晴 寒暖計四十七度(注・=摂氏8.3度)

 

[為楽庵歳暮茶会]

 正午御殿山益田氏の新席為楽庵の歳暮茶会に出席す、来客は朝吹英二、三井八郎次郎、野崎広太、山澄力蔵、古筆了仲と余の六客なりしが、新席にて殊に歳暮の茶会なれば様々の趣向ありて面白かりき。茶会終りて後同氏の新案にて新築したる無性庵と云へる西洋館を一覧せしが、一室の中に寝台も食卓も机も用箪笥も備へ置きて総て一室にて事を弁ずるの趣向なり、夫人と主人との二間の外に湯殿、便所等の付属あるのみ、無性なる老人に適当の構造なれば無性庵と名けたる由。

 

 夫れより主人と自働車に同乗、【築地】明石町別宅に赴き夜分帰宅す。

 

 

 

 

 

 

 

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