皆さん、おはこんです(*゚▽゚)ノ

前回の黒手塚特集は「奇子」(あやこ)でした。

SATOEMAブログに「私も読みました」「興味を持ちました」というコメントをいただけて嬉しかったです。

ありがとうございます!(´▽`)


サトサトには絵馬イラストを色塗りして

素晴らしい共同作品を創って貰いました♪

サトサトありがとう!!\(^o^)/


★【SATOEMA共同作品】奇子

(原画・絵馬&色塗り加工・櫻井智琉さん)

「物語が濃いので薄く塗ってみました」(櫻井智琉さん談)

淡い着物と木造の蔵の床組の色が、柔らかい雰囲気ですね。

対照的にタイトルや奇子の瞳、帯、シャツなどの輪郭の色は血を連想させる暗い朱色です。

カラーだからこそ表現出来る奥行きある世界です。

(*´ω`*)


そして♪

★サトサトバージョン(再掲載)

成長した奇子

幼子の無垢な心のまま、ひとりぼっちで成長した奇子。

全身から人恋しさをにじませています…。

どこかお人形さんのような空虚さは、

大人達の強欲な罪深さが生み出したものなのです。


サトサトが描くとほっそり美少女ですね(*^^*)

☆☆☆


続いて今回も

<黒手塚>の特集です。٩(ˊᗜˋ*)و


絵馬ブログでは表紙だけご紹介していた

「きりひと賛歌」というマンガです。


⚠️以下に「きりひと賛歌」のネタバレがあります⚠️




★「きりひと賛歌」上下巻(絵馬所有コミックス)

表紙を見てお分かりのとおり、

主人公のきりひとは異形の風貌をしています。




★《「きりひと賛歌」あらすじ》

日本医学界の権威・竜ヶ浦教授を頂点とする医師達がひしめくM大医学部附属病院。

その中に若き医師・小山内桐人(おさないきりひと=主人公)、そして幼なじみの占部(うらべ)がいました。


隔離病棟には原因不明の奇病「モンモウ病」の男性患者が入院していました。

骨が変形して、顔や耳が犬のような様相になり、体毛が全身を覆います。

発症から1ヶ月程で亡くなるという恐ろしい病でした。


竜ヶ浦はビールス(ウィルス)説を打ち出しますが、特定出来る病原菌は発見されません。

風土病の可能性を訴える桐人に、モンモウ病が多発している山奥の犬神沢村への調査を勧めます。


桐人は婚約者の吉永いずみに1ヶ月で戻ると告げ、

単身で村に向かいます。

犬神沢村はよそ者を排斥する猟奇的とも言える古めかしい村でした。


桐人は突然村人達に命を狙われます。

そこで村娘・たづに助けられます。

「村から出ようとすると殺される、

夫婦になるしか生き残るみちはない」

とたづに言われ、二人は夫婦になります^^;


ほどなく桐人もモンモウ病を発症します。

桐人は村の湧き水が原因ではないかと特定し、

飲まないようにすると病の進行が止まりました。


そして村の医療の為に保健所に行くことにした桐人とたづは村から出かけます。

途中でたづは暴漢に襲われ命を落とします。


失意の桐人は突然何者かに拉致され

台湾の大金持ち・万の屋敷に連れて行かれます。

万の歪んだ退廃的な遊びの中で犬扱いされ、

逆らってリンチを受けます。


傷だらけの桐人は万の屋敷の女芸人・麗花に助けられて脱出します。

逃避行の途中、突然麗花が桐人に肉体関係を迫りますが、それは精神の病からくるもので、桐人は優しく退けます。

そこに現れた地元の高砂族から

桐人の風貌を「悪魔」と忌み嫌われ、

捕らわれてしまいます。


その頃、占部は竜ヶ浦の代理でアフリカの感染症学会に参加していました。

アフリカにもモンモウ病に酷似した病気があると知り、ある修道院の修道女のヘレンという白人女性に出会います。


修道院長はヘレンの病を知り「安楽死だ」とヘレンを銃で撃ちます。

本音は「修道院の名誉のためと白人にあってはならない病だ」という浅ましく身勝手なものでした。

目撃した占部も撃たれてしまいます。


二人は黒人居住区の医師に助けられます。

回復した占部はヘレンを連れて日本に帰国します。

本当は竜ヶ浦の学会発表の舞台にヘレンを連れ出すためでした。


占部はヘレンに思いを寄せるフリをしながら、

竜ヶ浦と懇意の権力者・吉永医師の娘であるいずみと婚約しようとします。

いずみには桐人を探すため、と嘘をついて婚約旅行をしようと言って信じ込ませます。


実は桐人が犬神沢村に行く前、占部はいずみを陵辱していました。

普通ならそんな相手に近寄らないはずですが、

占部が唯一の桐人を探す糸口…。

それでも我慢出来なくて、いずみは自殺未遂をおこしてしまいます。


占部はヘレンに欲望のはけ口を求めます。

占部の偽りの愛の言葉を半分は疑いながらも信じてしまうヘレン。


一方、高砂族に捕らえられた桐人は

重病人が出たと聞き、地元の医師に協力して手術をします。

せっかく手術が成功したにも関わらず、

桐人の風貌を恐れ、命を奪おうとする若者達。

静止した病人はそのまま息を引き取ってしまいます。


「自分がこんな姿でなければ」

深い悔しさと悲しみにくれる桐人。


桐人を理解してくれた医師の手引きにより、

村を脱出しオランダ行きの貨物機に乗ることが出来た桐人と麗花。

ですが中東経由の飛行機はそのままシリアの砂漠に着陸します。

同乗した日本人が、桐人をスパイと勘違いしてゲリラに引き渡そうとしたのです。


非礼を詫びるゲリラからジープを渡されたのもつかの間、空から銃撃されてジープは破壊され、

桐人と麗花は日本人と共に歩いて町を目指すことになります。


その途中で銃撃で亡くなった女性の亡骸に出会います。

臨月の妊婦だった女性は撃たれたショックで出産していました。

へその緒がついたままの赤ちゃんは瀕死の状態でした。


「どうせ飢えて死ぬなら安楽死を」

桐人は赤ちゃんの首を絞めようとして

麗花に止められます。

赤ちゃんは夜露を舐めて何とか必死に生きていたのです…。

「こんなにしてまで生きようとしている」

ハッとした桐人も何とか赤ちゃんを生かそうとします。


残念なことに赤ちゃんは間もなく麗花の腕の中で息を引き取ってしまいます。

桐人は赤ちゃんを抱き寄せ、照りつける太陽に向かって絶叫します。

「俺は…手も足も出なかった…

この子が死んでゆくのを何にもしてやれなかった。

これでも医者かい…」

「これでも医者だってのか俺は」


ようやくたどり着いた町で麗花は赤ちゃんを埋葬してあげます。

無一文の桐人達に町の人達は冷淡でした。


麗花は町の祭りのタイミングで自分が「人間天ぷら」という持ち技を使いお金を稼ごうとします。

ところが道具が壊れて麗花は丸焦げになり命を落としてしまいます。

取りすがって号泣する桐人…。


舞台はまた日本に移ります。

占部は精神に異常をきたし、竜ヶ浦から見限られました。当然いずみとの婚約もなかったことになりました。

切羽詰まった占部はヘレンを連れて東北にある大学病院に向かいます。

そこにも竜ヶ浦からの情報は伝わっていて、

ヘレンを病院に置いて占部は海岸に向かいます。

いきなり道路でトラックの前に立ち塞がって事故死してしまいします。


ショックを受けるヘレン。

竜ヶ浦が迎えによこした医師達との帰路で通りかかった炭鉱の街に降り立ちます。

鉱山病で異形になる人々を見て、

自分はここで人々と共に生きる、と決めるのでした。


中東にいる桐人は麗花を失ってから、貧しい村に残って医師として貧しい人々を診る日々を送っていました。

「犬の先生」と呼ばれ、信頼されていました。


ある日雑誌で竜ヶ浦が桐人をモンモウ病であると書いた記事を読みます。

犬神沢村から台湾…全てに竜ヶ浦が絡んで桐人を陥れていたことを知ったのでした。

金持ちの万大人もモンモウ病で亡くなったのです。


桐人は日本に帰国することにしました。

シリアの村の人々は、桐人の帰国になけなしのお金を工面してくれました。

そこまで人々との深い繋がりが出来ていたのです。

桐人は必ず帰ってくると約束して日本に向かいます。


桐人がまず向かったのは犬神沢村。

そこで桐人の妻たづを殺した犯人と偶然出会い、

復讐をしようとします。

お寺の鐘の音に我に返り、犯人をお寺の住職に任せて立ち去ります。


次にヘレンに会いに行き、お互いの価値観について話し、それぞれ自分を待つ病人のために仕事をしていくと再認識して別れます。


日本医師会館にも現れ、医師会会長選挙の前に会場の人々に竜ヶ浦のやってきた悪行を明らかにしました。


そして一番会いたかった元婚約者のいずみに電話します。

桐人からの手紙を受け取り、指定の店の中で会話するいずみ。

桐人は密かにいずみの姿が見える電話ボックスにいました。


既に亡くなった妻について生きているかのように話し、運命だった…とお詫びします。

「1度だけキスして」と受話器に唇を寄せるいずみ。

桐人は自分のことは忘れてくれ、と電話を切ります。

いずみが店から出るのを見届けて、最後に向かうべき場所へと足を向けます。


竜ヶ浦は自分のビールス説が主流となり、得意満面の中、医師会会長選挙を迎えます。

ところが、モンモウ病を発症して選挙での当選も取り消しになってしまいます。


そこに桐人が現れます。

モンモウ病がビールス感染症ではないと認めるよう詰め寄ります。

竜ヶ浦は断固拒否しますが、病院での犬神沢の水の分析結果、モンモウ病は風土病であるという、桐人と占部の説が証明されます。

ビールスは全く検出されず、竜ヶ浦は失意のうちに亡くなります。


桐人は船で日本を立つ前に、下垂体疾患の患者の会に温かさと尊敬を持って迎えられます。

信念は、と尋ねられた桐人は、

妻たづから「犬の顔をしたって、あんたはあんただ」そう言われたことが心の支えになったこと。

そして、麗花から「赤ん坊は一生懸命生きようとしている」と言われて、自分が恥ずかしくなったことを気取りもなく伝えました。

いいお話と言われ、恐縮する桐人。


今自分をどう思うかと聞かれ、

「人間に戻ったような心境です」と答えます。

そして桐人を待つ村へと戻っていきました。


いずみはというと、桐人の居場所を知っているかもしれないヘレンを尋ねます。

ヘレンが占部の子供を出産したのを見届けて、

桐人の跡を追って飛行機で旅立ちます。


☆☆

長くなってすみません^^;

はしょるにはあまりに重要なエピソードだらけで^^;


サトサトも言っていましたが、まるで一本の映画を観たような重みがありました。



サトサトブログでも「きりひと賛歌」について熱く語られています!


『例えどんな姿になっても

人の心を持ち続けることが

 人が人としてあるべき条件なんだなと思いました!!』(櫻井智琉さんブログより)


絵馬も同感です。(*´ω`*)

人の心とは…誰かのために損得抜きで真心を持って何かをしようという気持ちではないでしょうか。


「きりひと賛歌」という題名は、

そういう気持ちで人々を治療していく桐人への尊敬が込められている気がします。


そしてサトサトの新作イラストです!

★「あなたがどんな姿だろうと 

      どう変わろうと …私 あなたが好き!!」

キラッキラの「智琉eye」!

桐人が見たら惚れなおしてひとりで旅立てませんわ!(笑)

ゴツイ電話ボックスではなく、

緑のフレームで電話ボックス(窓にも見える)を表現したサトサト、お見事です!!

(*´ω`*)

受話器を緑で統一したことにも、二人の気持ちの繋がりが感じられます。

背景の雲にも飛行機で旅立つ予感がしますね(*´ω`*)

物語のラストはいずみが桐人を追いかけて乗った飛行機で締めくくられているんですよ♪


☆☆

サトサトのブログでも

「きりひと賛歌」の素晴らしさに触れてみて下さいね♪

☆☆

そして絵馬も「きりひと賛歌」イラストを描いてみました。

おおっとー?

ここでサトエマのシンクロ、

キタ━━ヽ(´ω`)ノ゙━━!!


★サトサトブログを見る前までに

絵馬が描いていたイラスト↓


そうです、右下のいずみ(o^o^)o ウンウン♪


☆再び櫻井智琉さんイラスト


こんな素敵なイラストを見せてもらったら、

再び感動が湧き上がって、

もう絵馬も仕上げてブログに載せるっきゃない!!

となりました(笑)(´>ω∂`)☆


★きりひと賛歌  絵馬模写アレンジイラスト下描き

(スケッチブック鉛筆画)


★同上 筆ペン描き

上から時計回りにご説明

✧(上・真ん中)息絶えた赤ちゃんを抱いて太陽に向かい絶叫する桐人

✧桐人と電話で話し嬉し涙を流すいずみ

✧桐人を誘惑する村娘たづ

✧「私は人間です」と帽子を取って訴えるヘレン

✧桐人の腕から赤ちゃんを抱き取った麗花


※右上の手は本当は違う場面のものですが、

絶叫する桐人にピッタリ合うと思って描きました


☆☆☆

「新しいマンガもどんどん出て来るけど、

古き良きマンガにも注目して神棚から降ろして(笑)

日の目を見られるようにしたいね」

相棒のサトサトがそう言ってくれました。

☆☆


時代の流れで、今では不適切と言われて、表現さえ却下されしまう内容も一部含まれる昭和の作品。


そこには人間の本質を考える上で大切なものも含まれるので、描き直すのは難しい部分もあったかと思います。

それでもコミックス化するに当たり、手塚先生は出来るだけ訂正して事実や時代に則した内容になるよう

に努力されています。


★きりひと賛歌と私③

(コミックスより抜粋)


絵馬が購入したブラックジャックの巻末にも

以下のような手塚プロダクションからの言葉が書かれています。(出版社は秋田書店版)

一部抜粋して引用記載させていただきます。


「(中略)…私たちがあえて、この作品を刊行し続けるのは、作者が既に故人で作品の改訂が不可能であることと、第三者が故人の作品に手を加える事は、著作者の人格権上の問題もさることながら、これらの問題を考えていく上でけして適切な処置とは思えないこと、加えて私たちには日本の文化遺産とも評価される作品を守っていく責務があると考えるからです。

   もとより私たちは地球上のあらゆる差別に反対し、差別がなくなるよう努めてまいります。それが出版に携わるもの責任であると考えます。読者の皆さまも、この手塚作品に接するのを機会に、様々な差別、医学に対する考えの、過去と現在の違いを把握され、事実を認識し、この問題への理解を深めてくださいますようお願いいたします。」


☆☆

>この手塚作品に接するのを機会に、様々な差別、医学に対する考えの、過去と現在の違いを把握され、事実を認識し、この問題への理解を深めて…


マンガを通して考える機会があるというのは、素晴らしいことですね。



最後まで読んで下さってありがとうございます!(´▽`)