型は空手だけでも、様々な流派があり、その流派ごとに10~20くらいはあります。




もちろん、型の動きだけを覚えるのでしたら、最近はDVDなどが売ってますので、それを購入してみれば覚えられると思います。




でも、ここで型の試合などに出たことがある人、もしくは見たことがある人は、ふと疑問を抱きます。




「空手の型って、流派ごとにあるのはわかる。でも、同じ流派なのになぜ動きが違うんだろう?」




と。




これには、いろんな理由があります。




1つは、型はやる人のレベル(技術、理解度、解釈など)によって、見え方が違います。




見え方が違う、というのは、もちろん見た目のことです。




例えば、




手をグーにして打つのか?




それとも手をパーにして打つのか?




といったところや、引き手を引くタイミングなどは、まさに人それぞれです。




その人のレベルによって型の解釈が変わってしまうから、結果的に同じ型でも、動きが変わってきてしまうのです。




型を覚える流れから、その理由を見ていきましょう。




<型を覚える流れ>


1.まずは、型(見本)の流れ、動きを覚える


2.型(見本)の流れ、動きを覚えたら、それがスムーズに出来るようにする


3.動きがスムーズに出来るようになったら、技として型を分解する


4.分解した型それぞれの技を自分なりの解釈で使えるようにする


5.自分なりの解釈を加えた上で、型を再構築する




基本的には型を覚えるのはこのような流れで覚えるのですが、ここに必ず大きな補正値が加わります。




それは、




「その型をやっている時点のレベルでの自分なりの癖」




です。




この「その時点でのレベルでの自分なりの癖」が、まさに曲者です(笑)




この癖は、本人から見たら癖ですから、まったく何がどうなっているかなんて気がつきません。




でも、師匠とかの前で型をやれば、師匠からダメだしされるとおもいます。




「お前は、動くときにどうしても右手が使えてないな」




「突きを出すときに肘が先に開いてしまってるよ」




などなど。




これが師匠に言われた時点できちんと直れば、補正値として加わることは少なくなりますが、それは中々難しいことです。




実際には、師匠に言われたとしても、




「そんなことはわかってるよ。わかってたら、とっくに直してるよ」




とか言いながら、結局癖は、癖のまま直さず進んでしまっているはずです。






つまり、どんなに優れた師匠の下で型を習ったとしても、自分自身の癖に気がつかなければ、一生その癖を持ったままやり続けることになります。




もう1つは、まだ型の全てを自分のものとしきれていない状態で指導員になったり、道場で教える立場になってしまった場合です。




これは非常に多いケースです。




この場合、型は全く違った解釈と、その人自身のレベルでの癖が加わった動きとなる為、本来の動きと全く異なり、下手をすれば何をしているか全く想像がつかない型になったりします。




「なぜここで突きを出す必要があるのか?」




それを考えてみても、そこに答えはありません。




なぜなら、その人自身が気づいていない癖が解釈として加わったまま、もはや新しい型(名前だけは原型と一緒)になってしまっているからです(笑)




それだけこういったことが多いのには、やはり、型を覚える、型を使いこなせるだけの技術習得がそれだけ難しいということです。




なぜ難しいのかといえば、身体で覚える、身体で感覚するしか出来ず、そして、本当に自分なりに自分の癖を理解し、そしてそれを型に当てはめて型を使えるようになる稽古体系が中々無いからなのです。




やはり、感覚的な世界ということもあり、それを言葉にしていくのは難しいです。




もしやるとすれば、とにかく基本的な型(サンチンなど)を繰り返しやりながら、




その動きで約束組手(力任せに受けをとるやり方ではなく、




相手に触れる程度のやわらかい動きでやる)を通して、サンチンの動きがどのように使えるかを、




何度も検証していくしかありません。




もちろん、自分の癖を加ないように、常に自分の癖を直しながらやるようにしてください。