼む場面)の動きが、照明や音響効果などと合わせて調整されたり、ミュージカル・スーパーバイザーのアルフォンソがオーケストラとテナルディエら強盗団メンバーに対して、場面にさらに切迫感を持たせたいと、何度か1幕終盤のバルジャン邸襲撃場面の音楽&歌確認を行ったり。予定時間をかなりオーバーしての修正が行われたのでした。
カートクラッシュの修正稽古のひとコマ。
キャストは稽古着に着替えてスタンバイ、です。
音楽スタートを待つ岸祐二ジャベール(写真中央)、
上手(右手)側に吉原光夫バルジャンら、出演者たち
照明、音響、オーケストラが入って場面スタート
強盗団の音楽確認。右端がアルフォンソ。
舞台上は左から町田慎之介バベ、石飛幸治クラクスー、
KENTAROテナルディエ、松村曜生ブリジョン、
大津裕哉モンパルナス
上手側のキャストは土倉有貴モンパルナス(右側)と
山崎一郎ブリジョン
その後は稽古場に場を移して、さらなるノート(=ダメ出し)の時間が設けられ、今日もひとつひとつ、改善点をクリアにしていく作業が続きました。
スタッフワークの方も、音響や照明、衣裳などなど、修正や調整がもちろん発生してはいますが、新バージョンも早3演目であり、また、同じキャメロン社の「ミス・サイゴン」と日英とも共通のスタッフが多いこともあって信頼関係は深まっているので、全体にとても良い雰囲気の中で日々の作業を行えているのは、作品を裏から支えて行く上で、大きなプラス要因になっています。
演出をはじめ、様々な変更がほどこされた "2017版" レ・ミゼラブル、明日は最後のゲネプロ、そして夜にはついに、お客様をお迎えしてのプレビュー公演初日を迎えます!
いよいよですっ!
[本日のおまけ]
1幕冒頭、ガレー船の漕ぎ手として使役されている囚人たちの胸には、"GAL"という文字の入ったユリの紋章の焼き印があるのをご存知でしょうか?
これは、フランスの象徴であるフルール・ド・リス(ユリの花)に、ガレー船の漕役刑に服する囚人、を意味するフランス語の「galerien」の頭3文字を組み合わせたもの、なのですが、この "焼き印" を作るために必須なのが、「GAL(ギャル)マーク用のシート」。
毎年、演出部スタッフが、クリアファイルなどに使われているポリプロピレンのシートを囚人役の人数分だけ1枚1枚、指定の紋章と文字の形にくり抜いて作っています。
キャストは、演出部スタッフ手作りのシートを胸にあてることで、英国から厳密に色指定されたメイク用品を使って、手早く、胸に焼き印のある囚人、に成ることが出来る、というわけなのです。