晴
寒暖計五十一度（注・イコール摂氏10.6度）
為楽庵歳暮茶会記［東都茶会記］を認む。
下條正雄氏来宅す。新宅開き茶会の際、広間の掛物は松花堂筆普化禅師と啓書紀筆山水と優劣如何と尋ねたるに、氏は啓書記の方に左袒せり。
時事新報の古橋種臣写真師を伴ふて来宅、広間及び白紙庵庭前を撮影す、広間の写真は時事新報の諸家新年飾りの部に掲載の筈なりとぞ。
中村歌右衛門夫婦児太郎を同伴して来宅、新宅を一覧の上今度代々木に新築せんとする新宅図案を示し、一度実地を検分して一切の指図を乞ひたき旨依頼あり、来る六日代々木宅を見舞ふべしと約束せり。
杉山蕃家族を引き纏めて水戸まで来りたる由にて来宅せり。猶ほ今一度越後に赴き辞職の辞令を受取りて二十日頃出京の由。【注・杉山蕃は大正２年３月29日に前出、箒文社】
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