私に愛媛の古民芸は?と、聞かれたら必ず答えるのは「伊予絣」「古砥部」と答える。
どちらも江戸時代~明治にかけて地元を支えた物産でもあり、美術・芸術的にも全国の名だたる品々をも凌ぐほどだった。
文学・文化という分野においても「法楽連歌」、「俳諧」、そして「伊予節」少し時代が下がり「俳句」は一地方の文化にあらず、全国に名を打つ。
昨日、南予地方の豪商の屋敷に遺された古美術・骨董、古書画等の仕分けに入らせていただいた。
久しぶりに出会った古砥部北河毛窯の民芸の数々・・
金の価値的にはガラクタ扱いをされるがこのあたりが本当の古民芸であり、その素朴なフォルムや釉調には頬擦りしたくなる。
虚飾のない美しさは分かる人には分かるが、大半は「汚い」「無粋」と言われる。
人もしかり。
虚飾だらけの者はバレるとすぐ逃げる。
初めからあるがままの姿で付き合った者は幼なじみの如く長く付き合えるもの。
昨日繋いだ古砥部の姿は特にパフォーマンスはないが飽きることもない。
この度声を掛けてくださった当代家主、仲介の方々には心からお礼を言いたい。
繋がれた古砥部北河毛の徳利たちも笑っているようである。
則天去私