武道・武術には、見えない動きがたくさんあります。



それは当然です。



見せないようにしているからです。



言葉で書くと、すごく簡単に思えるんですが、実際にそれを実現させようとすると、



並大抵の努力ではどうにかなるものではありません。



なぜなら、相手は必ずしも同じ相手ではないですし、



何人いるかすらもわかりません。



究極をいえば、どんな武器(ナイフ、拳銃、バズーカ、核爆弾(笑))をもっているかすらわかりません。



そんな相手に対して、自分の動きを知られてしまった瞬間、一瞬でやられてしまいます。



だからこそ、武道・武術の達人の動きは、目では見えない動きにする必要があるのです。



それを、無理やり目で見ようとは思っては、習得するのは無理です。



目で追ってしまった瞬間、見えている世界だけで頭は理解しようとします。



しかし、初めての出来事とや観たことのない出来事の場合、頭は混乱を起こします。



手品(特にカードマジック)で、あれだけ観客の目の前でやっているのに、みんな騙されるのは、



なぜでしょうか。



それは、マジシャンの目に見える動きや巧みな言葉遣いによって、見ている側の意識は誘導され、



知らない間に技にかかってしまっているのです。



逆に、マジシャンは様々な手を使って、自分の技が見抜かれないように必死で練習します。



これはマジシャンの人に聞いた話ではありますが、同業者同士で技を見せ合い、動きのチェックを



欠かさずやっているとのことでした。




まさに、武道・武術の達人がやっているのは、そこなのです。



人に見せておきながら、実は見えないように見せているのです。



だから、動きの順番や、動きの形だけを覚えても、何にもなりません。



その形の練習がうまくなるだけです。



そうではありません。



その時の心理状態だったり、体重移動だったり、どの時点で相手の動きを読んでいるか、



という視点で感じなければ、武道・武術の練習だけではなく、身体操作を使ったもの全般で、



身につくことはありません。



空手でいえば、形はうまいのだが、うまいだけで、それを実践(もしくは組手)に応用出来ていないのと、



同じ状態なのです。



日野晃氏が見せてくれた数々の技も、その限られた状況の中で、ごく自然に簡単そうにやるのです。



見た側は、簡単そうにやるからこそ、簡単に出来ると思い込み、見た目だけの動きを真似しようとします。



それでは一生経ってもうまくもなりませんし、日野晃氏が伝えたかったことを体現することなど出来ません。



だから、日野晃氏の技を一通り見て、実際にやろうとした時に、見た目だけの判断でやろうとしてる自分に



気がつきました。



それによって、身体に力みが生じ、結果としてその動きはできないままとなりました。



しかし、途中から、なぜ出来ないのか、という理由がわかり(わかったから出来るようになるわけではない)、



これは自分自身で解決しいく以外に方法は無いな、という課題が見え、日野晃氏にそれを伝え、



しばらく教室に通うのを控えました。



なぜなら、自分の課題はまだクリアになっておらず、自分自身が納得のいく動きを体現できても、



それは目に見える動きであり、見る人がみれば、すぐにばれてしまうものだからです。



そんなものは、何の意味もありません。。



出来た瞬間は喜びも浮かびましたが、それが出来たから、それでは日野晃氏と同じかといえば、



そうではありません。



日野晃氏は、われわれが分かりやすいように若干の「わざと」を加えて見せていることにまた気付きました。



そこが二つ目の課題です。



つまり、こういうことです。


1.動きの原理が分かる


とにもかくにも、これがわからなければ、始まりません



2.自分でそれを体現することができる


原理を知っても、自分でできなければ、只の評論家です。


※なので、私はまだまだ評論家の域を出てすらいません(笑)



3.その動き自体の特徴を消せる


これは、動き出しだったり、気配だったり、といったものや、動き方的な部分が目に見えないようになることで、


よく言われる、「身体の内側で爆発させる」「身体の中から力を伝える」ということを指します。



4.相手を誘導することが出来る


目に見える動きだけだったら、相手は誘導したくても、うごいてくれません(笑)


そうではないからこそ、気配が消え、緊張が消えることで、相手は自然と動かされる(誘導される)


ということです。これは、実に難しい!!!


この時点では、相手にとっては、自分の存在は無いように見えるほどになります。




最低でも、上達していく上で、この4つの段階があり、その段階を課題として捉え、次の段階に進みます。



なので、自分がどの段階にいるかを明確に課題意識していないと、どんなセミナーに通っても



何にも意味がありません。



では、どうすれば達人のようになれるのでしょうか。



もしくは、課題がもてるのでしょうか。



それにはまず、目で見たことをとにかく、身体の感覚がどう感じてやっているか、という点だけに



絞って、練習をするのです。



もちろん、基本原理を頭で理解することは重要ですが、理解した瞬間から、身体の感覚に



任せて動かす練習をします。



よくある、無意識のときにラッキーパンチで勝てたボクサーのパンチのような動きを目指します。



その為には、とにかく何百回、何千回、何万回と身体に覚えさせるところからはじめてください。



最初はとにかく、身体の1つ1つの部位の感覚を感じ取るような感じで練習します。



まるで、波のようなイメージです。



身体の足元から、手の指先まで、順番に波が来るようなイメージを、柔らかいイメージを持って、



練習をします。



とにかく、この練習だけは、毎日続けます。



ダンサーのやる練習も、とても参考になります。



アイソレーションという形でやっているもので、各部位ごとに動かす練習をするのです。



各部位ごと、ということは、他の部位が動いてはダメです。



動かすのは、あくまでその部位のみです。



これがまた難しい!!!!



しかし、これをやることは、実は武術では技ばかりが強調されますが、そればかりをするよりも、



実は、身体操作の基本的な動きを「自分の身体を自分の自由にコントロールする」やってるわけですから、



いい練習になります。



特に、練習相手がいない人は、ダンスの練習方法(アイソレーションが含まれているもの)などのDVDを



見るなどして、練習をすることをお勧めします。



まずは身体を動かすこと、そして、身体を自分の思い通りに動かすこと、そして、原理を知ること。



これらが合わさって、初めて出来た、という段階にたどりつきます。



私もこういっておきながら、まだまだ出来てない自分がもどかしいですが、



それをやっている時はとにかく楽しいです。



出来ないことを出来るようになり、さらに出来ないことが増えていく感覚は、日野晃氏に出会ったからこそ、



だと思っています。



みなさんも、一緒にやっていきましょう。