政府・国土交通省担当者とお会いして、リニア中央新幹線についてお話を聞きました。



京都市は京都駅ルートへの変更をもとめるキャンペーンを展開中ですが、国は全く相手にしていないことがよくわかりました。

ただ、それ以上に、私は、今回のリニア中央新幹線の計画そのものに疑念を深めざるを得ませんでした。


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Q)東京ー名古屋、名古屋ー大阪の同時開業の動きをどうみるか。

→金利抜きで東京ー大阪は9兆円かかるが、国鉄時代でも5兆円の借金が限界。5兆円借金で名古屋開業にこぎつけて借金の返済をはじめ、その上で大阪まで伸ばす。2段階を考えJR東海に指示をだした。

Q)奈良付近ではなく京都駅ルート誘致をどうみているか。

→昭和48年の基本計画策定に遡って決定を覆すのは困難。20回にわたる交通審議会の議論も終わっている。災害時のバイパス、地域への配慮から現行ルート。

Q)かりに、京都ルート変更ができたとして、地元負担はあるのか。

→そもそも事業費がどれだけ膨らむかは不明。計算したことがない。京都を通らない現ルートの場合については地元負担ない。

Q)京都駅ルートを主張しているグループが、京都駅ルートは現行ルートの二倍の経済効果があると試算し、年間1200万人が利用見込みとしているが、国の見解は?

→試算を見たが、何との比較かわからず、コメントできない。そもそも京都駅ルートについて国として試算をはじいたことがない。

Q)京都駅ルートを主張しているグループが、中央新幹線の構想が検討された当時はリニアを想定していなかったとしているが。

→「走行方式」という項目があり、かつ、リニアの技術開発は当時からあったので、そのようには考えていない。

Q)リニア中央新幹線と東海道新幹線で客を食い合い、採算がとれなくなるのではないか。

→JR東海の売り上げの85%が新幹線であり、ここが災害などで損傷を受けたら経営危機になるので、バイパスとして中央新幹線を作りたいというのがJR東海の考え。東海道新幹線と中央新幹線の両方で補い合いなう関係。

Q)環境への影響について

→地質調査して工法を選ぶ。アセスメントで調査した結果問題なし。水が枯れるケースもありうるがその場合は国に準じて補償するとJR東海は言っている。

Q)残土の行先について

→自前で22%、沿線で7割を処理と考えているが、残土の出るタイミングと現在の引受先とのタイミングが必ずしもマッチするともいえないので、マッチングは今後の課題。

Q)断層、地震によりトンネルの安全性が脅かされるのではないか。

→中央構造線など断層を通るが、中越地震ではトンネル壁面の崩落程度ですんでいる。ナトム方式をとればその崩落も防げる。

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以上がおおむねのやり取りでしたが、特に地震対策については、納得できませんでした。

そして、京都駅ルートなどというのは全くの幻想であることもはっきりしました。

ちなみに、26日付の日経新聞第4面に、長野新幹線が通ったことで東京に企業が逃げてしまい、長野経済が衰退したことが書かれていました。