最初に言っておきます。「誰も彼もが繁殖をしなさい」と言っている訳ではありません。繁殖は計画的に行わないと飼育崩壊を招く事に繋がる可能性もある事を承知ください。
いろいろな爬虫類で繁殖実績の話を聞くようになりました。爬虫・両生類情報誌クリーパーには、「いのちを紡ぐ」と題して、毎回数々の繁殖レポートが掲載されています。(たぶん、実際には、その何倍もの繁殖事例があるのではないかと思います)
また、SNSにも、産卵や孵化の記事が掲載され、数多くの方々が、育成から産卵・繁殖に繋げている姿を見る事ができます。(SNSをしていない人も多いので、繁殖事例は本当に多いのかもしれません)
私も含めTVゲーム世代の方々にとっては、ゲーム中に不都合があれば簡単にリセットできる事に慣れています。が、生き物はそうはいきません。生き物に不都合があれば、それは死に繋がり二度と同じ個体は入手できません。
とは言え、どんなに注意して毎日の観察を怠らなかったとしても、不幸な事は起こります。また生き物には寿命がありますので、いづれは天寿を全うして亡くなります。
一昔前は、輸入された状態も良くなく、飼育の知見も不足していて、爬虫類飼育=消費とされていました。多少長生きさせる事ができたとしても消費的な飼育に替わりはないのかもしれません。
「いのちを紡ぐ」って言うほど大層に考えることはないですが、自分が好きな生き物を飼育するなら、ぜひ、「繁殖」を視野に入れて欲しいと思います。
100年後の子供達が「昔、亀って生き物がいたって言うけど、どんな生き物なの?」こんな事を言わせてはいけないと思います。亀に限らず野生生物は絶滅の危惧されている種が多いです。消費的な飼育から「いのちを紡ぐ」飼育へと変えていけたらと思います。
みなさんいかがですか?「自分だけが頑張っても意味ないじゃん」でなく、「まず自分がやってみよう」って前向きに捉えて欲しいです。
ミズガメの卵は、孵化直前に汗をかきます。
裂けるように卵を切って出てきます。
顔をだしました。
一度出たけど、やっぱり卵の殻に戻ってしまう事も。
卵から孵った直後はヨークサック(卵黄)が残っています。
数日で吸収されます。
飼育者全てが繁殖を目指そうとは思っていませんが、自分の感動、お子様の情操教育も考え、繁殖という飼育方法も考えてみて欲しいと思います。